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東京の5週連続GI開催の第2弾は上半期の古馬女王決定戦のヴィクトリアマイル。今年は現役最強馬アーモンドアイ(牝5歳)が断然の主役だ。ドバイターフ連覇を目指してUAEへ渡航したが、コロナ禍で中止。その影響、芝GI歴代最多タイ7勝目への手応えなどを、管理する国枝栄調教師(65)=美浦=に聞いた。(取材・構成=板津雄志)
◇
--連覇がかかったドバイターフは結局中止
「状態はいいと聞いていたし、楽しみにしていたが、想定した中で最悪のケースになった」
--往復輸送だけに終わった馬への影響は
「レースを走っていないし、特にダメージはなかった。(輸入)検疫や着地検査中も、問題なく調整できていたから」
--帰国初戦の候補に6月7日の安田記念も挙がっていた
「それだけ回復が早かったということ。帰厩時の体つきや雰囲気も問題なかった」
--6日の1週前追い切りは三浦騎手が乗ってWコースで5ハロン65秒1。3頭併せの内で最先着
「移動制限のルールでルメールが美浦には来られないから、ルメールと(三浦)皇成の間で話をつけていたみたい。競馬が近いことを知らせる意味で、ジョッキーに乗ってもらってスイッチを入れたかった。動きも良かったね。体重も追い切り後で490キロ。480キロくらいで出走できそう」
--5歳になっての成長は
「父ロードカナロアも、母フサイチパンドラも古馬になって走った。アーモンドも、もっとと思ってしまうのは欲目かな。まだ計り知れない力がある、というわくわく感がある」
--このレースは2011年にアパパネでV
「あのときはブエナビスタがいたし、相手は1頭と決めていた。4コーナーで『来るなら来い』と動き、男馬のように力で押し切った。正義(蛯名騎手)の気迫勝ち。会心のレースだった」
--当時とレース前の心境は違うか
「アーモンドはそれぞれの勝ち方が想像の上を行く。出走するときは常に負けられない気持ち。いつも負けるイメージがない馬だから」
--世界も注目
「昨年のドバイ後には、ライアン(ムーア騎手)が『もしヨーク(英国の競馬場)で使うなら乗せてくれ』と言ってきたし、(海外の主催者も含め)オファーが多い馬。今の情勢で海外挑戦は難しいし、日本で注目に値するパフォーマンスをしてもらいたい」
--有馬記念9着以来となる名誉挽回の一戦
「有馬のときも状態は良かったけどね。東京のマイルは能力をストレートに発揮しやすい舞台。昨年の安田記念(スタート後の大きな不利があり3着)みたいなこともあるのが競馬の怖さでもあるけど、今度は大丈夫だろう」
--勝てばGI7勝目
「数字的に目指すところはそこになるし、7勝の壁を破りたい気持ちももちろんある」
--外出を自粛しているファンも復帰を待っている
「シンボリルドルフやディープインパクト、オルフェーヴルなどと同じで、いわゆる千両役者。アーモンドアイらしい走りを見せることで、少しでも元気を届けたい」
■国枝栄(くにえだ・さかえ) 1955(昭和30)年4月14日生まれ、65歳。岐阜県出身。78年に美浦・山崎彰義厩舎で調教助手となり、89年に調教師免許を取得し、90年に開業。10日現在、JRA通算904勝で、現役では1493勝の藤沢和雄調教師に次ぐ2位。重賞はアパパネでの2010年牝馬3冠などGI16勝を含む51勝。
★2011年VTR…2011年のヴィクトリアマイルは女王対決で盛り上がった。前年にヴィクトリアマイルと天皇賞・秋を制して年度代表馬に選出されたブエナビスタと、1歳下で史上3頭目の3冠牝馬に輝いたアパパネが初対戦。ブエナビスタはドバイワールドCで8着と初めて大敗した直後だったが、単勝オッズは1.5倍の断然人気に支持され、アパパネは4.1倍の2番人気だった。レースは中団の後ろを進むアパパネの直後にブエナビスタがつけ、序盤から互いを意識し合う展開。4コーナーで先に仕掛けていったアパパネがブエナの猛追をクビ差でしのぎ、GI5勝目を飾った。タイム1分31秒9は当時のレースレコード。2頭の対決はこれが最初で最後となったが、歴史に残る名勝負だった。
★…芝GI最多勝は7勝で6頭がいる。アーモンドアイは2018年桜花賞、オークス、秋華賞、ジャパンC、19年ドバイターフ、天皇賞・秋と6勝し、今回勝てば7頭目の快挙となる。シンボリルドルフが大記録を達成したのが1985年。その後は超える馬は出てきていないが、アーモンドアイにはその可能性が十分ありそうだ。ちなみに、地方の交流GIを含めるとコパノリッキーの11勝が日本最多となっている。
◇芝GI7勝馬◇シンボリルドルフ=1984年皐月賞、ダービー、菊花賞、有馬記念85年天皇賞・春、ジャパンC、有馬記念テイエムオペラオー=1999年皐月賞、2000年天皇賞・春、宝塚記念、天皇賞・秋、ジャパンC、有馬記念、01年天皇賞・春ディープインパクト=2005年皐月賞、ダービー、菊花賞、06年天皇賞・春、宝塚記念、ジャパンC、有馬記念ウオッカ=2006年阪神JF、07年ダービー、08年安田記念、天皇賞・秋、09年ヴィクトリアマイル、安田記念、ジャパンCジェンティルドンナ=2012年桜花賞、オークス、秋華賞、ジャパンC、13年ジャパンC、14年ドバイシーマクラシック、有馬記念キタサンブラック=2015年菊花賞、16年天皇賞・春、ジャパンC、17年大阪杯、天皇賞・春、天皇賞・秋、有馬記念
★ヴィクトリアマイルの特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載
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芝GI・7勝超えるだろうな。
得意コースでG1を重ねた牝馬とは重みも勝ちも違う
ヴィクトリアマイルは普通に走れば負けることはない。
あとは秋だ
秋の古馬