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元JRA騎手の細江純子さん(46)が、有馬記念に出走する有力馬の気になるポイントをチェック。本命にはエフフォーリアを推し、展開面などから浮上する穴馬としてウインキートス、ペルシアンナイトの名前を挙げた。本紙ZBAT!特捜班が診断した出走全16頭の馬体やパドックでの注意点とともに、馬券検討の参考にしよう。
(5)ディープボンド 遠征で変化 フランス遠征したことで、馬が変化している印象を受けます。以前は、追い切りで迫力あるパワフルな動きをしていた馬が、弾力のあるフットワークで軽やかな走りに。これがどう出るのか分かりませんが、もともと持久力のある馬ゆえに、舞台設定は合っていると思います。
(6)ウインキートス 全てプラス 今回、面白みを感じるのがこの馬。というのも、前走時からの条件が全てにおいてプラスとなるからです。まず、今回は関東圏での競馬。パドックでの周回を見ていると、初めての環境や白毛馬のソダシを見て興奮するなど、かなり繊細な面がある女の子ゆえ、慣れた競馬場はグッド。メンバー構成から、今年の有馬記念は例年以上に持久力が問われる印象なので一発ありそうな気がしています。
(7)クロノジェネシス 馬体重注目 2週前追い切りは、海外帰りの影響があるのかな?と思う動きで少し心配に。しかしながら、そのひと追いで1週前の動きが変わり、さすがGI馬と感じました。その一方で、(馬に)併せていくときの気配が、若干ムキになっているようにも見受けられましたし、ラストは脚を取られる場面も。昨年ほどのデキにはないのかもしれません。個人的には、当日の馬体重と落ち着きがあるかどうかが大事。宝塚記念の478キロから減りすぎていない方がよいと思います。
(10)エフフォーリア 鞍上楽しみ 牛のようだったデビュー戦から、一戦ごとに体を変えてきた馬。その変化に加え、一線級の古馬相手に勝利した前走においては、心身ともに強さを感じる走り。同じ中山での皐月賞時は、大型馬ゆえコース適性が問われる一戦でもありましたが、内枠から抜け出してくる内容で完勝。毎回、こちらの不安をサラリとクリアしてしまうタイプだけに、今回も心配ないようにも思えますが、前走の2000メートルから500メートル延びる距離と6つのコーナーという点は課題。そこを新馬戦からコンビを組み、一つ一つ積み上げてきた横山武史騎手が、どのように導くのか? その騎乗ぶりも楽しみとなります。
(13)アカイイト 落ち着き鍵 1800メートルでも折り合い面の難しさが出てしまうことがあるだけに、とにかく当日のパドック&返し馬での落ち着きが大事。特に今回は輸送競馬ですので、その点は鍵になる気がしますが、夏場の放牧と年齢的な面もあってか、「厩舎周りの運動での様子も落ち着いている。以前だと他の馬が暴れたら、それにつられてジャンプして大暴れだったが、今は我慢できている」と柴田助手。イメージ的には昨年2着のサラキアとかぶります。
(14)アサマノイタズラ 前走度外視 前走の菊花賞は展開的に度外視していい結果に思えます。個人的に非根幹距離(※)が合いそうと感じていただけに、セントライト記念(2200メートル)での走りからも今回への楽しみも増します。追い切りの動きにもリラックスした中に機敏さがあり、状態面もよさそう。ただ、スタート後、すぐにコーナーとなるので、そのあたりにおける口向きや体勢などが気になるところではありますが、その点は3度目の騎乗となる田辺騎手の手腕に期待です。 ※400メートルで割り切れる距離を根幹距離、割り切れないのを非根幹距離と呼ぶ。有馬記念の2500メートルは非根幹距離。
★総評★ 有力馬の2頭、クロノジェネシスとエフフォーリアの状態は、追い切りの動きや陣営のコメントからも絶好調とまではいかないようですが、それでも能力の差でカバーできるような気がします。
その中で、具合の良さや展開的に浮上してくるのは、ウインキートス。慣れたコースですし、パンサラッサの大逃げとなり縦長の展開となれば、より持久力が要求されるため、面白い気が。枠順抽選会後に押さえておきたくなったのが、(1)番のペルシアンナイト。距離延長が鍵となりますので、コースロスなく立ち回れる最内枠は魅力。また、ディープボンドもそつなく立ち回れそうですし、海外を経験したことで持久力に加え瞬発力も加わったようなので、侮れない気がします。
細江 純子(ほそえ・じゅんこ)1975(昭和50)年3月12日生まれ、46歳。愛知県出身。蒲郡東高を卒業後、JRA競馬学校騎手課程に入学。同期に福永祐一、和田竜二らがおり、「花の12期生」と呼ばれる。96年に牧原由貴子、田村真来とともにJRA初の女性騎手としてデビュー。JRA通算493戦14勝(他に海外2勝)。2001年6月に引退後、フジテレビ系「みんなのKEIBA」などに競馬解説者、リポーターとして出演。人気アニメ「ウマ娘 プリティーダービー」にも実名で登場している。
★有馬記念の出馬表はこちら 調教タイムも掲載★「有馬記念2021」特集ページはこちら
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