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14日の東京11R・府中牝馬Sは、ミルコ・デムーロ騎手(44)=栗東・フリー=とコンビを組んだ1番人気のディヴィーナが逃げて3コーナーで後続を引き離し、直線で詰め寄られながらもハナ差押し切って重賞初制覇を飾った。今後は優先出走権を獲得したエリザベス女王杯(11月12日、京都、GⅠ、芝2200メートル)を目指す見込み。
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母も通ったVロードをまな娘が疾走した。ディヴィーナが、東京で重賞3勝を挙げた母ヴィルシーナを想起させる逃走劇で重賞初制覇。殊勲のM.デムーロ騎手は、いとおしそうに何度もパートナーの首筋をなでた。
「いつも2着なのできょうは頑張ろうと思っていた。めちゃめちゃうれしい。乗せてくれて感謝しています」
スタートを決めると、掛かり気味に先頭へ。それでも単騎逃げの形になってからは、爽やかな秋風を浴びながらリズム良くラップを刻み、後続を引き離して直線へ。そこから勝負根性を発揮し、後続の追い上げをハナ差振り切った。
母も管理した友道康夫調教師が「お母さんのヴィクトリアマイルを見ているようでした。精神力で走ってくれるあたりもよく似ています」と目を細めれば、これが今年初勝利の佐々木主浩オーナーも「友道さんが我慢して(競馬を)教えながら使ってくれたおかげです」と破顔一笑だ。次走はエリザベス女王杯となる見込み。偉大な母の背中を追いかけ、ここから頂点へと駆け上がっていく。(山口遥暉)
■ディヴィーナ 父モーリス、母ヴィルシーナ、母の父ディープインパクト。鹿毛の牝5歳。栗東・友道康夫厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は佐々木主浩氏。戦績17戦5勝。獲得賞金1億6238万6000円。重賞は初勝利。府中牝馬Sはミルコ・デムーロ騎手が2016年クイーンズリングに次いで2勝目。友道康夫調教師は09年ムードインディゴに次いで2勝目。馬名は「神がかっている(スペイン語)」。
★ディヴィーナ…重賞は8度目の挑戦で初勝利。中京記念、関屋記念と連続で2着だった。
★友道康夫調教師…府中牝馬Sは2009年ムードインディゴ以来、14年ぶりのV。JRA重賞は神戸新聞杯(サトノグランツ)以来、今年6勝目。
★ミルコ・デムーロ騎手…府中牝馬Sはは2016年以来、7年ぶりのV。JRA重賞はニュージーランドT(エエヤン)以来、今年3勝目。