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【霧プロの重賞レースおさらい帳】ラジオNIKKEI賞2023 王道の先行押し切り!ハイセンスな勝ち馬の行く先は?

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【霧プロの重賞レースおさらい帳】ラジオNIKKEI賞2023 王道の先行押し切り!ハイセンスな勝ち馬の行く先は?


春のクラシック路線にこそ乗ることができなかったものの、地道に実績を積み重ねてきたレーベンスティールエルトンバローズバルサムノートら新勢力に加え、重賞で見せ場を作ったことのあるグラニットシルトホルンコレペティトールらが集い、今年も”らしい”面々が揃ったラジオN I K K E I賞。
他馬を離して逃げるタイプのグラニットだけでなく、先行押し切りで勝ち上がってきた馬も多数おり、戦前は熾烈な先行争いが繰り広げられそうな雰囲気があったが、展開の鍵を握るグラニットのスタートダッシュがあまりにも鈍い。他の先行勢は彼がハナに行くのを待つような格好となり、結果として先行争いは激化どころかむしろ鈍化。スタートからゴールまで多少の入れ替わりはあったものの、道中の隊列がほぼそのまま着順に繋がるという珍しい展開になった。

こうした不思議な展開の中を道中3~4番手から抜け出してきたのが、勝ったエルトンバローズ
早々に好位のインを確保し、折り合いも非常にスムーズ。そのまま何のロスもなく直線を迎え、しっかりと脚を使って押し切りと、先行という脚質のお手本のような勝ち方だった。
未勝利脱出までに5戦を要したが、そこから一気に3連勝。先日の宝塚記念で3着だったジャスティンパレスの調教パートナーを務めることが多く、時には主役よりも目立つような走りを見せていただけに、今回の勝利には驚きよりも、ようやく実績が伴ってきたという感覚のほうが強い。
兄姉に1200m~1400mを主戦場とするタイプが多いことから、本馬もマイル前後が主戦場となるスピード寄りのタイプである可能性が高そうだが、母母のニュースヴァリューは1200m~2500mという幅広い距離で良績を残しているし、父ディープブリランテ、母父ブライアンズタイム、そして当レースを制しているという点まで同じである2017年の覇者セダブリランテスも、良績を残したのが1800m~2500mという距離の融通性があった。本馬も今のところ特に難しそうな面は見せていないだけに、同様の万能タイプに成長する可能性もあるか。レース選択の幅は非常に広くなりそうだ。

2着のシルトホルンはここ数走で一気にパワーアップ。
以前は先行力こそあれど末が甘いイメージがあり、3月のスプリングSでも早々にバテてしまっていた馬だったが、2走前辺りからこうした頼りなさがだいぶ薄れており、先行力はそのままにしっかりと末脚も使えるようになった。
今回のような小回りコースで器用さを発揮できるだけでなく、前走の東京1600mのような性格の異なる舞台で押し切る競馬もできるあたり、舞台を選ばないマイラーとしての活躍が期待できそう。同父産駒でいうと、今年の東京新聞杯で逃げ切り勝ちを決めたウインカーネリアンがイメージに近いだろうか。

3着には断然の1番人気に推されていたレーベンスティールが飛び込んだ。
これまでのレースぶりを思うと、今回はかなり後ろから運んだ形。スタートは悪くなかったが、先行勢の動きを警戒しての待機策だったか。動きたいところで前と左右に馬がおり、動くに動けない形になってしまったのも大きく、いくつかの要素や判断が全て裏目に出てしまったという印象が強い。
それでも最後の脚はさすがと思わせる威力だったし、前進気勢が強く、折り合いが難しそうなタイプに映っていただけに、今回のように控える競馬ができたのは今後を考えるとかなり大きい。
賞金を加算できなかったのは痛恨だが、近い将来重賞路線の常連として名を連ねてくるのは間違いなさそうだ。


4着バルサムノートはゴール前でレーベンスティールに寄られる等の不利こそあったものの、依然として右にモタれる面が強く、コーナーや直線におけるロスが大きい。気性面もまだ幼く、完成までにはもう少し時間が必要か。この気性面や母が名スプリンターのエピセアロームという血統点を考えると、距離を詰めてみるのも面白いかもしれない。

5着のコレペティトールは2月の共同通信杯以来の実戦で掲示板を確保。その共同通信杯でも強力メンバーの中で大負けしておらず、目立たないながらも徐々に力をつけている。
母ベガスナイトの産駒は、非常に地味~~に力をつけて、「ここ!?」というタイミングで馬券に絡んでくる馬が多い。現在中長距離路線で活躍している半兄キングオブドラゴンもそういったタイプなので、本馬もどこかで高配当の使者になるような予感がする。

2番人気に推されていたグラニットは粘れず6着。
ゲートが開く直前に隣枠の馬がガチャガチャと暴れており、それに引き摺られた面も多少ありそうだが、逃げに徹する馬の割には元々テンのスピードが速くない。今回は他馬が行く構えを見せなかった分ハナを取り切れたが、同型の存在があった場合は全く良さを出せない可能性も多々ありそう。
逆に、確実に単騎逃げが叶いそうなメンバー構成の際は嫌でも目立ってくる存在になるだろうし、予想的には何とも難しい存在になったように思える。


○霧(きり)プロフィール
ウマニティ公認プロ予想家。レース研究で培った独自の血統イメージに加え、レース戦績や指数等から各馬の力関係・適性を割り出す”予想界のファンタジスタ”。2023年1月には、長年の活躍が認められ殿堂プロ入りを果たす。

霧プロの最新予想ページはこちら
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