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中央競馬は5月を迎え、3日に京都競馬場で伝統の天皇賞・春が行われる。芝3200メートルの長距離戦で、161回目の今回は有力候補のユーキャンスマイル(牡5歳)を管理する友道康夫調教師(56)=栗東=にインタビュー。阪神大賞典で重賞3勝目を飾った同馬は体形や性格的に長距離に向き、馬体も成長。「今が充実期。チャンスはある」とあふれんばかりの手応えを語った。(取材構成・渡部陽之助)
◇
--前哨戦の阪神大賞典を快勝した
「前半から折り合いはスムーズでしたし、直線では内からしっかりした脚で抜け出しました。内容は良かったし、強かったと思います。当初は(3月15日の)金鯱賞から始動する予定でしたが、1週延ばしたのも良かったですね」
--体重は12キロ増で、デビュー以来最重量となる500キロだった
「去年の秋は(天皇賞・秋とジャパンカップ参戦で)東京への輸送も2回して、(馬体重が)減っていた。ジャパンカップもぎりぎりの体つき(488キロ)だったので、“戻った”という感じですね」
--22日の1週前追い切りは栗東のCWコースで7ハロン93秒3。併せた馬に1馬身遅れた
「遅れはしましたが、もともと調教ではそこまで動かないタイプ。長めからでしたが、(コーナーで)内を回ったので時計は出ましたね。1度使って、上積みを感じる内容でした。追い切りの動きがレースに直結する馬なので、いいと思う。(1週前にピリッとした動きを見せていた)前走がまさにそうでしたから」
--ダイヤモンドS、阪神大賞典と長距離重賞を2勝。長距離に向く点は
「母のムードインディゴに似てひょろっとした体形だし、胴が長いのも長距離向きだと思います。性格はのんびりおっとりしているので、折り合いも問題ありません」
--ダイヤモンドSを制して臨んだ昨年は5着
「去年は体もパンとしていなくて、重賞を勝ったばかりで、オープン馬といっても格上挑戦の気持ちでした」
--5歳になって本格化した感じ
「新馬戦のときから右後肢に成長の余地があって、アンバランスなところがありました。踏み込みも左右で違っていましたね。(菊花賞で3着に入った)3歳秋の時点でもまだでしたが、去年の春くらいから体がしっかりして、右にモタれる面が解消されました。真っすぐ走れるようになり、右回りも左回りも関係なく走るようになってきた。本当に今が充実期ですね」
--開業7年目でのGI初制覇がアドマイヤジュピタでの2008年の天皇賞・春。抱負を
「思い入れがあるというか、関西人なので春の天皇賞は目標のレースですよね。距離はあった方がいい。長距離ならチャンスはあると思います」
■友道康夫(ともみち・やすお) 1963(昭和38)年8月11日生まれ、56歳。兵庫県出身。89年に栗東・浅見国一厩舎で厩務員となり、調教助手を経て2001年に調教師免許を取得。02年の開業以降、マカヒキ(16年)、ワグネリアン(18年)の日本ダービー馬2頭などGI馬を多数管理。JRA通算547勝で、GI12勝を含む重賞43勝。今年は20勝で全国リーディングトップを走っている(26日現在)。
★6着以下1度だけ…友道調教師は天皇賞・春に初挑戦となった2008年に、アドマイヤジュピタでいきなりV。昨年まで延べ7頭の出走で1勝、2着2回、3着1回で、掲示板(5着以内)を外したのは僅か1度という驚異の成績を残している。
★7年連続でJRA・GI制覇…13年から昨年まで7年連続でJRA・GIを勝っている。今年、いずれかのJRA・GIを勝てば、角居調教師(04~11年)が持っている最長記録8年連続に並ぶ。
★岩田が落馬で骨折の疑い…ユーキャンスマイルと昨春からコンビを組んでいる岩田康誠騎手(46)=栗東・フリー=は26日、京都1Rで騎乗したダイヴィンダートが最後の直線で馬体に故障を発生して転倒し、落馬した。競馬場内の診療所で「右前腕骨骨折の疑い」と診断され、京都府内の病院に搬送。今後の動向が注目される。
<エタリオウは「自分のペースで運んだ方がいい」>
友道厩舎からは昨年、2番人気で4着のエタリオウ(牡5歳)も出走する。1勝馬ながら一昨年の菊花賞など、重賞で2着4回という実績馬だ。
前走の日経賞6着について、友道調教師は「ある程度、(前めの)位置を取りにいってもらいましたが、3、4コーナーでギアが上がらなかった」と振り返り、「前半は自分のリズムで運んだ方がいい」と見通しを語る。
22日の1週前追い切りでは、CWコースで6ハロン83秒1-11秒9と鋭い動きを見せて3頭併せで最先着。「川田騎手に初めて乗ってもらったけど、調教に関しては気難しさはない。あとはレースに行っての気持ちの問題」とポイントを挙げた。
★天皇賞・春の特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載
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