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先週の共同通信杯コラム内で「日曜東京は開催されるはず」などと書いたら、まさかまさかの土日連日中止。
天候が回復し、除雪が急ピッチで進んでも、交通網がマヒしては開催出来ませんよね。
普段雪に埋もれている分、視野が狭くなっているんだなぁと猛省しました。
また、備えの無い場所への突然の自然災害がもたらす影響というのも、改めて知ることが出来たように思います。
山梨県の皆様をはじめとした、今回の雪害に遭われた方々の生活が一刻も早く正常なものに戻ることを祈るばかりです。
競馬……特に馬にとっても、ここ数週の天候や輸送トラブルの影響は大きかったはず。
特に東京競馬に出走していた関西馬は可哀想でした。
出走を取り消した馬も居ましたし、実力が発揮出来なかった馬も多かったと思います。
彼ら、彼女らの今後の状態に悪影響が無いことを併せて祈りたいですね。
さて、本当に久々に"普通の天気"で開催が行われそうな今週。
待ち構えるのは、今年最初の中央G1・フェブラリーSです。
どこか落ち着かなかったここ数週の鬱憤を晴らすような的中を目指したいところですね。
今回の当コラムのお題も勿論このレース。上手く好走馬に触れていけると良いのですが、果たして……。
◇
少し前は、人気、実力共に兼ね備えた超一線級の馬が小細工なしに好走するイメージのあった当レース。
ですが、ここ2年はいずれも1番人気馬が馬券に絡むことが出来ず、配当的には波乱の結果になっています。
流れが流れなだけに今年も荒れる……と考えたくなるところですが、メンバーを見る限り、今年は上位拮抗の接戦。
昨年~現在に至るまで崩れず走り続けてきたホッコータルマエ、ワンダーアキュート、ニホンピロアワーズの3頭と、
彼ら既勢力をJCダートでまとめて蹴散らした新星・ベルシャザール。
近走の内容やレースレベルからも、この4頭が揃って馬券圏外に沈むというシーンは想像しにくいです。
ただ、それぞれ不安点を抱えているのも事実。
ホッコータルマエは実績こそ完全に抜けていますが、東京マイルを走るのは3歳時の1000万特別戦以来。
この時は先行して押し切る横綱相撲でしたが、今回はメンバーがまるで違うG1レース。
ムスカテールに詰め寄られた前走の川崎記念、エスポワールシチーに敗れた南部杯、
ジリジリとした伸びに終わった昨年の東海Sなど、ヒヤリとさせた舞台は全て左回りですし、
JCダートと同じような"善戦止まり"に終わってしまう可能性は否定出来ません。
血統的には中距離よりもマイルの方が合っているように映るだけに評価が難しいですが、
実績通りの強さを見せ付けることが出来るかどうか。
なかなか勝ち星に手が届かないものの、堅実さは全く変わらないワンダーアキュート。
本馬の敵は、やはり自身の年齢……どの程度能力を維持出来るかといった部分になるでしょう。
昨年のエスポワールシチーのような例外も居ますが、当レースで一度好走した馬は、翌年度以降は着順を落としがち。
昨年は不利さえなければ……と思わせる惜しい内容でしたが、今年はどこまで詰めて来られるでしょうか。
東海Sを圧勝し、左回りへの不安を一掃したニホンピロアワーズ。
ですが、今回の東京マイルは同じ左回りでも中京とは全く違う性質を持った舞台。
特に不安視されるのが、スタートから暫くの間芝を走らなければならないという点でしょう。
キャリア的にはベテランと言える7歳馬でありながら、芝もマイルも走ったことが無いという珍しい馬なので、
今回の条件でいつも通りの先行力を見せられるかどうかは未知。
外枠に入った時の強さが特に目立つという揉まれ弱さを秘めた馬でもあるので、
前半で行き脚が付かないと厳しい形になってしまう可能性があります。
が、血統的にはダートというよりもむしろ芝っぽい構成なので、逆に芝スタートを味方に付けてくる可能性も。
こればかりは実際に走ってみないと何とも言えないのが悩ましいところです。
そしてG1連勝を狙うベルシャザール。
本馬の悩ましい点は、"このメンバーに再度完勝出来るほど強いのか"ということ。
確かにJCダートの内容は文句の付けようが無く、レベルも高いものだったのですが、それ以前のレースに関しては、
着順こそしっかり伴っていたものの、レースレベルはそれほど抜けたものではありませんでした。
JCダートの展開は、前目でレースを進めていたホッコータルマエ&ニホンピロアワーズよりも、
