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武豊(55)=栗・フリー=騎乗で1番人気のヤマニンウルスが、無傷の5連勝で重賞初挑戦勝利。早め先頭から3馬身差をつけて快勝し、グレード制を導入した1984年以降では史上7頭目の無敗でのJRA古馬重賞勝利を決めた。秋はチャンピオンズC(12月1日、中京、GⅠ、ダ1800メートル)あたりを視野に入れる。2着はスレイマン、3着はマリオロードが入った。
2年前の夏に26馬身差の衝撃デビュー勝ちを決めた小倉で、躍動した。ヤマニンウルスが無傷の5連勝で重賞初挑戦V。滞在する函館からのスポット参戦で一昨年9月4日以来、2年ぶりの〝夏コク〟でレース歴代最多の5勝目を手にした武豊騎手は、汗をぬぐった。
「ホッとしています。改めて、やっぱりこの馬は強いなという気持ちです。(小倉は)暑いですね。でも、馬は涼しそうに走っていましたよ」
スタート後は激しい先行争いに加わらず、3番手をキープ。「まだあまりもまれ込んだり砂をかぶった経験がないので、そうならない方がいいかなと」。勝負どころから押し上げると、4コーナー手前で先頭へ。直線は雄大な馬体を揺らしながら伸び、後続を寄せ付けなかった。「最後までしっかり走る馬なので、相手に合わせるのではなく、この馬のペースで走らせました」という鞍上の厚い信頼に応えた。
予定していた5月の平安Sを裂蹄で見送り、5カ月半ぶりの実戦だったが、あっさりクリア。この日の馬体重は2キロ増で過去最高の584キロ。新馬戦からは48キロも成長した。大型馬特有の緩さがあって詰めて使えないが、その分、伸びしろは大きい。6年連続JRA重賞制覇となった斉藤崇調教師も「だいぶしっかりしてきているかなと思いますが、まだキ甲も抜け切っていないし、そういう意味ではすごく楽しみです。またひとつ、ステップアップできたなという感じ。頼もしい馬ですね」と着実な進歩に目を細める。
今後は京都・宇治田原優駿ステーブルに放牧に出る予定。師は「行けるなら行きたいですね」と暮れの大一番、チャンピオンズCを見据える。名手も「まだ5回目のレースで、重賞でこの内容。この先どこまで強くなるのか楽しみです」とさらなる進化に胸を躍らせる。ノンストップでダート界の頂点まで上り詰める。(斉藤弘樹)
■ヤマニンウルス 父ジャスタウェイ、母ヤマニンパピオネ、母の父スウェプトオーヴァーボード。鹿毛の牡4歳。栗東・斉藤崇史厩舎所属。北海道新冠町・錦岡牧場の生産馬。馬主は土井肇氏。戦績5戦5勝。獲得賞金8346万1000円。重賞は初勝利。プロキオンSは武豊騎手が1997年バトルライン、2000年ゴールドティアラ、09年ランザローテ、18年マテラスカイに次いで5勝目、斉藤崇史調教師は23年ドンフランキーに次いで2勝目。馬名は「冠名+クマ(仏)」。
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◆無敗馬のJRA古馬重賞レース制覇 グレード制導入の1984年以降では1992年トウカイテイオー(産経大阪杯=7戦7勝)、2002年ファインモーション(エリザベス女王杯=6戦6勝)、12年カレンブラックヒル(毎日王冠=5戦5勝)、19年クリソベリル(チャンピオンズC=6戦6勝)、20年レイパパレ(チャレンジC=5戦5勝)、23年セラフィックコール(みやこS=5戦5勝)に続き7頭目。
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