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日本馬が大挙13頭出走する香港国際競走デーが目前に迫ってきた。海外馬券発売レース第四弾となる今回も、これまで同様に出走馬全頭の短評をお伝えしていく。発走時刻順に1レースずつ公開するので、ぜひ参考にしていただきたい。まずは香港ヴァーズだ。
(1)ハイランドリール
昨年同様、R.ムーア騎手とのコンビで連覇を狙う。今年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(GⅠ、芝2400m)の優勝馬で、凱旋門賞(GⅠ)がファウンドの2着。その後にはアメリカでBCーフ(GⅠ、芝2400m)も制している。凱旋門賞のように好位でも競馬ができ、前走のBCターフのように逃げても強い馬。GⅠ・4勝の実績もここでは群を抜く。
(2)シルバーウェーヴ
マカヒキが勝ったニエル賞と同日に行われたフォワ賞(GⅡ、芝2400m)の優勝馬。凱旋門賞(GⅠ)にも出走(13着)していたので、ハイランドリールと同じく日本の競馬ファンの認知度も高いはず。フォワ賞の前には7月にサンクルー大賞(GⅠ、芝2400m)に優勝し、さらに遡ると、5月にはイスパーン賞(GⅠ、芝1800m)でエイシンヒカリの3着に入っている。末脚が切れるというよりは、持続して脚を使うタイプだ。
(3)ビッグオレンジ
7月にイギリスでプリンセスオブウェールズS(GⅡ、芝2400m)とグッドウッドC(GⅡ、芝3200m)でどちらも昨年に続いての連覇を達成し、オーストラリアのメルボルンC(GⅠ)に向かって10着に敗れている。その後もオーストラリアに残り、11月12日の前走ジッピングクラシック(GⅡ、芝2400m)は逃げて最後まで粘ったが、ゴール前で2頭に交わされて3着に敗れた。
(4)サトノクラウン
ドゥラメンテ、リアルスティールを抑えて1番人気になった昨年の皐月賞(GⅠ)はスタートでの出遅れが響いて6着に終わった。前走の天皇賞・秋(GⅠ)のレース映像を見返しても、その不安はまだ完全に払拭するまでには至っていない感がある。ダービー(GⅠ)での3着や重馬場で快勝した今年2月の京都記念(GⅡ)を見る限り、そのポテンシャルの高さは疑いようないところだが、敗因のハッキリとしない大敗もあるのが難点だ。
(5)ヘレンハッピースター
昨年5月にクイーンマザー記念C(香GⅢ、芝2400m)に優勝し、昨シーズンは12月に香港ヴァーズ(GⅠ)、5月にチャンピオンズ&チャターC(GⅠ)で芝2400mを使われてどちらも5着に敗れている。今シーズンの3戦のうち、1800m以下の2戦は後方でレースを終えている(9着と14着)が、前走のジョッキークラブC(GⅡ)は逃げて4着に頑張った。
(6)ガルリンガリ
フランスからの遠征馬で、5歳にしてすでに46戦をこなしたタフガイ。今年も香港ヴァーズ(GⅠ)がすでに12戦目になる。今年の4戦目と5戦目にあたる3月のエクスビュリ賞(GⅢ、芝2000m)と4月のアルクール賞(GⅡ、芝2000m)を制し、GⅠでは直後のガネー賞(GⅠ)で3着、7月のサンクルー大賞(GⅠ)で5着に入っている。
(7)ワンフットインヘヴン
6月のシャンティイ大賞(GⅡ、芝2400m)の勝ち馬。その後の7月のサンクルー大賞(GⅠ)6着から9月のフォワ賞(GⅡ)4着、10月の凱旋門賞(GⅠ)6着というローテーションはシルバーウェーヴと同じだが、同馬はその後に10月16日のコンセイユドパリ賞(GⅡ、芝2400m)で2つ目の重賞タイトルを獲得した。母のプライドは2006年の香港カップ(GⅠ)の優勝馬でもある。
(8)ケシュア
