第68回
朝日杯フューチュリティステークス(18日、阪神11R、GI、2歳オープン国際(指)、セン馬不可、馬齢、芝・外1600メートル、1着本賞金7000万円 =出走18頭)
四位洋文騎乗で6番人気の
サトノアレスが、鋭い末脚を繰り出して差し切りV。3連勝で2歳王者に輝いた。管理する
藤沢和雄調教師は、史上初の2歳GI連勝を果たした。タイム1分35秒4(良)。2着は
モンドキャンノ。1番人気の牝馬
ミスエルテは4着に終わった。
馬場の真ん中から豪快に突き抜けた。
サトノアレスが3連勝で2歳馬の頂点へ。初騎乗とは思えない好リードで勝利に導いた四位騎手が、頬を緩めた。
「4コーナーを回るときの手応えが良かったので、はじけてくれるだろうと…。道中から余裕がありましたし、最後は『ホント、すごい』と思いましたね。ボクは何もしていませんよ。勝手に伸びてくれました」
発馬を決めて、後方で折り合いに専念。「ちょうどいいところに入ってリラックスして走れましたね」と鞍上が振り返る。息の合った運びを維持できたことで直線の反応も素晴らしく、他馬とは違う脚いろで一気に抜け出してきた。
四位騎手は2010年
高松宮記念(
キンシャサノキセキ)以来のGI制覇に、「(勢いのある)オーナーと先生にあやかりました」と笑顔。検量室前で馬上から降りる際には「泣きそうだよ」とおどけてみせた。
前週の
阪神JFを
ソウルスターリングでV。史上初となる2歳GI連勝を果たした藤沢調教師も笑顔が絶えない。「レースを使いながら、どんどん良くなってきたからね。想像以上の走りでした」と目を細める。同馬の母サトノアマゾネスも里見オーナーが所有し、同師が管理した。厩舎ゆかりの血筋に「そうなんだよ。うれしいよね」とトレーナー。母は昨年に死んだが、父
オルフェーヴルの1歳牡馬は藤沢和厩舎へ入る。
この後は、来週中にリフレッシュ放牧へ。始動は弥生賞(3月5日、中山、GII、芝2000メートル)あたりになる見込み。
「今後も大きいところを狙える馬ですよ。てっぺんまで行く可能性のある馬です」
ダービー2勝ジョッキーがお墨付きを与える。2歳チャンプから3歳馬の頂上へ…。堂々の主役として、来春のクラシックロードに臨む。 (宇恵英志)
★18日阪神11R「
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◆リオ五輪競泳男子800メートルフリーリレー銅メダリストで、プレゼンターを務めた松田丈志さん 「プールとは違うスケール感と熱気で大興奮でした。お世話になっている里見会長の馬が勝ってびっくりしました。馬券も的中して里見会長のおかげです」
★アラカルト
◆
四位洋文騎手 9度目の騎乗で初勝利。JRA・GIは2010年
高松宮記念(
キンシャサノキセキ)以来の15勝目。
◆
藤沢和雄調教師 1995年
バブルガムフェロー以来の2勝目。今年は
阪神JFも制覇しており、同レースが牝馬限定になった91年以降、同一年に
朝日杯FSも制覇したのは初めて。JRA・GIは24勝目で、23勝で並んでいた角居調教師を抜いて単独トップ。
◆
ディープインパクト産駒 14年
ダノンプラチナに次ぐ2勝目。JRA・GIは36勝目。JRA重賞は143勝目で今年37勝目。年間37勝は14年に同馬の産駒が挙げた勝利数に並ぶ2位で、その父サンデーサイレンスの産駒が03年にマークした最多記録38勝にあと1勝と迫った。