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30日の日本ダービー出走馬をJRA元騎手、細江純子さん(46)がプロの視点で分析。仕上がりやローテーションなどを考慮したうえ、馬券的な妙味も含めて(7)グラティアスを指名した。
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〔7〕グラティアス 「中間気配上々」
この馬の良さは、3戦全て違う競馬をしている点。しかも前走、皐月賞では4コーナーで内側にいた馬と接触して外へはじき飛ばされながらも、最後まで追い込んできており、勝負根性も見せる内容でした。
中間の追い切りでは、特に1週前の動きが抜群で、前走時よりもトモ(後肢)に張りを見せています。侮れない存在です。
〔8〕ヨーホーレイク 「仕上げに魅了」
デビュー当初は重心が前に落ちてしまっていましたが、ここにきて上体が起きた形に変わってきています。それが近走のレースで前半、離されない位置で競馬を運ぶことができるようになっている要因に思えます。また、この馬を担当しているのは、アドマイヤジュピタ(天皇賞・春)、シュヴァルグラン(ジャパンC)など、中距離以上のGIで実績ある津田助手。馬の成長に合わせた上手な調整を行うことで定評があり、ここ一番の仕上げにも魅了されます。
〔1〕エフフォーリア 「馬体維持理想」
一戦ごとに変わり身を感じる馬。特に前走・皐月賞では一気に馬体がシェイプアップしており、当日の馬体重はマイナス10キロでした。あのレースぶりから、過去3戦とは異なり、かなり仕上げた馬体だったことが想像できます。となると今回、馬体重が前回以上減らない方が、個人的にはいいと感じており、当日のチェックは必要です。
〔13〕グレートマジシャン 「歓迎材料多い」
脚が長く、柔らかみがあり、いい雰囲気のある馬。今回は、初コンビの戸崎騎手を背に初経験となるコーナー4つの舞台。しかも、現時点では口向きや折り合い面に課題もあり、かなりの難しさが…。ただ、距離が延びる点に加え、輸送距離が短いのはプラス材料。少しでも流れる展開になれば、追い込んできそうな一頭です。
〔16〕サトノレイナス 「名手に期待!!」
一戦ごとに大人の体に変貌を遂げています。前走の桜花賞では、今までよりも上体が起きた形で歩けており、特に成長を感じるものでした。今回、立ち姿を見ると、より前を軸にしてしっかり立っており、状態はアップしているとみます。また、中距離でこそ力を発揮できる体形。外枠で隣が先行馬という、かなり厳しい条件になってしまいましたが、そこを名手・ルメール騎手がどうエスコートするか、とても楽しみです。
〔5〕ディープモンスター 「前走は度外視」
距離延長、直線が長い東京に替わるなどプラス材料が多いと感じるのが、この馬。皐月賞はコーナーで逆手前で入っており、中山は最も合わないコースだと思えたので7着という結果は度外視していいでしょう。鞍上は日本ダービー最多5勝の武豊騎手。当日の馬体重がプラスなら、押さえておきたい一頭です。
〔10〕シャフリヤール 「追い切り抜群」
追い切りの動きが抜群でした。あとは当日のテンション。東京まで遠征した2走前は、少し(テンションが)高めで、折り合い面での難しさを感じました。落ち着いていれば期待できます。
★総評…人気上位の2頭、〔1〕エフフォーリアと〔16〕サトノレイナスがともに極端な枠に入りました。サトノレイナスはもともとスタートがゆっくりなうえ、右隣の枠が先行馬と厳しい状況。ある程度、ペースが流れてくれることが必須となるでしょう。
一方、最内枠のエフフォーリアは、1コーナーの入り方が命運を分けるように思えます。イメージとしては、手綱を取る横山武史騎手の父・典弘騎手が制した2014年のワンアンドオンリーのような競馬が理想です。
また、個人的に配当的な妙味も考慮し、おもしろいと感じるのは〔7〕グラティアス。〔15〕番枠スタートだった皐月賞は休み明けに加え、内に有利な馬場でした。しかもコーナーで内側の馬にはじき飛ばされ、バランスを崩した中で追いこんで6着。品の良さだけではなく、根性があるところも見せる内容でした。侮れない一頭です。
★日本ダービーの出馬表はこちら 調教タイムも掲載
■細江純子(ほそえ・じゅんこ) 1975(昭和50)年3月12日生まれ、46歳。愛知県出身。蒲郡東高を卒業後、JRA競馬学校騎手課程に入学。同期に福永祐一、和田竜二らがおり「花の12期」と呼ばれる。96年に牧原(現・増沢)由貴子、田村真来とともにJRA初の女性騎手としてデビュー。JRA通算493戦14勝(他に海外2勝)。2001年6月に引退後、フジテレビ系「みんなのKEIBA」などに競馬解説者、リポーターとして出演。11年に結婚し、13年に長男を出産。
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