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今年の平地GIは残すところあと3戦。今週日曜は阪神競馬場で朝日杯フューチュリティS(17日、芝1600メートル)が行われる。中山から阪神に舞台を移して4年目。GIIだったホープフルS(28日、中山、芝2000メートル)が今年からGIに昇格したため、2歳マイル王を決める戦いとなった。ここを制して一躍その名を高めるのはどの馬か。
メンバー中唯一の無敗馬ダノンプレミアム(栗東・中内田充正厩舎、牡)が、無傷の3連勝でのGI取りに挑む。新馬戦は4コーナー先頭から押し切って4馬身差、2戦目のサウジアラビアロイヤルCは2番手から楽に抜け出し、稍重ながら1分33秒0の2歳コースレコードで1馬身3/4差と、ともにワンサイドの勝利だった。無理なく好位につけられるスピードと、追われてからの反応の良さはまさに一級品。初戦も稍重だったが、跳びが大きくてきれいなディープインパクト産駒だけに、良馬場ならさらにパフォーマンスを上げそうだ。阪神の外回りコースはデビュー戦で経験済みで、舞台替わりも問題ない。
中内田厩舎のもう1頭、フロンティア(牡)もVを意識できる存在。新馬戦は二枚腰を発揮しての逃げ切りで、2戦目の新潟2歳Sはゴール前で鋭く伸びた。3戦目のデイリー杯2歳Sは4着に敗れたが、道中に故障馬の影響でスムーズさを欠いたもので、決して力負けではない。半兄にクラシック3冠で2、3、2着と好勝負を演じたドリームパスポート(父フジキセキ)がいる良血。巻き返しても不思議はない。中内田厩舎は今年の2歳戦【10・4・2・7】で、勝率43.5%、連対率60.9%という驚異のハイアベレージを残しており、この2頭でGI初勝利を目指す。
昨年のサトノアレスに次ぐ連覇を狙う美浦・藤沢和雄厩舎も精鋭2騎がスタンバイ。京王杯2歳Sを制したタワーオブロンドン(牡)は4戦3勝、2着1回の好成績。2戦目から前走まで3戦連続で上がり最速をマークしているように、末脚の切れ味は一級品だ。1500メートルまでしか経験がないが、3馬身半差で圧勝した2走前のききょうS(芝1400メートル)の走りを見る限り不安はない。近親に昨年の皐月賞馬ディーマジェスティがおり、血統的にもGI制覇が可能な逸材といえる。
もう1頭のファストアプローチ(牡)は、2戦目の未勝利戦で5馬身差の圧勝を飾り、札幌2歳Sではクビ差の2着。前走の芙蓉Sでは前にいた勝ち馬を捕らえきれなかったが、しぶとく2着を確保している。叔父に国内外でGI・2勝のサトノクラウンがおり、大舞台で頂点を極める可能性は十分ある。
ステルヴィオ(美浦・木村哲也厩舎、牡)はオープン特別勝ちを含む3戦2勝。前走のサウジアラビアロイヤルCは行きっぷりがひと息で後方から外々を回らざるを得なかったが、直線だけで前述のダノンプレミアムまで0秒3差の2着に迫っている。上がり3ハロンは最速の33秒5と、末脚の破壊力は新種牡馬の父ロードカナロア譲り。距離がもう少しあった方がいいタイプだが、ゆったり運べる阪神の外回りなら、前走同様マイルでも問題はない。逃げ、先行タイプがそろっており、ペースが速くなれば、一気に差し切るシーンもありそうだ。
ロードカナロア産駒はもう1頭、ダノンスマッシュ(栗東・安田隆行厩舎、牡)が登録。こちらもステルヴィオに負けず劣らずの素質馬で、未勝利→オープン特別を連勝中だ。抜け出すと気を抜く面は前走では見られず、精神面の成長が感じられた。好位から鋭い脚を使うことができ、レースセンスは抜群。200メートルの距離延長も問題なさそうだ。父と同じ厩舎、同じ担当者(岩本調教助手)という点も興味深い。
中央入り初戦のダブルシャープ(栗東・渡辺薫彦厩舎、牡)も侮れない存在だ。ホッカイドウ競馬所属時にオープン特別・クローバー賞でタワーオブロンドンを撃破。札幌2歳Sでは勝負どころで外々を大きく回るロスがありながらも、力強く脚を伸ばして3着に好走している。前走のサウジアラビアロイヤルCでは向こう正面で他馬と接触する不利がありながらも、6着と大崩れしなかった。伯父に中山開催時の2000年にこのレースを制したメジロベイリーがいる。血統面からも注目したい。
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