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NHKマイルCの勝ち馬を探す『東西現場記者走る』は3日目。最終追い切りが行われた6日、東京サンスポの板津雄志記者(35)はミュゼスルタンに注目した。骨折休養明けだった前走のフジテレビ賞スプリングSは出遅れや展開面の不利があり7着に終わったが、“勝利”の2文字を意識できるだけの変わり身はあるのか。陣営を直撃した。
栗東を5日に引き揚げ、ゴールデンウイークのUターンラッシュにもまれながら美浦入り。追い切りを確認したい馬がいた。新潟2歳S覇者ミュゼスルタンだ。骨折休養で約7カ月ぶりだったスプリングS(7着)からの変わり身は!?
柴田善騎手を背に、本番と同じ左回りの芝コースへ。マンオブグァテマラ(500万下)を2馬身追走し、4コーナーで外からかわす勢いだ。一杯に追われる僚馬の横でスルタンは余裕の手応えで、軽快にラスト1ハロン11秒5(5ハロン65秒9)をマークして併入した。
「前回よりいい動き。2週前あたりに2歳の頃の雰囲気に戻り、それからさらにパワーアップ。体が盛り上がっている。現段階で100%。それ以上かもしれない」
感触の良さに柴田善騎手が歯切れのいい言葉を並べれば、担当の片山助手も「先々週から気持ちの面が変わった。周囲を気にしながら走っていた前走とは違い、気持ちに余裕がありながらも走りに集中できている」と一変ムードだ。
復帰戦のスプリングSは出遅れた上に超スローペースにもはまり7着。それでも大外から上がり3ハロン最速タイの33秒6で追い上げた。クラシック路線もあったが、大江原調教師は新潟2歳Sをコースレコードで勝ったマイルならという思いから「レース後すぐ、(高橋仁)オーナーに『マイルCを勝ちましょう』とお願いし、翌日にはヨシトミの家まで口説きに行った」と明かす。
トレーナーは最後に言った。「絶対勝ちます」。レース前に「勝つ」と口にしたのは、騎手時代の1992年中山大障害・秋のシンボリクリエンス以来だという。当時は「ハラハラする競馬だったけど勝った」。今回、その再現があるかもしれない。
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■東西現場記者走る 昨年春から始まったGI限定の連載企画。東西サンスポが誇る精鋭記者たちが、トレセンで1週間の密着取材を行って勝ち馬に迫り、レース当日の日曜付で結論を出す。
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