中団後ろでレースを進めていた本馬&ワンダーアキュートに向いたものでもあったので、
前走の結果だけで今回も勝ち負け!と断言するのは少々怖い気がします。
また、久々のレースだと走りがモサモサする印象があるので、3ヶ月近くレース間隔が開いたのも気になるところ。
個人的には今回一番取捨選択が難しいのはこの馬だと思っています。
……という具合に有力馬のマイナス材料ばかりを挙げて来ましたが、
そこを突いて上位に浮上出来る馬が居るのかというのも難しい問題です。
実績的にはJCダートで前述の馬達と接戦したブライトラインやグランドシチー、
かつて当レースを制したゴールドアリュールの半弟であるゴールスキー辺りが挙げられるでしょうか。
ブライトラインは前走の根岸Sで4着という結果でしたが、出負けして序盤に脚を使ってしまったのが敗因。
それでも中団~後方に構えた馬が台頭する中を好位から粘っており、力があるところは見せました。
調教でいつも終いバタバタになってしまうように気性面に課題はありますが、
持てる能力を余すことなく出し切れれば圏内争いに飛び込める可能性はあるでしょう。
グランドシチーは前走の東海Sで左回りへの不安を払拭。
脚質が極端すぎる故に展開待ちな面はありますが、前崩れの流れになればいつでも浮上してきそうな雰囲気があります。
レースぶりからマイルという距離は短すぎるのではという懸念がありますが、
母、兄、妹はマイル以下の短距離に適性を見せていますし、本馬自身も以前は1400mでスピード負けしていませんでした。
距離が長くなるよりは短くなったほうが良さそうな血統と言えますし、ハマれば怖い1頭です。
血統通りにダートで開花したゴールスキーは、ベルシャザール同様評価に悩む馬。
ダート転向後は確かに安定した着順を刻んできているのですが、レースレベルは高くもなく低くもなく。
偉大な兄の存在がある分どうしても血統だけで人気を集めてしまいますが、スケールは少し小さく映ります。
しかし、似たようなローテで似たようなレベルの走りをしていたベルシャザールがJCダートを快勝しているだけに、
あっさり無印にするのも何だか怖く……(根岸Sで最終的に無印にして勝たれたトラウマ)
この3頭の他に穴馬を挙げるなら、伸びしろのある4歳勢が面白そう。
特に、昨秋~年始にかけて好レースを続けているベストウォーリアとソロルに注目しています。
ベストウォーリアは、今回と同じ舞台のレースであるユニコーンSと武蔵野Sで好走。
特に武蔵野Sは、直線でなかなか前が開かずに脚を余す格好になりながら、勝ったベルシャザールと0.1秒差。
スムーズに進路確保が出来ていたなら勝っていたのではと思わせる内容でした。
一昨年の当レースの勝ち馬テスタマッタと同じエーピーインディ系の血統馬で、のびのびと走れる舞台がベスト。
中1週のローテとなるのがやや心配ですが、東京コースに戻るのは大歓迎なはず。
ソロルはレースぶりに不器用さを感じる馬なのですが、今回と同舞台のヒヤシンスSで1.36.6というタイムで2着、
昨秋の京都1800mで行われた花園Sでは1.48.6というタイムで快勝と、意外なくらい高速決着に適性を見せています。
当レースは芝並の走破時計になることが多いですが、本馬の持ち時計なら十分に対応出来そう。
3歳の早い段階で東京マイルで優秀な走りを見せているというのは、サクセスブロッケンやカネヒキリといった、
過去の当レース優勝馬達と同じ。
本馬自身ゴールドアリュールやゴールスキーの近親ということでかなり奥はありそうですし、
ここでいきなり一線級に並んできても不思議はないと見ています。
◇
こうして挙げてみると、4歳から8歳まで満遍なく有力馬が揃ったなぁという印象。
古豪が存在感を見せ付けるのか、新勢力が台頭するのか、
それともホッコータルマエのような若い王者が更にその座を強固なものにするのか。
今回もまた色々な意見や見解が乱れ飛ぶのだと思います。
私もこれから頭を悩ませたいところですが、今週末はお友達の結婚式に参列するために東海地方へ赴かねばなりません。
そのため、じっくりと悩んでいる時間はなさそうなのですが……逆に思い切りのいい予想が出来るかも。
100%晴れやかな気分で新郎新婦を祝うためにも、ばっちりと結果を出したいものです。
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