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今週の東京のメインレースは、3週連続GIの第3弾となる第154回天皇賞・秋(10月30日、芝2000メートル)。登録はフルゲート18頭に満たない15頭だったが、海外GI勝ち馬3頭、国内GI勝ち馬2頭を含む、重賞ウイナー14頭の豪華メンバーが集結した。古馬中距離の頂上決戦にふさわしい激戦が繰り広げられそうだ。
最大の注目は、昨年の年度代表馬モーリス(美浦・堀宣行厩舎、牡5歳)。連覇を狙った安田記念はロゴタイプ、前走の札幌記念も僚馬・ネオリアリズムと、ここ2戦は逃げ馬を捕らえ切れず敗れているが、昨年1月から今年5月まで、安田記念、マイルCS、香港マイル、チャンピオンズマイルと国内外でのGI4連勝を含む無傷の7連勝をマークした。前々走は香港からの帰国初戦、前走は初の2000メートルで直線の短い札幌と、敗因は明らか。それでも連対は確保しており、やはり中心はこの馬になる。距離も2度目で、騎乗成績3戦2勝のライアン・ムーア騎手との再コンビ。前進はあっても後退はない。中距離王として新たな地位を築くか、注目の参戦となる。
牡馬相手に東京で重賞連勝を飾ったルージュバック(美浦・大竹正博厩舎、牝4歳)が盾獲りに挑む。3歳時にも、きさらぎ賞V、オークス2着と存在感を見せていたが、ここ2戦のレースぶりは、ひと皮むけた印象。目下の充実ぶりなら、2010年ブエナビスタ以来の牝馬Vを果たしても不思議はない。
毎日王冠でルージュバックのクビ差2着だったアンビシャス(栗東・音無秀考厩舎、牡4歳)も当然V圏内の1頭だ。宝塚記念は16着に大敗したが、産経大阪杯で菊花賞馬キタサンブラックを撃破したように、折り合えばGIでも通用する力量の持ち主。昨年の3歳時は5着。持てる能力をフルに発揮できれば、戴冠は可能だ。
エイシンヒカリ(栗東・坂口正則厩舎、牡5歳)は、昨年暮れの香港カップ、今春の仏イスパーン賞と海外でGI連勝を飾った。1番人気に支持された前走の英GIプリンスオブウェールズSは最下位の6着だったが、今年の天皇賞・秋は9着に敗れた昨年よりも力をつけていることは明らか。帰国初戦で仕上がり具合が鍵だが、乗り込みは豊富に消化している。うまくマイペースに持ち込むことができれば、国内GI初制覇を飾っても不思議はない。
ラブリーデイ(栗東・池江泰寿厩舎、牡6歳)は、昨年のこのレースを制した後、6戦して勝ち星なし。GI・2勝を含む重賞6勝をマークした昨年の勢いは影を潜めているが、それでもすべて掲示板内を確保しており、まだまだ見限れない。シンボリクリスエス(2002、03年)に次ぐ史上2頭目の連覇も十分に考えられる。
リアルスティール(栗東・矢作芳人厩舎、牡4歳)は、今年3月のドバイターフを勝ってGI馬の仲間入りを果たしたが、帰国初戦で折り合いを欠いた安田記念は11着に大敗。秋初戦に予定していた毎日王冠を追い切り後に回避しており、仕上がり具合が一番のポイントとなる。昨年のクラシックでは2、4、2着だった実力馬。デキさえ戻っていれば、上位争いができるはずだ。最終追い切りの動きを注視したい。
安田記念でモーリスを破り、皐月賞以来3年2カ月ぶりのGI・3勝目を挙げたロゴタイプ(美浦・田中剛厩舎、牡6歳)。前走の毎日王冠は先行勢にとって苦しい流れになり、8着に敗れたが、レース後の調整は順調だ。年齢を重ねるにつれて距離適性がマイル寄りにシフトしており、ここは200メートルの距離延長が課題。アッと言わせた安田記念のように、田辺裕信騎手の変幻自在な手綱さばきに期待がかかる。
昨年2着のステファノス(栗東・藤原英昭厩舎、牡5歳)は、宝塚記念5着以来の休み明けだった毎日王冠で5着。直線で前が詰まり、脚を余してのもので悲観する内容ではなかった。昨年は香港帰りで5カ月半ぶりだった毎日王冠7着からの臨戦過程で、ローテは今年の方が理想的。叩き2戦目でパフォーマンスを上げ、昨年の無念を晴らすか。
京都大賞典でキタサンブラックのクビ差2着だったアドマイヤデウス(栗東・橋田満厩舎、牡5歳)、産経賞オールカマーでゴールドアクターのクビ差2着だったサトノノブレス(栗東・池江泰寿厩舎、牡6歳)、重賞3勝のサトノクラウン(美浦・堀宣行厩舎、牡4歳)など伏兵陣も実力者ぞろい。上位進出のチャンスをうかがう。
★天皇賞・秋の特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載
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