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【鈴木和幸G1コラム】 天皇賞全馬の解説

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●第141回天皇賞(GⅠ)出走馬の解説

  
カネトシソレイユ
       
前走で1600万下の条件戦を勝ったばかり、
調子のよさだけではとても太刀打ちできる相手ではない。
ましてや、58キロ(牡馬)同士の定量戦、なおさら苦戦だ。

  
エアジパング
       
4ヶ月ぶりをひとたたきされて、体調は上向き。
しかし、相手に恵まれたステイヤーズS勝ち以降、
重賞では電光掲示板にさえ載っていない。
明らかに力不足。

  
フォゲッタブル
       
有馬記念では4着、結果的にはエアシェイディの後塵を拝してしまったが、
実力不足で先着を許したのではない。
あれは自ら勝ちに行き、3角5番手と早めに動いたからで、
勝敗を度外視(?)して後方から直線だけの勝負に徹したことがエアに幸いしただけ。
内容はフォゲッタのほうが上である。
昨秋以降、使われるごとに体質強化し、それが成績にもはっきり。
超良血馬のいよいよの本格化とあれば、盾どりの最短距離にいると考えていい。

  
メイショウドンタク
       
万葉S3000メートルの0秒2差3着にわずかに望みを残すが、
この勝ち馬トウカイトリックでさえ私は◎を打ちづらい。
この馬は当然、無印。

  
フィールドベアー
       
前走のGⅡ大阪杯で4着したものの、
人気薄(12番人気)の気楽さと、
スローペースで4角先頭と、流れ、展開にも恵まれた。
1キロ増量されてのここでは、前走の再現さえ無理。

  
トウカイトリック
       
今回で5度めの挑戦となる。
最高成績は2007年の3着、このときはハナ+クビの大接戦だった。
しかし、当時はサラブレッドが最も充実するといわれる5歳、勢いがあった。
今回は8歳、望みはこれまで勝てなかった阪神大賞典Vで挑むことだが、
◎までの評価は?
ベテラン馬の活躍が目につく昨今だけに無印にはできないが。

  
ナムラクレセント
       
菊花賞阪神大賞典でともに3着と、3000メートルでの実績を持つ。
ただし、折り合いに問題がある馬だけに過信はできない。
それと、元来、テッポウ駆けするのに前走の日経賞で8着と動けておらず、
体重も4ヶ月の休み明けだったのに14キロも減っていた。
今回はその後、追い日ごとに時計を出せているので、
回復しつつあるようだが、完全復調とまではいくまい。

  
トーセンクラウン
       
前2戦は不良馬場とやや重、道悪に助けられたところもあるだろう。
しかし、前走は58キロを背負っての0秒1差だけにナメてかかるのは危険かも。
ただ、それでなくても折り合いに難点があるのだから、
広い京都での3200メートルではどうだろう。

  
メインストリーム
       
ハンデ54キロのダイヤモンドSでも4着がやっとだった。
それが現在のこの馬の実力。

  
テイエムアンコール
       
前走の大阪杯勝ちはグランプリホース・ドリームジャーニーを破ってのものだけに価値がある。
条件はさらに厳しくなるが、
追い切り好走でさらに調子は上がっているし、
ブライアンズタイムの肌にオペラハウスなら距離も克服の可能性は十分。
穴馬に警戒を要す。

  
ミッキーペトラ
       
前2戦1、2着の上がり調子を認めても、
いきなりのこのメンバーでは家賃が高すぎる。

  
⑫ジャガーメール
       
重賞未勝利ではあるが、昨年の5着馬であり、
そのほか一線級と互角に戦った実績の持ち主。
いつでも重賞ホースになれることを立証したのが、
取り消し明けの前走・京都記念の2着だ。
今回はオーバーワークが心配になるほどハードに攻めての出走。
当日、大幅な体重減でもないかぎり、間違いなく好勝負。

  
ジャミール
       
初勝利をあげるのに7戦を要してしまったが、
以後は11戦連続して3着以内と堅実そのもの。
裏を返せば決め手に欠けるともいえるが、
前走の2着はGⅡの阪神大賞典、それもクビの僅差だから、
まだ底を見せていないと解釈したほうがいい。
昨年、重賞未勝利だったマイネルキッツが勝った実例もある。
最大の惑星馬とみる。

  
メイショウベルーガ
       
春の天皇賞で牝馬が勝ったのは1953年のレダだけ、
もう57年も勝っていない。
ここ3戦の戦いぶりから、見せ場のひとつはつくれそうだが、Vとなると…。
よくて3着がいっぱいではないか。

  
エアシェイディ
       
有馬記念フォゲッタブルに先着、
前走の日経賞でも2着確保、
この成績を重んじればもちろん、ここで勝ち負けに。
でも、9度めのGⅠ挑戦である、すでに9歳でもある。
これまでの最高着順を上回る成績を残せるとは考えにくい。
初距離3200メートルも長すぎる。
3着まで。

  
マイネルキッツ
       
ひょっとすると、今年のメンバーは昨年以上に手薄かもしれない。
連覇の可能性はあろう。
59キロで日経賞を勝った点など、昨年よりパワーアップもしていよう。
ただ、前走後、蓄膿症を患った事実があり、
順調さを欠いたのも確か。
厩舎サイドからは「大丈夫」とのコメントだが、
私にはそのせいか、格下馬にあおられぎみの最終追い切りに物足りなさが残った。
ノーマークにはできないが、◎は打てない。

  
ゴールデンメイン
       
ステイヤーズSの2着が本当の実力だったら、前2戦はもう少し走れていいはず。
狙えない。

  
⑱ベルウッドローツェ
       
52キロだったダイヤモンドSが2着で、
56キロになった阪神大賞典は10着。
今回はさらに増量されての58キロである。
とてもじゃないが勝負にはなるまい。


以上です。

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