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西村淳騎乗で6番人気のベレヌスが鮮やかに逃げ切った。前が止まらない馬場傾向を読み切った鞍上の好判断で重賞初制覇を飾った。2着に10番人気のカテドラル、3着に1番人気のファルコニアが入り、今村騎乗で8番人気のカデナは6着だった。
内、外に広がった白熱のゴール前。外から迫るカテドラル、ファルコニアの両馬を抑え、堂々と逃げ切った。重賞初制覇を果たしたベレヌスの背中の上で、西村淳騎手がグッと小さく左手でガッツポーズだ。
「いつも通り、いいスタートを決めてくれて、楽にハナを切ることができました。ずっといい手応えで、これなら、と思っていました」
レース前から腹は決まっていた。❼枠⑭番から抜群のスタートを決めて先手を主張。最内枠から飛び出した同型の存在もどこ吹く風で、1コーナーまでにハナを取り切った。前半1000メートル通過59秒9と淡々と運び、直線でも脚いろは衰えることなく、まんまと押し切った。「馬場傾向をみても、前が止まらない感じがありました。作戦通りでした」と、してやったりの笑みを浮かべた。この日は同舞台の小倉8Rもテーオーシリウスで逃げてV。馬場を読み切った好判断がさえ渡った。
鞍上はデビュー5年目で重賞2勝目だ。初制覇を飾った昨年の金鯱賞も、最低人気の伏兵ギベオンでの逃げ切り。デアリングタクトなどスターホースを抑えての大金星だった。当時は初コンビでの白星だったが、ベレヌスとは全5勝中4勝で手綱を取ってのタイトル獲得。「レースを使うたびに成長してくれて、折り合うようになっています」と相棒をたたえた。
杉山晴調教師は「この馬のペースの上げ方を熟知してくれていて、うまいと思いました。後ろを待ちすぎるとのまれてしまう。負けたら仕方がないという乗り方をしてくれました」と称賛した。さらに「1800メートルの小回りが一番合うと思ってここまで待ちました」と、狙いすました勝利を強調。昨年に続く小倉芝1800メートルでの開催も追い風となった。今後は未定も、賞金を加算できたことで選択肢は広がる。
少しずつ絆を強めた人馬が、真夏の小倉で強烈な輝きを放った。
■ベレヌス 父タートルボウル、母カフヴァール、母の父デュランダル。鹿毛の牡5歳。栗東・杉山晴紀厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は㈲キャロットファーム。戦績21戦5勝。獲得賞金1億2482万3000円。重賞は初勝利。中京記念は杉山晴紀調教師、西村淳也騎手ともに初勝利。馬名は「ケルト神話の光、火、治癒をつかさどる神。『輝くもの』の意」。
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