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【高松宮記念】モズスーパーフレアV!松若GI初制覇

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【高松宮記念】モズスーパーフレアV!松若GI初制覇

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、GI史上初めて無観客で行われた高松宮記念は、波乱の結末となった。1位入線した15番人気のクリノガウディーが4着に降着、ハナ差2位の9番人気モズスーパーフレアが繰り上がり、念願のGI初制覇を果たした。GIでの1位入線馬の降着は1991年天皇賞・秋のメジロマックイーン(18着)、2006年エリザベス女王杯カワカミプリンセス(12着)、10年ジャパンCブエナビスタ(2着)に次ぐ4度目となった。

 無観客開催でなければ大歓声が上がったはずのゴール前は、手に汗にぎる攻防となった。逃げ粘るモズスーパーフレアに外からクリノガウディーが迫り、鼻面を並べてゴール。写真判定の結果、2センチ差でクリノが1位入線したが、検量室の着順表示板には“審議中”の札が張られたまま。地上波のテレビ中継枠に収まりきらない、17分間にわたる長い審議の末、モズスーパーフレアが繰り上がりで春のスプリント王となった。

 「最後は無我夢中で、ゴール板を駆け抜けたときは負けたかな、と。素直に喜べないけど、GIを初めて勝てて、うれしい気持ちはあります」

 デビュー7年目でつかんだ初のGIタイトル。松若騎手に本来の笑顔はなかったが、パートナーの持ち味を生かし切って勝利を呼び込んだ。道中は後続を3馬身以上離しての逃げ。残り100メートルでクリノが外から斜行し、間を突いたダイアトニックの進路を妨害、そのあおりを受けて体勢を崩したが、懸命の粘りでハナ差2位を死守した。

 「ちょっと不利がありましたし、すっきりしないけど、勝ちは勝ち、と理解しています」

 音無調教師も喜びきれない表情だったが、弟子の松若騎手のGI初制覇には「彼も日々努力していましたから。この日を待っていました」と満面の笑みを見せた。

 仕上げには自信を持っていた。昨年は夕刊フジ賞オーシャンS快勝から中2週で疲れが残り、2番人気で15着に大敗。今年は休み明けのシルクロードS(4着)から中7週と余裕があるローテーションを選択し、「間隔をあけたのが正解でした」とうなずいた。

 今後は昨年2着のスプリンターズS(10月4日、中山、GI、芝1200メートル)が目標。史上初の無観客GIを振り返った鞍上は「寂しいです。競馬ができる幸せ、お客さまの大切さを感じます。今度は勝って(大歓声の中で)ウイニングランしたい」と誓う。

 マイルGIウイナーなど別路線から有力馬が多く参戦したなかで、短距離路線を貫いて頂点に立ったモズスーパーフレア。電撃王としての歩みは始まったばかりだ。(千葉智春)

★北側オーナー「感動したね」

 モズスーパーフレアが、9番人気の低評価を覆して優勝。オーナーであるキャピタル・システムの北側雅司代表(68)は、2日前の金曜にオーストラリアから帰国、新型コロナウイルス禍により現地での応援は諦め、自宅でのテレビ観戦で喜びを味わった。

 「感動したね。(繰り上がりで)ちょっと複雑な心境だけれど、よく頑張ってくれたと思う。松若騎手も音無調教師も、厩舎のスタッフも、みんな頑張ってくれた」

 個人オーナーとして、フェブラリーSモズアスコットに続き、JRA・GI施行機会連勝を達成。「アメリカ産の馬と相性が良くて、この馬もずっと期待していたんだ。今回は人気がなかったけれど、うまく逃げてくれれば…と思っていたし、(13着に終わった)アスコットとのワン・ツーだったら一番良かったんだけど、やはり優勝はうれしいね」と喜びをかみしめていた。★29日中京11R【高松宮記念】の着順&払戻金はこちら

★アラカルト

 ○…音無調教師 JRA・GIは昨年のチャンピオンズC(クリソベリル)以来の13勝目。JRA重賞は通算76勝目で、2014年から7年連続のJRA重賞勝利。

 ○…単勝9番人気 1999年マサラッキの8番人気を更新する、96年のGI昇格後最低人気でのV。単勝3230円の払戻金も、マサラッキの1860円を更新する式別最高払戻金額。

 ○…スパイツタウン産駒 JRA・GIは産駒延べ9回目の出走で初勝利。

★入場&売り上げ

 GIで史上初めて無観客で行われた高松宮記念の売り上げは、127億134万8200円で対前年比100・4%。中山競馬が3R以降中止となった影響もあってか、競馬場やウインズで馬券の発売がなく、インターネット発売(電話投票を含む)のみで前年比増を達成した。

松若 風馬(まつわか・ふうま) 1995(平成7)年9月4日生まれ、24歳。滋賀県出身。2014年に騎手免許を取得し、同年に47勝を挙げJRA賞(最多勝利新人騎手)を獲得。15年の小倉記念アズマシャトル)で重賞初制覇。JRA通算314勝で重賞7勝(うちGI1勝)。

モズスーパーフレア 父スパイツタウン、母クリスティーズトレジャーー、母の父ビロングトゥミー。栗毛の牝5歳。栗東・音無秀孝厩舎所属。米国産。馬主は(株)キャピタルシステム。戦績20戦7勝。獲得賞金3億2882万5000円。重賞は2019年GIII夕刊フジ賞オーシャンSに次いで2勝目。高松宮記念音無秀孝調教師が06年オレハマッテルゼに次いで2勝目。松若風馬騎手は初勝利。馬名は「冠名+恒星の表面で起こるエネルギーの大爆発」。

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