最新競馬コラム

【香港国際競走】香港マイル~出走馬全頭の短評

 1,755

【香港国際競走】香港マイル~出走馬全頭の短評 | コラム | ウマニティ

今度は香港マイル

(1)エイブルフレンド
2014年の香港マイル(GⅠ)の優勝馬で、当時は翌年5月のチャンピオンズマイル(GⅠ)まで4つのGⅠを含む重賞6連勝と、香港で無敵を誇っていた。その後に英国のクイーンアンS(GⅠ)でソロウの6着に敗れたあと、昨シーズンはプレミアボウル(香GⅡ)に勝利したが、ジョッキークラブマイル(GⅡ)で3着、昨年の香港マイルモーリスの3着に連敗し、右前脚の屈腱炎により休養。11カ月ぶりとなった前走は香港スプリントの前哨戦にあたるジョッキークラブスプリント(GⅡ)で4着だった。休み明けをひと叩きされて、どこまで復調してくるか。

(2)コンテントメント
今年2月のクイーンズシルヴァージュビリーC(GⅠ、芝1400m)でGⅠ初制覇を果たし、5月のチャンピオンズマイル(GⅠ)では3番手から粘ってモーリスの2着に好走した。日本のファンには最下位12着に敗れた6月の安田記念(GⅠ)の印象が強いと思うが、マイナス21キロの馬体重が示すとおり、調子を崩していたのは明らかで参考外。今シーズンはここまで3戦して5、10、4着。好位でレースを運ぶこの馬らしい競馬はできている。

(3)ロゴタイプ
6月の安田記念(GⅠ)は田辺騎手の巧みなペース配分でまんまと逃げ切り、3年ぶりのGⅠ制覇。モーリス以下を完封しての鮮やかな復活劇だった。前走の天皇賞・秋(GⅠ)は差し、追い込み馬が上位を占めるなかで、好位追走から5着に頑張った。ちなみに、父のローエングリンも2003年に天皇賞・秋(10着)をステップに香港マイルに出走し、3着に好走している。

(4)ジャイアントトレジャー
ジョッキークラブスプリント(GⅡ)4着から向かった昨年の香港マイル(GⅠ)がモーリスの2着。3着エイブルフレンドに先着を果たしたという意味でも価値ある銀メダルだった。続く1月のスチュワーズC(GⅠ、芝1600m)でGⅠ初勝利を果たしたが、2月の香港ゴールドC(GⅠ、芝2000m)で9着、5月のチャンピオンズマイル(GⅠ)で8着に敗れるなど3連敗でシーズンを終え、今シーズンも9着だった前走のジョッキークラブマイル(GⅡ)まで2連敗と精彩を欠く競馬が続いている。

(5)ビューティーオンリー
今シーズンは10月1日のセレブレーションC(GⅢ、芝1400m)で2着、10月23日のシャティントロフィー(GⅡ)で3着のあと、前走のジョッキークラブマイル(GⅡ)に優勝。その前走は着差こそわずかだったが、鋭い決め手で図ったように差し切った。昨年1月の香港クラシックマイル(香GⅠ)などここまでの重賞3勝はすべて芝1600mで挙げたもの。今年5月のチャンピオンズマイル(GⅠ)では、上がり400mでモーリス(21.79秒)に次ぐ22.02秒の末脚で4着に入った。

(6)ヘレンパラゴン
フランスではサーアンドリューの名前で走り、7戦2勝。GⅠでもジャンプラ賞(GⅠ、芝1600m)の3着がある。昨シーズンから香港に移籍して、今年3月の香港ダービー(香GⅠ、芝2000m)で5着し、6月のプレミアプレート(香GⅢ、芝1800m)で初の重賞タイトルを獲得。今シーズンはここまで4戦し、3戦目のササレディースパース(GⅢ)がトップハンデ133ポンド(約60.5kg)で2着、前走のジョッキークラブマイル(GⅡ)で7着としている。

(7)ネオリアリズム
前走のマイルチャンピオンシップ(GⅠ)3着も然ることながら、今年のハイライトは何と言っても札幌記念(GⅡ)だろう。ルメール騎手の好判断で先手を取り、同厩舎のモーリスを完封した。この勝利で札幌競馬場での成績を3戦3勝としており、洋芝適性の高さは疑いようがなし。同じく洋芝のシャティン競馬場でも能力を十分に発揮できそうだ。

(8)パッキングピンズ
昨年のジョッキークラブマイル(GⅡ)で5着になり、今年1月1日のチャイニーズクラブチャレンジC(香GⅢ、芝1400m)で2着。その後も4月のスプリントC(香GⅡ、芝1200m)で3着、5月のチャンピオンズマイル(GⅠ)でも中団から差して3着と、重賞制覇までもう一歩のところまで来ている。今シーズンは後方に控える競馬を試みているが、前走のジョッキークラブマイル(GⅡ)まで4戦して5、9、5、10着と、まだ結果が伴っていない。

