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【天皇賞・春】ジャスティンパレス1着 令和の盾男ルメール騎手が初タイトルに導いた

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【天皇賞・春】ジャスティンパレス1着 令和の盾男ルメール騎手が初タイトルに導いた

京都競馬場改修後、初のGⅠはクリストフ・ルメール(43)=栗・フリー=騎乗で2番人気のジャスティンパレスが差し切り、初のビッグタイトルをつかんだ。ルメール騎手は京都での天皇賞・春は3連覇で、まさに〝令和の盾男〟。圧倒的1番人気に支持されたタイトルホルダーは2周目の3コーナーで失速し、まさかの競走中止。人気馬2頭の明暗が分かれた。

3コーナーの下り坂で悲鳴とどよめきが上がった。1番人気のタイトルホルダーが失速。代わって馬群の外から上がってきたジャスティンパレスが直線で鋭く伸び、鮮やかに差し切った。コンビを組んで4戦4勝となったルメール騎手は、笑みを浮かべて語り始めた。

「ずっと冷静に走れていたので、直線に向いて『勝つ』と思いました。だんだんポジションを上げて、直線ではエンジョイしていました」

スムーズにゲートを出ると、速いペースを読み切って道中は中団やや前で運んだ。2周目3コーナーの下りを利用して加速。先に動いたディープボンドの外に出すと、メンバー最速の上がり3ハロン34秒9をマーク。「お客さんがたくさんいてエキサイトしていた。ファンと一緒にうれしさをシェアしたかったです」とゴール後に左手の人さし指を突き上げて派手なガッツポーズを繰り出し、喜びを爆発させた。


2歳時にはホープフルS2着。クラシック3冠はフル参戦するも菊花賞3着が最高で、タイトルに手が届かなかった。しかし、4歳になってついに開花。杉山晴調教師は「2歳の頃はひ弱で非力でしたが、血統的にも長距離で…と思っていました。去年の夏と有馬記念のあとに休みを取ったことで大きく成長して『何とかここだけは』と思っていました」と語る。2021年9月の新馬戦は444キロだったが、この日は472キロ。きゃしゃな若駒は、たくましいGⅠ馬に成長した。

ルメール騎手は19、20年にフィエールマンで春の盾を連覇し、これで京都では3連覇。大改修を経た新装京都でも相棒をVに導き「新しい京都で最初の天皇賞・春だったし、お客さんも多かったですからね。勝てて本当にうれしいです」と笑みを浮かべた。秋も含めれば天皇賞は近6年間で7勝目という〝令和の盾男〟は「長距離でスーパーホースになれたから、有馬記念でもいいレースができると思う」と太鼓判を押す。イクイノックスドウデュースなどと同じ4歳世代から、長距離界を制する新星が誕生した。(丸橋正宣)

ジャスティンパレス 父ディープインパクト、母パレスルーマー、母の父ロイヤルアンセム。青鹿毛の牡4歳。栗東・杉山晴紀厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は三木正浩氏。戦績10戦5勝。獲得賞金4億3466万6000円。重賞は2022年GⅡ神戸新聞杯、23年GⅡ阪神大賞典に次いで3勝目。天皇賞は杉山晴紀調教師が初勝利。クリストフ・ルメール騎手は7勝目(別表)。馬名は「冠名+母名の一部」。

■長澤まさみがトークショー 今年度JRA年間プロモーションキャラクターの女優、長澤まさみが京都競馬場を訪れ、天皇賞・春の表彰式のプレゼンターを務めた。12R終了後にはフリーアナウンサーの福原直英氏とパドックでトークショー。「京都は仕事や旅行などでも訪れていて、私にとって特別な場所です。(競馬場は)何度訪れても、歓声で気分が高揚します。改めて競馬場に来ることの大切さを感じました」などと生観戦の楽しさを語っていた。

【アラカルト】

◆クリストフ・ルメール騎手 2020年(フィエールマン)以来、3年ぶり3勝目。JRA・GⅠは22年有馬記念イクイノックス)以来、通算44勝目。15年から9年連続勝利。重賞は通算136勝目。

杉山晴紀調教師 2頭目の出走で初勝利。JRA・GIは20年秋華賞デアリングタクト)以来、通算5勝目。重賞は通算15勝目。41歳4カ月7日での勝利は、グレード制を導入した1984年以降、堀宣行調教師の42歳5カ月24日を抜く最年少V。

◆馬主…三木正浩氏 初出走で勝利。JRA・GⅠも所有馬延べ12頭目の出走で初勝利。重賞は今年3勝目で通算6勝目。


◆生産者…ノーザンファーム 21年(ワールドプレミア)以来の通算7勝目。JRA・GⅠは今年の桜花賞リバティアイランド)に続く通算187勝目(他にJ・GⅠ3勝)。重賞は通算775勝目。

ディープインパクト産駒 21年以来、2年ぶり4勝目。同レース4勝は、サンデーサイレンス、ステイゴールドに並ぶ最多。JRA・GⅠは22年菊花賞アスクビクターモア)以来、通算71勝目で、サンデーサイレンスに並ぶ最多タイ。11年から13年連続勝利。重賞は通算285勝目。

◆同年の阪神大賞典勝ち馬による勝利 阪神大賞典が3月に実施されるようになった87年以降では、18年レインボーライン以来、5年ぶり12頭目。

◆関西馬の勝利 21年以来37回目。通算成績は関東馬47勝、関西馬37勝。

◆4歳馬の勝利 昨年(タイトルホルダー)に続く51回目。4歳馬51勝、5歳馬26勝、6歳馬7勝。

◆2番人気の勝利 昨年に続く2年連続20回目。

◆馬番①の勝利 21年以来、2年ぶり11回目。

■入場&売り上げ 天皇賞・春の売り上げは226億353万6100円で、阪神競馬場で行われた前年比では105・1%の増加だった。入場者数は4万5580人で、前年比は410・3%増(うち有料入場者数4万2161人)。


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