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【霧プロの重賞レースおさらい帳】レパードS2023 『夏は牝馬』を体現! ライオットガールが灼熱のサバイバルレースを制す

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【霧プロの重賞レースおさらい帳】レパードS2023 『夏は牝馬』を体現! ライオットガールが灼熱のサバイバルレースを制す


新潟県の夏は暑い。
一応冬は雪国扱いされている地ではあるのだが、夏は避暑地になるわけではなく、ただただ暑い。
筆者自身も新潟人なので最早諦めの境地だが、冬は寒いのだからせめて夏は涼しくあれと思ってしまう。
しかし、そんな願いも虚しく、今週もまたこれ以上ない好天だった。
新潟競馬場のダートは乾きに乾き、パッサパサの状態。土曜の段階から、ある程度前々に付ける先行力や機動力がないと厳しいと思える馬場と化していた。

そんな環境下でありながら、ぱっと見は確固たる先行馬が少なく、どういった展開になるのか読みづらかった今年のレパードS。前走で逃げ勝っているエクロジャイトや、芝路線から挑んできたパクスオトマニカあたりが行くかと思いきや、迷いなくハナを奪ったのはルクスフロンティアだった。
そのまま中盤まで大きくペースを落とさずに進み、一時は大逃げに近い形に。その後巧みにペースを落としたものの、後続の追い上げも甘くなく、まるでアメリカのダート戦のようなサバイバルレースの様相を呈すことに。能力の足りない馬は容赦なく振り落とされ、機動力に欠ける馬達は勝負に加わることもできず、結果、上位のほとんどが序盤から前目に付けることができていた馬達だった。

そんな中を道中2番手から堂々と押し切ったのが牝馬のライオットガール
かなりタフなレース展開に映ったが、本馬は前走で古馬の3勝クラスで好走。中京の勝負所で一際大きく外を回るという、並の馬なら一発アウトの乗り方でも頑張っており、それに比べたら同世代同士でスムーズに、かつロスも少なく運べた今回のほうが楽に感じたかもしれない。
4月から毎月コンスタントに使われながらもレースレベルを上げ、遂には重賞タイトルまで獲得したあたり、そのタフさには恐れ入る。牝馬ゆえに今後の路線はかなり幅広いが、今後地方交流重賞などに挑戦しても問題なく能力を発揮できるタイプではないだろうか。今後の動向も注目しておきたい。

2着には久々の実戦だったオメガギネス
レース間隔が空いた分か道中の行きっぷりは良すぎるほどだったが、直線を迎えても手応えは十分。ライオットガールの頑張りの前に僅かに屈したものの、ほとんど勝ちに等しい内容と評価していいだろう。
2月の時点で優秀な指数を記録していた馬だが、久々でもその能力に陰りはなく、順調に成長を果たしていたのは大きい。同父のミトノオーをはじめとした一線級との対戦はまだだが、そこに並んでも不思議ないスケール感を備えた存在だ。


3着には逃げて粘りに粘ったルクスフロンティア
ここまでは好位からの先行抜け出しで2勝を挙げており、逃げの手に出た時はいずれも敗れているので、ここまでの迷いなき逃走劇は少々意外だったが、指数面で見ると逃げた時のほうが高いレースレベルで走れていた馬。
気性の勝ったエピファネイア産駒らしく、変に溜めるよりは強引でも自分でペースを作ったほうがいいタイプなのかもしれない。今回の好走は今後の活躍のための良いきっかけになったのでは。

逃げられなかったエクロジャイトも離されはしたものの崩れず4着を確保。
逃げ勝ってきた馬が他馬にハナを叩かれて大きく崩れるシーンは珍しくないが、そうした面を見せなかったあたり、今後も戦法に柔軟性が出せそう。勿論理想はハナなのだろうが、展開に応じた立ち回りを見せてくれるのでは。

一方、大きく人気を裏切る格好となったのがミスティックロア
浮き沈みの激しそうな血統と、ややバランスが悪く映る走法の持ち主で、これまでと大きく変わる舞台設定がどう作用するか注目していたが、1コーナーを上手く回りきれずに膨れ、その後の走りもぎこちなく、全くレースに参加できていない状態。良い方向に振れる可能性もあるように思えたが、想像以上に悪い方向へと振れてしまった。
それでもここに至るまでの阪神における3戦は文句なしにハイレベルと思えたし、自分の競馬ができれば惨敗からの巻き返しも普通にあり得る血統馬。もう少しじっくり運べる舞台や相手関係、そして右回りに戻った際にもう一度注目してみたい。
同じく阪神からの転戦で流れに乗れなかったクールミラボーも、舞台や展開が変わればすぐにでも巻き返しそうなタイプ。こちらも同様に反撃の時を上手く狙いたい。

それにしても、勝ったライオットガールの血統は父シニスターミニスター×母父ハーツクライ
2着のオメガギネスが父ローエングリン×母父ハービンジャー。
3着のルクスフロンティアが父エピファネイア×母父ステイゴールド
……と、勝ち馬の父を除けば、妙に芝に縁のある血統馬が目立ったのが印象的な一戦だった。
昨年の勝ち馬カフジオクタゴンも父モーリス×母父メジロベイリーと芝っぽい構成だし、一昨年の勝ち馬であるメイショウムラクモも父ネオユニヴァース×母父キングヘイロー。これまた芝G1馬同士の構成だ。
確かなダート適性を備えながら、バリバリの100%ダート血統でなく、エッセンス的に芝っぽい血統を持つ……これが当レースに向く馬のイメージなのかもしれない。


※来週の当記事は、筆者都合により休載いたします。ご了承下さい。


○霧(きり)プロフィール
ウマニティ公認プロ予想家。レース研究で培った独自の血統イメージに加え、レース戦績や指数等から各馬の力関係・適性を割り出す”予想界のファンタジスタ”。2023年1月には、長年の活躍が認められ殿堂プロ入りを果たす。

霧プロの最新予想ページはこちら
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