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毎週プロ予想MAXの予想家に週末重賞への見解、注目馬について取材、紹介する連載「プロ予想家最速予想」。第23回は七夕賞について山口吉野プロ・スガダイプロの2名にお話を伺いました。早速、レースへの見解と注目馬を紹介していきます。
【山口吉野】―数字が証明する驚異の◎精度!レースV回顧を軸に展開する総合予想
パトロールビデオのレース回顧により、着順や着差から判断できない、競走馬一頭ごとの能力や適性を徹底分析。ウマニティでも安定した回収率を計上する山口吉野プロに七夕賞の予想をお聞きしました。
―予想のポイントからお願いします。
七夕賞は前傾ラップで上がりが掛かる状況になりやすいので、その適性に合う馬を見極めることと、能力の割にハンデが軽い馬や重い馬を把握することがポイントです。また馬場によって枠の有利不利が異なるので、当日までの天気や馬場の把握も重要になります。
―お話のあったハンデについですが、その軽重を見極める際に注意している点はあるでしょうか。
条件戦がオープンに引けを取らないレベルで行われることがあり、格上挑戦の馬は、能力が高いのにハンデが軽い、というケースが発生しやすくなります。ハンデは大体、実績で決まるので、各馬の近走のレースレベルや展開の有利不利を見極めて、能力を把握することが重要になります。
―なるほど。たしかに、機械的に決めている印象を受けることがあります。コース適性の観点から、福島芝2000m出走がプラスに働く馬、反対にマイナスに働く馬がいればお願いします。
福島2000mがマイナスに働く馬はグランオフィシエです。この馬は左回りや東京でのパフォーマンスが高く、距離延長ローテが得意な馬なので、小回り2000mへの距離短縮はマイナスに働く可能性が高いです。プラスに働く馬は、昨年の七夕賞のパフォーマンスが高かったエヒトです。
―ありがとうございます。気になる馬から、セイウンハーデスついてお聞きします。前走は不良馬場のG3で2着でした。馬場適性があってこその走りとみているのか、馬場を問わずG3レベルだと能力上位とみているのかを含め、当馬の評価をお願いします。
セイウンハーデスは休み明けだった3勝クラスの競馬法100周年記念で、掛かって外を回るロスがありながら楽に勝ったので、この時点でG3でも通用する能力を示していました。他馬を気にする面と常に折り合いが課題になる気性から、戦法はハナがベストの馬だと判断します。新潟大賞典のメンバーでは能力の割にハンデが軽かったうえ、ベストの逃げで道悪の適性もあったので、高いパフォーマンスを発揮したという評価です。
―クラスに通用する能力はあって、ハナがベストですか。今回は同型がいるので、そのあたりは気になりますね。もう一頭、サンレイポケットなのですが、この馬はピークアウトしているとみていますか。
サンレイポケットは2021年がピークで、昨年から今年にかけて徐々にパフォーマンスが低下し衰えています。実績があることで、能力の割にハンデが重いという状況になるので、斤量面では不利です。
―2021年はG1でも頑張っていた年ですね。好きな馬なのですが、強調材料は少ない感じですか。現状、軸として考えている馬を理由付きでお願いします。
馬場や枠順やオッズが分からないと軸を決められませんが、能力の割にハンデが軽いと思う馬はバトルボーン、フライライクバード、出否未定のレインフロムヘヴンです。
―フライライクバードですか。これは楽しみです。人気サイドで危険だと思う馬はいるでしょうか。
フェーングロッテンは近3走全て楽逃げで展開に恵まれて好走し、能力の割にハンデが重くなっています。枠順次第ですが近走より展開が厳しくなるリスクも高く、パフォーマンスを下げる可能性が高いです。
取材後記:ハンデ戦に対する考えなどは非常に参考になりますね。フライライクバードには好枠を引いてほしいものです。
【スガダイ】―全開催プラス収支を可能にする“予想神”
群雄割拠のウマニティプロ予想MAXで13年連続ランキングトップに君臨。他の追随を許さない、競馬予想界のキング・オブ・キングス、スガダイプロに七夕賞についてお聞きしました。
―荒れるイメージの強いハンデ重賞ですが、どの馬に注目しているでしょうか。
セイウンハーデスですね。
―昨年はプリンシパルSを勝ち、ダービー、菊花賞で経験を積みました。
クラシックではいい結果が出なかった馬ですけど、セントライト記念4着などいいところはあったんですよね。菊花賞は初ブリンカーで物凄いペースで引っ張り、レコード決着を演出しました。ブリンカーは逆効果かなと思いましたが、休養後もつけたまま出走し3勝クラスを強い勝ち方で突破しました。前を捕まえにくい流れのなか、好位からわりと外を回しつつ、楽な手応えで差し切ったんですよね。
