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秋競馬の開幕日となる4回中山開催の土曜メインは、重賞に昇格して3年目となる紫苑S(8日、GIII、芝・内2000メートル)。1~3着馬には秋華賞(10月14日、京都、GI、芝・内2000メートル)の優先出走権が付与される。
過去2年の連対馬のうち、一昨年は2着ヴィブロスが本番でV。昨年も勝ち馬ディアドラが本番でも連勝した。オープン特別時代はなかなか本番につながらない前哨戦だったが、ここに来て一躍、秋華賞に直結するトライアルとして位置付けられている。今年も上位で入線した馬には、本番で好走する期待をかけていいだろう。
マウレア(美浦・手塚貴久厩舎)はオークス5着以来の復帰戦。8月上旬に帰厩し、じっくりと乗り込んで秋初戦を迎える。春2冠はともに5着でアーモンドアイに軽くひねられた形だが、2着以下とは差のない競馬を続けている。関東馬ながら中山は今回が初めて。オークスでコーナー4回の競馬を経験しており、2000メートルにも特に問題はなさそうだ。開幕週で時計が速い決着になっても、時計面の不安はない。先週5勝を挙げて、JRA通算4000勝まであと5勝に迫っている武豊騎手の騎乗も注目だ。
フィニフティ(栗東・藤沢英昭厩舎)は桜花賞で12着に惨敗。デビュー戦から一戦ごとに体重を減らすなど、春はまだ体質面に課題があった。全兄ステファノスは2000メートルのGIで2着が3度あり、血統的には2000メートルでも問題なし。ひと夏を越して、体質的にもだいぶ成長している。コーナー4つの競馬で、今まで以上に器用さを求められるが、潜在能力はこのメンバーでも上位ランクだ。今回は戸崎圭太騎手との初コンビで臨む。
パイオニアバイオ(美浦・牧光二厩舎)は、サンケイスポーツ賞フローラSで2着に好走。オークスでは出遅れながら7着に押し上げ、地力を示した。芝2000メートルは中山コースを含めて【1・1・0・0】とベストの距離。前走のオークス以外は全て4着以内という堅実派でもあり、秋華賞で2着に好走した母アニメイトバイオに似たタイプだ。毎回相手なりに走れるのはセールスポイント。距離、コース適性を味方に上位争いをもくろむ。
ハーレムライン(美浦・田中清隆厩舎)は中山芝コースで【2・1・1・0】と安定した成績。前走の桜花賞は14着に完敗したが、輸送の短い得意の中山でうまく折り合って流れに乗れれば、初めての2000メートルでも克服可能とみる。
ノームコア(美浦・萩原清厩舎)は2歳時に新馬、アスター賞と連勝し、6カ月の休養後はフラワーC、フローラSと重賞でともに3着に好走。まだ底を見せていない魅力がある。すっと先行できる器用さは大きな武器で、スタミナも豊富。クリストフ・ルメール騎手との新コンビも興味深い。
レッドベルローズ(美浦・鹿戸雄一厩舎)は4走前のフェアリーS3着、2走前のミモザ賞Vと中山コースに実績がある。前走のフローラSはレースに集中し切れず7着に敗れたが、コース替わりと実績のある2000メートルなら巻き返しがあっていい。
ロサグラウカ(美浦・尾関知人厩舎)はオークスでは見せ場なく10着に敗退したが、右回りでは新馬、水仙賞と連勝している。開幕週の速い時計に対応できるかが鍵だろう。
ランドネ(栗東・中竹和也厩舎)は2走前のスイートピーSでオープン勝ち。自分のリズムで走れれば強い競馬を見せるタイプだけに、マイペースで運べれば一変のシーンもありそうだ。
ほかには、2000メートルで2勝を挙げているサラス(栗東・西村真幸厩舎)や、前走の勝ち方が目を引いたカレンシリエージョ(栗東・鈴木孝志厩舎)、キャリア3戦ながら底を見せていないクイーングラス(美浦・和田雄二厩舎)などに魅力がある。
★紫苑Sの特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載
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