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≪日本ダービー≫
勝ち時計2分25秒2は過去10年で2017年の2分26秒9に次いで遅かった。大逃げしたパクスオトマニカの前半1000メートル通過は1分0秒4だが、2番手以降は離れており、実質的にはスローペース。勝ったタスティエーラは好位の4番手を追走からラスト1ハロンで抜け出し、後続の追い上げをしのいだ。レーン騎手の完璧なアシストが光った勝利だったといえる。
2着ソールオリエンスは道中6番手と、皐月賞を思えば意欲的な位置取り。クビ差届かなかったが、立ち回りの差が出ただけで、評価を落とす敗戦ではない。3着ハーツコンチェルトは出遅れて後方追走。道中でポジションを押し上げるのに脚を使ったが、最後まで脚いろは衰えなかった。機動力の高さ、豊富なスタミナを感じさせる内容だった。
≪セントライト記念≫
2分11秒4の勝ちタイムは過去10年では最速。完璧な立ち回りで、直線で突き抜けたレーベンスティールの強さは圧巻だった。2着ソールオリエンスは馬体重の増減こそなかったが、ひと夏を越してたくましさを増した印象。4コーナーの勝負どころで外に振られたのは痛かったものの、課題だったコーナリングは良化しており、前哨戦としては十分な内容。日本ダービーに続き、評価を落とす2着ではない。本番での巻き返しを期待していい。
6着ウインオーディンは後方から外を回ってジリジリと追い込んだ。課題の折り合いはクリアし、距離延長にめどの立つレースだったといえる。ただ、ソールオリエンスからは0秒6離されていて、上位との力差を見せつけられたことも否めない。
≪神戸新聞杯≫
過去10年の菊花賞3着以内のうち、15頭の前走が神戸新聞杯。本番も出走した勝ち馬7頭に限ると【3・0・2・2】と信頼度はかなり高い前哨戦だ。
2分23秒5のコースレコード決着となった。逃げたファントムシーフの1000メートル通過は1分1秒2。上がり3ハロンが10秒7─10秒9─12秒0という決め手勝負になり、苦しいゴール前でグッともうひと伸びしたサトノグランツの勝負根性は注目に値した。馬群をさばいた川田騎手の手綱さばきも鮮やかだったが、地力強化を見せつけたといっていい。菊花賞も主役候補の一頭だ。
ファントムは決め手勝負では分が悪い。しぶとさを生かしてどこまで。サヴォーナは好位から伸びて小差2着。春の実績馬と互角の力をつけたことを証明した。本番でも注意が必要だろう。
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