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関西きっての“策士”藤原英昭調教師(47)が、「第147回天皇賞・春」(28日、京都、GI、芝3200メートル)で打倒ゴールドシップに名乗りをあげた。“盾男”武豊騎手と秘策を練りに練り、送り込むのはトーセンラー。同日の香港クイーンエリザベスIIC(シャティン、GI、芝2000メートル)には昨秋の天皇賞馬エイシンフラッシュが挑戦と、奇跡の国内外同日GI制覇を狙っている。
--トーセンラーは京都記念で、3歳春のきさらぎ賞以来の勝利をあげた
藤原英調教師「見事に勝ってくれてうれしかったね。3歳時は(東日本大震災の影響で調整が狂うなど)いろいろな出来事があったから。皐月賞もダービーも430キロ台で、上(の馬)と戦うためには470~80キロくらいはほしいといつも思っていた。前走は今までで最高の460キロ。デビューしたときから22キロも増えたのはすごくいい傾向だと思うよ」
--目標を天皇賞1本に絞って調整してきた
「3週連続で(武)ユタカに追い切りに乗ってもらって、徐々に調子を上げてきた。24日も、予想どおりのいい動きだったね」
--距離は一気に1000メートル延びる
「一昨年、3000メートルの菊花賞ではオルフェーヴルを徹底マークしての3着で、負けはしたけどスタミナを示せた。今の状態なら期待は十分に持てるよ」
--オルフェは不在だが、代わりにゴールドシップが強敵になる
「あの馬はさすがに強い。ただ、負かすなら、この馬が重賞2勝をあげている京都コースだというのは頭にある。まくられる前に動きたいね」
--逆転への秘策は
「ジョッキーとも、どうやって負かすかを相談したんだ。3コーナー過ぎの下り坂を利用して4コーナーでどれだけ差をつけられるかだろうね。4~5馬身ほどリードをつけて、ゴールまでサーッと行って負かせればと思っているよ」
--そのための工夫は
「前走から舌を縛っているんだ。ハミ受けを敏感にすることで、より乗りやすくなるはず。対ゴールドシップのために、自在性を追求した。うまくはまってくれるといいね」
--日曜は海外にも楽しみが。香港クイーンエリザベスIICにエイシンフラッシュが、ミルコ・デムーロ騎乗で挑戦する
「忙しい週末になるなあ(笑)。水曜に(シャティン競馬場の)芝コースでサッと脚慣らしをしたよ。これで態勢は整うと思う。できれば、追い切りにはシャティンが初めてになるミルコに乗ってもらいたかったが…。ただ、ミルコは去年の秋の天皇賞で勝って自信を持っているはずだし、うまいヤツはどこで乗っても大丈夫だよ」
--昨年はルーラーシップが勝っており、日本馬連覇の期待が高まる
「さすがにそう簡単に2年連続で、日本馬には勝たせてくれないかな。地元の香港馬は強いし、ドバイで勝ってきた馬もいる。レベルは昨年より上だろう。でも、産経大阪杯(3着)を叩いて状態は上向きだし、十分に勝負になるよ」
--“エイシン”の冠は香港でも有名
「この勝負服を見て、02、03年に連覇したエイシンプレストンを思いだす人もいるだろう(01年香港マイルもV)。みんなの思いが詰まっているから頑張りたいね」
--同日に国内外のGIを勝てば、もちろん史上に残る快挙
「正直、名誉とかにはあんまり興味がなくてね(笑)。天皇賞にしてもそうだけど、強い相手を倒すことのほうに生きがいを感じるんだ。いい馬を預けてもらっているわけだし、結果を出したいね」 (聞き手・夕刊フジ漆山貴禎)
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★藤原英調教師は昨秋の天皇賞をエイシンフラッシュで制しており、トーセンラーで臨む今回は秋→春の盾連覇がかかる。異なる馬で春秋(秋春)連覇を果たした調教師は過去、田中和一郎(40年春トキノチカラ→同年秋ロツキーモアー、43年春グランドライト→同年秋クリヒカリ)、尾形藤吉(66年春ハクズイコウ→同年秋コレヒデ)、境勝太郎(95年秋サクラチトセオー→96年春サクラローレル)の3人。勝てば史上4人目の快挙だ。
■藤原英昭(ふじわら・ひであき)1965年6月29日生まれ、47歳。滋賀県出身。同志社大学在学時は馬術部で活躍。調教助手を経て調教師免許を取得し、2001年に開業。同年3月3日の阪神1R(インビジブルタッチ)で初出走初勝利をあげ、5月4日の京都新聞杯(テンザンセイザ)で重賞初Vを飾った。08年5月18日のヴィクトリアマイル(エイジアンウインズ)でGI初制覇。07、08年にはJRA賞最高勝率調教師。これまでにJRA通算400勝(うち重賞30勝)をあげている。
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