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【日本ダービー】レース展望

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【日本ダービー】レース展望

 今年も、この季節がやってきた。第84回日本ダービー(28日、東京、GI、芝2400メートル)が日曜のメイン。先週のオークスに続き、今度は3歳牡馬の頂上決戦が行われる。いつにない混戦ムードで、戦国ダービーの様相を呈しているだけに、馬券的にも妙味はたっぷり。競馬史に新たな名を刻むのは、果たしてどの馬となるのだろうか。

 王道というべき皐月賞組。ただ一頭、2冠馬たり得る資格を持つのがアルアイン(栗東・池江泰寿厩舎、牡)だ。シンザン記念では6着に敗れたものの、毎日杯Vからコンビを組む松山弘平騎手の手綱で、皐月賞はレースレコードの1分57秒8で快勝。9番人気の低評価を覆した。母は米GIブリーダーズCフィリー&メアスプリントの勝ち馬という短距離巧者だったが、こちらは初の2000メートルでも堂々たる内容でV。距離延長に多少の不安は残るものの、中間の調整も順調そのものだ。松山騎手は4度目のダービー挑戦。平常心で臨むことができれば、夢のダービージョッキーに輝くことも十分に考えられる。

 本来ならば皐月賞組がライバルとして真っ先に挙げられるところだが、今年はそうはならない。むしろ、皐月賞組を差し置いて1番人気の支持を集めそうなのが、アドミラブル(栗東・音無秀孝厩舎、牡)だ。昨年9月の新馬戦こそ全く見せ場のない大敗を喫したものの、のどの手術を施して復帰後は破格の内容で3連勝。特にダービートライアル青葉賞では、やや出遅れながらも楽々と差し切り、2馬身半差の完勝だった。3連勝はいずれも他馬を問題にしない強さ。伯父に皐月賞ヴィクトリーがいるほか、近親にも活躍馬が多く、その大半を手がける音無調教師にとっても初のダービー制覇がかかる。また、ミルコ・デムーロ騎手が勝てば3度目のダービーV。武豊騎手(5勝)に次ぐ単独2位となる。青葉賞組はダービー2着が最高着順だけに、歴史を塗り替える可能性も大いにありそうだ。

 アルアインを送り出す池江厩舎からは、ほかにも2頭が参戦する。皐月賞2着のペルシアンナイト(牡)は、新たな戸崎圭太騎手とコンビを結成。【3・2・1・0】と大崩れのない戦績で、レースぶりに自在性がある。きさらぎ賞毎日杯と連続2着のサトノアーサー(牡)は、スケールの大きな走りが魅力。左回りも長距離輸送も初めてだが、僚馬2頭をまとめて負かしても不思議はない素質を秘めている。

 皐月賞では5着に敗れたレイデオロ(美浦・藤沢和雄厩舎、牡)は、ひと叩きされて明らかに良化ムード。休み明けでのGI挑戦は厳しかったが、それでも大崩れしなかった点は高く評価できる。デビューから騎乗し続けてきたクリストフ・ルメール騎手、そして名伯楽・藤沢和調教師にとっても、悲願のダービー初制覇がかかるだけに、究極の仕上げで臨んでくるだろう。

 皐月賞では6着に終わったものの、東京コースでの巻き返しを確実視されているのがスワーヴリチャード(栗東・庄野靖志厩舎、牡)だ。東京スポーツ杯2歳S2着、共同通信杯1着と東京では2戦2連対。走法からも明らかに東京向きで、着順を上げてくる公算は大きい。四位洋文騎手は、前出のM.デムーロ騎手同様、勝てば3度目のダービーVとなる。

 別路線組では、プリンシパルSを制したダイワキャグニー(美浦・菊沢隆徳厩舎、牡)にも注意が必要だ。弥生賞で9着に敗れたものの、リベンジを期した前走は文句なしの完勝。これで左回りは3戦3勝となり、明らかにサウスポーの印象がある。無理のないローテーションは魅力で、上位争いに加わってくることも十分あるだろう。

 皐月賞3着のダンビュライト(栗東・音無秀孝厩舎、牡)はやや詰めの甘さを見せているが、そのぶん大崩れもない。ダービーを知り尽くす武豊騎手とのコンビが何よりの心強い材料だ。同4着のクリンチャー(栗東・宮本博厩舎、牡)は、厳しい流れを先行して粘り込んだ内容が目を引く。走っても走っても人気にならないタイプだが、差し脚質のライバルが多いだけに、うまくマイペースに持ち込めれば面白い存在だろう。

 カデナ(栗東・中竹和也厩舎、牡)は3番人気に推された皐月賞でまさかの9着。苦杯をなめる形となった。東京コースは経験済みで、輸送にも慣れている。持ち前の末脚を発揮できれば、巻き返しがあっても驚けない。前出のクリンチャーとともに凱旋門賞への登録を済ませている点にも注目したい。

 内国産馬が出走馬の大半を占め、輸入種牡馬の産駒すら少なくなってきたが、青葉賞2着のベストアプローチ(栗東・藤原英昭厩舎、牡)は英国生まれの外国産馬。父ニューアプローチは英ダービー馬で、英愛のチャンピオンSを勝った名馬だ。兄レックレスアバンダンは欧州の短距離路線でGIを勝った馬だが、こちらはデビュー戦から2000メートルを選択したように父譲りのスタミナがある。前走はアドミラブルに完敗したが、キャリアを積んで着実に力をつけているだけに軽視はできない。

 選び抜かれた優駿たちが繰り広げる、一生に一度のドラマ。今年も競馬の祭典を、心ゆくまで堪能しよう。

日本ダービーの特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載

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