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根岸Sが31日、東京競馬場で16頭によって争われ、中団を運んだ1番人気のレッドルゼルが直線で力強く脚を伸ばし、アタマ差出たところでゴール。初タイトルをつかむとともに、フェブラリーS(21日、東京、GI、ダ1600メートル)の優先出走権を獲得した。鞍上の川田騎手は、前週の東海Sに続く重賞制覇。2着に10番人気ワンダーリーデル、3着に2番人気タイムフライヤー。
ゴール前の際どい勝負を、持ち前の末脚で制した。1番人気のレッドルゼルが、GI馬5頭(タイムフライヤー、アルクトス、ヤマニンアンプリメ、サブノジュニア、ステルヴィオ)を退けて重賞初勝利。府中のダート頂上決戦の切符をつかんだ。
「(手応えは)抜群でした。着差がわずかで、どちらが出ているか、はっきり分かりませんでしたが、負けた感触はありませんでした」
アタマ差の接戦も、川田騎手は勝利を確信していたようだ。
先行争いが激しく、速い流れになったのが幸いした。内めの(3)番枠から馬群の中で脚を温存。直線では前のタイムフライヤーの内を突こうとして行き場がないとみるや、すかさず外へ進路を取った。視界が開けると、力強い伸び脚を発揮。ゴール前、大外から猛追してきたワンダーリーデルを振り切った。
「次は1600メートル(フェブラリーS)ということで、1400メートルでも次につなげる競馬を意識していました。とてもいい内容で走ることができましたね」。GI戦を見据えて結果を出し、鞍上は自信を深めた様子だ。
ロードカナロア産駒は今回でJRA重賞36勝目になったが、ダートでは初制覇。その父も管理した安田隆調教師=円内=は「最高です。だんだんダート馬らしい体になってきて、大事に使ってきた成果が今になって出ているのかな」と、着実に成長した5歳牡馬をたのもしく感じている。
さらに強敵がそろうフェブラリーSでは未知の距離、マイルに挑戦することになる。「最後は猛追されたし、不安もありますが、楽しみの方が大きい」とトレーナーは期待を膨らませ、そのまな弟子のジョッキーは「1600メートルでいい競馬ができるように、改めて準備していきたいです」と気を引き締めた。
15戦して4着以下は2回しかない超堅実派。砂の猛者たちの壁は厚いが、今なら乗り越えてもおかしくはない。 (柴田章利)
★31日東京11R「根岸S」の着順&払戻金はこちら
■レッドルゼル 父ロードカナロア、母フレンチノワール、母の父フレンチデピュディ。鹿毛の牡5歳。栗東・安田隆行厩舎所属。北海道千歳市・社台ファームの生産馬。馬主は(株)東京ホースレーシング。戦績15戦7勝。獲得賞金1億7428万4000円。重賞は初勝利。根岸Sは安田隆行調教師、川田将雅騎手ともに初勝利。馬名は「冠名+熱望(仏語)」。
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