シンガポール移籍前にはアルゼンチンで走り、エンサヨ賞(GⅡ、芝1800m)に優勝している。シンガポールでは2014年のシンガポールゴールドC(星GⅠ、芝2200m)や2015年のシンガポールダービー(星GⅠ、芝2000m)を制し、2015年のシンガポール航空国際C(GⅠ)では3着に入り、マイネルフロストに先着を果たしている。今年はシンガポール国内の重賞を2勝し、前走のシンガポールゴールドCは好位の直後からジリ脚で5着に敗れた。
(9)フレイムヒーロー
昨シーズンは今年1月のジャニュアリーS(香GⅢ、芝1800m)が唯一の重賞での勝ち星。その他にも2月のセンテナリーヴァーズ(香GⅢ、芝1800m)で3着、6月のプレミアプレート(香GⅢ、芝1800m)での2着がある。今シーズンは後方からの競馬に徹して、初戦11着、2戦目10着と冴えなかったが、ジョッキークラブC(GⅡ)では2着に来て穴をあけた。芝2400mは今年4月のクイーンマザー記念C(香GⅢ)で1度経験しており、そのときは最下位に敗れている。
(10)ベンジニ
ニュージーランドの調教馬だが、重賞初勝利は今年6月にオーストラリアで挙げたブリスベンC(GⅡ、芝2400m)。後方から大外を回って押し上げ、直線で末脚を繰り出した。今シーズンはニュージーランドに戻り、リヴァモルクラシック(GⅠ、芝2040m)で6着。その後がOMFステークス(GⅢ、2000m)2着、イーグルテクノロジーS(GⅢ、1800m)5着というステップで香港国際競走に出走してきた。母のパリスパフュームは、日本で繁殖生活を送ったフレイムオブパリがクロフネの子供をお腹に宿したまま輸出され、オーストラリアで誕生した馬である。
(11)イースタンエクスプレス
昨シーズンの香港4歳シリーズで二冠目の香港クラシックC(香GⅠ、芝1800m)がサンジュエリー、ワーザーに続く3着(ブリザードとの同着)。三冠目の香港ダービー(香GⅠ、芝2000m)がワーザーの9着だった。今シーズンはクラス2で2着し、その後は中位からの競馬でササレディースパース(GⅢ)が3着、ジョッキークラブC(GⅡ)が6着。2000mを超える距離は初めてになる。
(12)アンティシペーション
A.オブライエン厩舎から香港に移籍した馬。アイルランドではテーブルロックの名前で走り、準重賞のサーヘンリーセシルS(芝1600m)での勝利を含む8戦4勝、2着3回の戦績を残した。香港では今シーズン初戦にクラス2を勝ち、移籍22戦目にしてようやく初勝利。今年4月のクイーンマザー記念C(香GⅢ)2着があり、ササレディースパース(GⅢ)とジョッキークラブC(GⅡ)では好位グループでレースして、それぞれ5着と7着に入っている。
(13)ヌーヴォレコルト
昨年の香港カップでR.ムーア騎手とのコンビでエイシンヒカリの2着。今年4月のクイーンエリザベス2世Cでは6着に敗れているが、その時は稍重の馬場に苦戦した。11月5日のBCフィリー&メアターフ(GⅠ)11着は正直負けすぎの感があったが、11月24のレッドカーペットH(GⅢ)に勝利して、すぐに巻き返した。その後にアメリカから直接香港に入っている。
(14)スマートレイアー
3歳時の秋華賞(GⅠ)2着、昨年のエリザベス女王杯(GⅠ)5着があるが、主だった実績は今年の重賞2勝を含めて1800mまで。各メディアで語られている通り、初めての2400mの距離が鍵になるだろう。牡馬混合戦は14年の大阪城S、昨年の米子S、今年の東京新聞杯(GⅢ)で勝利を挙げており、意外な相性の良さを見せている。
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香港スプリント~出走馬全頭の短評
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※予想は12/11(日)午前中公開の予定です。
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