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今週末の日曜日に中央競馬の頂上決戦、ジャパンカップが東京競馬場で行われる。39回目で初めて外国馬の参戦なしとなったが、個性的な馬がそろい、興味深いレースとなりそうだ。注目を集めているのはワグネリアン、シュヴァルグラン、マカヒキ、エタリオウ、ユーキャンスマイルを送り出す友道康夫調教師(56)=栗東。史上初めての“5頭出し”で挑む大一番へ向け、手応えを聞いた。(取材構成・渡部陽之助)
--“5頭出し”はジャパンCで史上初
「5頭出ても、レースで勝てるのは1頭。特別にうれしい、という気持ちはないですね」
--狙って5頭を出せるものなのか
「個人的に短距離よりも中長距離の競馬が好きなので、そういう形になったのかな、と。新馬は短くてもマイルくらいから使いますしね。偶然ではないと思います」
--ワグネリアンは天皇賞・秋で5着
「前走はあの枠(16頭立て(14)番)であの(4コーナー9番手の)位置から伸びて、頑張っていました。初の斤量58キロも問題なかった。今回、距離が延びるのはいいですね」
--4歳での成長は
「見た目は変わりませんが体質が強くなって、1回使っての反動もない。初めて中3週の短い間隔で使えるくらい、馬がしっかりしてきました」
--ユーキャンスマイルは直線で伸びて4着
「(天皇賞の)1週前の動きが重く、2週続けてジョッキーに乗ってもらってようやく競馬だったけれど、それであの内容ですから。(今回)1週前追い切りは3頭併せで気合を入れて、状態は上向いています」
--左回りは重賞2勝を含む4戦3勝
「右回りでも走っているけれど、それ以上に左回りがいい。4コーナーでのコーナリングから直線での立ち上がりがスムーズですね。直線に向くと加速できるし、前走は勝ったアーモンドアイより上がり(3ハロン33秒7)は速かったですから」
--マカヒキは10着
「前走は年齢的なものなのか、ガツンと来るところがなかった。そういう感じなので、2000メートルより2400メートルの方がいいでしょう」
--一昨年の覇者シュヴァルグランはスミヨン騎手との新コンビ
「(勝った時の)ボウマン騎手に特徴を聞いているみたい。ズブさがあるので、しっかり追えるジョッキーが乗ってくれるのはいい。競馬を見ていても位置取り、コース取りはうまくて、より勝利に近づけてくれるジョッキーですね」
--昨年の菊花賞2着エタリオウは、前走の京都大賞典で5着
「前走は、体はできていたけれど、ゲートを出てから進んでいかなかった。気持ちの問題があったのかもしれないので、13日の追い切りでは深いブリンカーを着けました。それが効いているのか、具合がいいのか、動きが良くなってきました。レースでも着ける予定です」
--最後に意気込みを
「スタッフや牧場関係者が頑張ってくれたおかげです。出走するのが1頭であろうが5頭であろうが、レースに臨む気持ちは変わりません」
★池江師に続き2人目
1991年に中央競馬のフルゲートが18頭となって以降、GIに管理馬を5頭送り出したのは池江泰寿調教師(2011年宝塚記念、13年有馬記念)だけで、友道調教師が出走させれば2人目となる。過去のジャパンCでは3頭出走が最多。04年藤沢和雄調教師はゼンノロブロイが優勝、07年角居勝彦調教師はポップロックが2着、11年池江泰寿調教師はトーセンジョーダンが2着。1頭は2着以内に入っており、友道調教師の管理馬が活躍する可能性は高い。
★外国馬0
中央競馬は“世界に通用する強い馬づくり”をテーマに、1981年にジャパンCを創設し、外国の強豪を招致した。だが今年は予備登録を行った6カ国、計27頭の外国馬が出走を辞退。39回目で外国馬の出走が初めてゼロとなった。昨年はアーモンドアイが芝2400メートル2分20秒6の世界レコードで優勝。軽い芝で高速化が進む日本の競馬は、スタミナや力強さを要求される欧州の競馬とは異なる発展を遂げたため、今では敬遠する陣営が多くなってきた。また外国馬は直接、東京競馬場に入厩できないなど検疫の課題もある。今後も外国馬の参戦がなければジャパンCの存在意義が問われることになる。
★ジャパンCの特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載
道 康夫(ともみち・やすお) 1963(昭和38)年8月11日生まれ、56歳。兵庫県出身。89年に栗東・浅見国一厩舎で厩務員、調教助手となる。96年から栗東・松田国英厩舎で調教助手を務め、2001年に調教師免許を取得。02年に厩舎を開業した。18年にJRA賞最多賞金獲得調教師を受賞するなど活躍は顕著。JRA通算521勝。重賞はダービー2勝(16年マカヒキ、18年ワグネリアン)、今年のNHKマイルC(アドマイヤマーズ)、菊花賞(ワールドプレミア)などGI12勝を含む41勝(18日現在)。
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