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バリバリのステイヤー血統が姿を消しつつある現在、長丁場の一戦では距離の融通もきくスピード血統を探さなければならない。そんな条件にピッタリ当てはまるのが、キングマンボ系種牡馬だ。
日本ではエルコンドルパサーとキングカメハメハが有名だが、距離が延びてもパフォーマンスが落ちないのがこの系統の良さであり、ともに1600メートルでも2400メートルでも強い競馬を見せた。父としても、エルコンドルは菊花賞馬ソングオブウインドを輩出。キンカメも、ここに有力馬2頭を送り込んできた。
ローズキングダムはマイルの朝日杯FSを勝ち、菊花賞でも2着。この系統らしい幅広さを見せている。母系の質の高さは言うまでもなく、成長力も十分だ。
トゥザグローリーの成長力にも目を見張るものがある。母系はスピード色が強いが、今の充実ぶりなら距離はこなせるはずだ。
キングズベストも同じキングマンボ系種牡馬であり、距離適性ならキンカメよりも上か。エイシンフラッシュは母系が重厚なドイツ血統で、スタミナ豊富。距離に不安は感じさせない。配合の質の高さではコスモメドウも負けておらず、ステイヤーの資質でいえばトップクラスだろう。
対するのはサンデーサイレンス系、といきたいが、今回のSS系は今ひとつ魅力に欠ける。ヒルノダムールはマンハッタンカフェ×ラムタラの配合だけなら距離はこなすが、本質的にマイラータイプの母系がネック。ヤマニンセラフィム産駒のナムラクレセントはGI級のスケールとなるとどうか。ゼンノロブロイ産駒ペルーサも、本質的には2000メートル前後がベスト距離だろう。
紅一点のメイショウベルーガは、父フレンチデピュティのスピードをダンシングブレーヴなどが名を連ねる重厚な母系が支える。簡単にはバテないタイプで、展開の助けがあれば怖い。
一昨年V、昨年2着のマイネルキッツは配合そのものは地味だが、成長力はある。昨年と比べても大幅な能力の落ち込みはないとみたい。
フランスから参戦するジェントゥーは、SSと同じヘイルトゥリーズン系のルーソリテール産駒で、母系には96年春の天皇賞馬サクラローレルがいる。日本の馬場への適性がないとは言い切れない。 (血統取材班)
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