―インパクトのあるレースで印象に残っています。前走の新潟大賞典は不良馬場で2着でしたが、重賞初制覇の期待をもてるでしょうか。
新潟大賞典はかなりの不良馬場で、どんな競馬になるかと見ていましたが、カラテには競り負けたとはいえ、3着には8馬身差ですから。走ったから上手いんでしょうけど、そこまで道悪が上手い馬か? という気もしますし、力をつけていると判断していいと思いますよ。引き続き調教の内容も良く、控える競馬もできるので、力どおり走れるなら重賞制覇のチャンスだと思いますね。
―ありがとうございます。昨年このレースを勝ったエヒトはどうでしょうか。
去年のこのレースを勝って以降も実績を積んで、今年は4キロ増ですよね。楽なレースにはならないと思うんですけど、去年の七夕賞はかなりハイレベルだったので、同じくらい走れるなら斤量増でも勝ち負けゾーンに入ってくるのではないかと。
―状態的をどう見ていますか。海外帰り初戦になりますが。
まず、去年は絶好調で、森厩舎とはいえ凄まじい時計を連発していたんですよね。その後、七夕賞ほどの時計を出していないなかでも、チャレンジCやAJCCでも善戦しているので、ベースの力がアップしていると考えています。今回は1週前に坂路で自己ベストを出していますし、最終追い切りはどうなるかわかりませんけど、この暑い時期に合うめずらしい馬かもしれないですよ。
―なるほど、最終追い切りにも注目ですね。条件戦からの好走も時折見られるレースです。3連勝で重賞初挑戦のテーオーソラネルにひと言お願いします。
今、かなりデキがいいと思うんですよね。3走前、2走前と逃げ切りを決めて、前走は行けなくて控える競馬になり、前残りの流れでダメだと思ったところ差し切りましたからね。内を上手く捌けたとはいえ、強いんだろうなと。今回のウッドの追い切り内容を見ても、時計を大きく詰めていて、どんどん上昇している感じがあります。前走控える競馬が出来たのは良く、しかも内をするする上がってきたのを見ると、小回りへの適性も高そうです。乗り替わりはちょっと気になりますけど、さほど人気にもならなそうですから、狙って面白いんじゃないですかね。
―前走は驚きでしたね。控える競馬ができるのは良いというお話がありましたが、どうも今年は前に行く馬が多いような気もします。そのなかで、逃げ候補で人気を背負いそうなフェーングロッテンをどう見ていますか。
今回逃げられるかどうかわからないですけど、一応ラジオNIKKEI賞を勝ったときは控えていますからね。必ずしも何が何でも逃げなきゃダメってタイプじゃないですし、前走の鳴尾記念はボッケリーニに早めに来られて、「あれ、これダメかな」ってところから粘りました。なかなかしぶとく、タフな展開にも強いので、押さえますよね。
―先行馬多数の組み合わせでも外せないですか。新馬戦でダノンベルーガに負けてから4連勝中のバトルボーンはどうでしょうか。
わりと高評価し続けてきた馬ですけど、今回は休養期間が長引きましたしね。ルメール騎手から津村騎手に替わるのもどうかなと。正直、前走で底を見せた感じもするんですよね。ただ、休養期間が長いので、その間に強くなっているかもしれないですよね。なので、人気と最終追い切りを見ないと……。火曜の段階では何とも言い難いです。
―エヒト同様、最終追い切りに注目ですね。最後に挙げていただいた以外で注目している馬がいればお願いします。
スタッドリーですかね。出走できるかわかりませんけど、直近2走の敗戦は距離で片づけていいと思うんですよ。ダイヤモンドSはモレイラさんがもっていかれましたし、前走を見てもきつそうだなという。AJCCも長かったと思うんですよね。そのなかでも、差のない競馬だったので、2000mで脚を溜める競馬をすればもっとやれる馬だと思います。出走できるなら、少し押さえたいです。
取材後記: スタッドリー、出られるといいですね。人気サイドの馬はおおむね高評価のようです。
以上、プロ予想家2名の七夕賞への見解と注目馬を紹介しました。なかなか軸を決めるのが難しそうです。お二方とも高評価はセイウンハーデスですかね。
(文・垣本大樹)
⇒気になる最終結論は、レース当日のプロ予想MAXでチェック!(予想をアップする時間帯は予想家によって異なります。)
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※週末の枠順発表までは直前週結果ページへ遷移します。
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