(9)ビューティーフレーム
昨年のジョッキークラブマイル(GⅡ)の優勝馬で、2番手から鮮やかに抜け出して重賞初制覇を飾った。その後の香港マイルではモーリスの6着。GⅠでは昨年1月のスチュワーズC(GⅠ)、今年2月のクイーンズシルヴァージュビリーC(GⅠ)での2着があり、どちらも逃げて粘りを発揮している。前走のジョッキークラブマイル(GⅡ)は先手を取ったものの、6着に敗れた。

(10)クーガーマウンテン
今年の香港マイルでただ1頭の欧州からの遠征馬。デビューした3歳時はスプリント路線を使われ、昨年からマイル路線を中心に活躍。8月のデズモンドS(GⅢ、芝8ハロン)を制したほか、6月のクイーンアンSでソロウの3着に好走している。今年はここまでに9戦し、9月のジョエルS(GⅡ、芝8ハロン)を制覇。前走は初めて欧州から外に出て、アメリカのBCマイル(GⅠ)で8着だった。

(11)ロマンチックタッチ
香港では重賞をまだ勝てていないが、2歳時には移籍前のオーストラリアでJ.J.アトキンズS(GⅠ、芝1600m)を制している。香港では昨年3月の香港ダービー(香GⅠ、芝2000m)で3着のほか、昨シーズンには今年2月のセンテナリーヴァーズ(香GⅢ)など芝1800mの香GⅢで2着を3度経験。今シーズンに入ってからも3走前のセレブレーションC(GⅢ)で4着、前走はジョッキークラブマイル(GⅡ)でビューティーオンリーの小差2着がある。

(12)サトノアラジン
昨年は香港カップ(GⅠ)に出走して11着に敗れているが、エイシンヒカリのペースになし崩しに脚を使わされた感があった。距離はマイルがベストだろう。ただし、今年はマイルGⅠ前哨戦の京王杯スプリングC(GⅡ)とスワンS(GⅡ)を制すも、その後の安田記念(GⅠ)で4着、前走のマイルチャンピオンシップ(GⅠ)は直線での不利もあったが5着と、GⅠではもうワンパンチ欲しい競馬が続いている。

(13)サンジュエリー
昨シーズンの香港クラシックマイル(香GⅠ、芝1600m)と香港クラシックC(香GⅠ、芝1800m)をR.ムーア騎手とのコンビで連勝して4歳二冠を獲得。三冠がかかった香港ダービー(香GⅠ)は、前の2走で2着に下したワーザーに逆転されて7着に敗れた。好位または中位から競馬をするタイプで、今シーズン2戦目の前走ジョッキークラブマイル(GⅡ)は昨シーズンの好調期を彷彿させるような競馬で3着に入っている。

(14)ジョイフルトリニティ
フランスではバガデュールの名前で走り、昨年7月にフランスでポルトマヨ賞(GⅡ、芝1400m)を勝ったあとに香港へ移籍。香港での1年目となる昨シーズンに2勝を挙げ、クラス1(日本で言うオープン)入りを果たした。今シーズン2戦目のセレブレーションC(GⅢ)は115ポンド(約52キロ)の軽ハンデではあったものの、初の重賞挑戦で見事に勝利。その後はシャティントロフィー(GⅡ)で4着、前走ジョッキークラブマイル(GⅡ)は現状の力量を測るかのように、しんがりから追い込んで5着だった。

★香港国際競走 出走馬全頭の短評コラム一覧
===================
香港ヴァーズ~出走馬全頭の短評
香港スプリント~出走馬全頭の短評
香港カップ~出走馬全頭の短評
===================

藤田将大プロの香港国際競走予想一覧はこちらから。
※予想は12/11(日)午前中公開の予定です。

 ナイス!(0

このコラムへのコメント

コメントはありません。

関連競馬コラム

新着競馬コラム

人気競馬コラム

会員登録(無料)でできること

レース情報

今週の注目レース

6月16日()
マーメイドS G3

⇒今週の番組表へ

先週のレース結果

6月9日()
エプソムC G3
函館SS G3

⇒先週の番組表へ

総賞金ランキング
JRA競走馬総賞金ランキング
4歳以上
1 ドウデュース 牡5
102,726万円
2 スターズオンアース 牝5
84,098万円
3 リバティアイランド 牝4
74,444万円
4 ディープボンド 牡7
73,123万円
5 ジャスティンパレス 牡5
65,388万円
6 シャフリヤール 牡6
59,685万円
7 タスティエーラ 牡4
57,005万円
8 テーオーロイヤル 牡6
51,827万円
9 セリフォス 牡5
51,113万円
10 ナミュール 牝5
50,963万円
» もっと見る

3歳
1 ジャスティンミラノ 牡3
40,307万円
2 ダノンデサイル 牡3
38,200万円
3 ジャンタルマンタル 牡3
32,053万円
4 ステレンボッシュ 牝3
28,331万円
5 アスコリピチェーノ 牝3
22,165万円
6 チェルヴィニア 牝3
21,519万円
7 シンエンペラー 牡3
19,041万円
8 コスモキュランダ 牡3
15,392万円
9 レガレイラ 牝3
11,278万円
10 ライトバック 牝3
11,256万円
» もっと見る