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横山和生(31)=美・フリー=騎乗で2番人気のべラジオオペラが2番手から押し切ってGⅠ初制覇。4年連続でGⅠ未勝利馬が大阪杯を制した。管理する上村洋行調教師(50)=栗=は開業6年目でGⅠ初勝利。2着に3番人気ローシャムパーク、3着に11番人気ルージュエヴァイユが入った。1番人気のタスティエーラは11着に敗れた。
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人馬一体となった走りにスタンドが揺れた。日本ダービー4着以来のGⅠ挑戦だったべラジオオペラが念願のビッグタイトルをゲット。横山和騎手はファンの声援に応えながら検量室前に戻ると、「よっしゃー!」と喜びを爆発させた。
「この馬と重賞は取れたけど、ダービーの悔しさをずっと忘れられなくて、今回は絶対勝ちたいなと思っていました。最高にうれしいです」
近走は中団で脚をためてしまいを生かすスタイルだったが、「馬場の様子を見ながら、すごく操縦性のいい馬なので、今回は思い切って先行策を取りました」。発馬をポンと決めて2番手で運んだ。直線に向くと、早めに先頭に立って押し切り態勢へ。外からローシャムパークに迫られたが、根性を見せて真っ先に栄光のゴールに飛び込んだ。
園田競馬の馬主だった林田祥来オーナーが「中央競馬でいい馬がほしい」と上村調教師に打診。師が千葉サラブレッドセールで見定めて、購入してもらったのがベラジオオペラだ。「見栄えするタイプではなかったが、いい意味でロードカナロア産駒らしくない奥がありそうな雰囲気」と当時を振り返った。師の見立て通りにデビューから3連勝でスプリングSを制覇。日本ダービーではタイム差なしの4着と涙をのんだが、着実に力をつけてリベンジを果たした。騎手時代に2008年のスプリンターズSをスリープレスナイトで制したトレーナーは、開業6年目でGⅠ初勝利。「率直にうれしいです。間隔が詰まっている中でこのレースに向けて悔いのないように仕上げました。この馬で何とかGⅠをと思っていた。良かった」と笑みを浮かべた。
今後は未定だが、鞍上が「まだ緩さも残るというのが先生との共通認識。ここから先どんな成長を見せてくれるか楽しみで仕方ないですし、(GⅠを)2つ、3つと勝っていきたい」と意気込めば、師は「一線級の馬と戦うことになっても負けないように馬作りをしていきたいです」と力を込めた。
これだけのパフォーマンスをしながらまだまだ良化の余地を残すべラジオオペラ。さらなる進化を遂げて、ターフで凱歌を響かせ続ける。(増本隆一朗)
■ベラジオオペラ 父ロードカナロア、母エアルーティーン、母の父ハービンジャー。鹿毛の牡4歳。栗東・上村洋行厩舎所属。北海道千歳市・社台ファームの生産馬。馬主は林田祥来氏。戦績8戦5勝。獲得賞金3億9007万8000円。重賞は2023年GⅡフジテレビ賞スプリングS、GⅢチャレンジCに次いで3勝目。大阪杯は横山和生騎手、上村洋行調教師ともに初勝利。馬名は「冠名+歌劇」。
★アラカルト
◆横山和生騎手 2回目の騎乗で初勝利。JRA・GⅠは2022年宝塚記念(タイトルホルダー)以来で通算3勝目。重賞は23年のチャレンジC(ベラジオオペラ)以来、通算15勝目。31歳9日での大阪杯制覇は北村友騎手の32歳5カ月29日を抜いて最年少。
◆上村洋行調教師 初出走で勝利。JRA・GⅠは10頭目の出走で初勝利。重賞は東海S(ウィリアムバローズ)に続く、今年2勝目。通算5勝目。
◆ロードカナロア産駒 3頭目の出走で初勝利。JRA・GⅠは23年エリザベス女王杯(ブレイディヴェーグ)以来で、通算16勝目。重賞は根岸S(エンペラーワケア)に続く、今年2勝目。通算69勝目。
◆馬主・林田祥来氏 初出走で勝利。JRA・GⅠは3頭目の出走で初勝利。重賞は通算3勝目。
◆生産・社台ファーム 今年出走の3頭を含む11頭目で初勝利。JRA・GⅠは23年朝日杯FS(ジャンタルマンタル)以来、今年初勝利で通算100勝目(他にJ・GⅠを3勝)。重賞は金鯱賞(プログノーシス)に続く、今年7勝目。通算548勝目。
◆単勝2番人気の勝利 23年ジャックドールに続く、2年連続3回目。
◆馬番⑪の勝利 同レースでは初。
◆関西馬の勝利 17年キタサンブラックから8年連続8回目。
◆4歳馬の勝利 21年レイパパレ以来、3年ぶり3回目。
◆牡馬の勝利 22年ポタジェ以降、3年連続6回目。
★入場&売り上げ
大阪杯の入場者数は2万8497人で前年度比110・9%。売り上げは165億9960万7900円で同89・7%だった。
◆表彰式のプレゼンターを務めた2024年JRA年間プロモーションキャラクターの長澤まさみ「芝を懸命に駆け抜けたベラジオオペラの力強さ、美しさに心を打たれました。目の前で繰り広げられる迫力あるレースに感動するとともに、トークショーでは横山和生騎手、そして多くのお客様とレースを振り返りながら素敵な時間を過ごすことができ、良い思い出となりました。引き続き、春のGⅠシーズンを盛り上げられるよう、私も頑張ってまいります」
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