第1回中山開催を締めくくるのは、古馬中距離重賞のアメリカジョッキークラブC(23日、GII、芝2200メートル)。登録は14頭と多くはないが、重賞実績のある骨っぽいメンバーが名を連ねた。
オーソクレース(美浦・
久保田貴士厩舎、牡4歳)が堂々の主役だ。新馬戦、アイビーSを連勝し、
ホープフルSでも2着に入り、昨年のクラシック戦線での活躍が期待されたが、
皐月賞の2週前追い切り後に右後肢に違和感が出て出走を断念。右脛骨部の骨折が判明して休養を余儀なくされたが、
セントライト記念で復帰するといきなり3着に健闘した。続く
菊花賞でもフルゲート18頭の大外枠という厳しい条件にも関わらず2着と、相当な能力の高さを見せた。13日の1週前追い切りでは美浦Wコースで一杯に追われて5ハロン66秒7-12秒0をマークするなど順調な調整過程を踏んでおり、態勢は整いつつある。GI2勝を挙げた名牝
マリアライトの初子が初の重賞タイトルを手に入れる可能性は高そうだ。
ポタジェ(栗東・
友道康夫厩舎、牡5歳)は前走の
天皇賞・秋で6着と、初めて馬券圏内を外したが、GI初挑戦で3強が相手だったことを考えると上々の結果だった。
金鯱賞3着、
新潟大賞典2着、
毎日王冠3着と重賞勝利まであと一歩のレースが続いているが、半姉に重賞4勝を挙げた
ルージュバックがいる良血がここで開花しても不思議はない。
GI2勝の
ラブリーデイの全弟
ボッケリーニ(栗東・
池江泰寿厩舎、牡6歳)も安定したレースぶりが強みだ。連覇を狙った前走の
中日新聞杯は
ショウナンバルディの4着に敗れたが、トップハンデの57・5キロが響いた印象で、それでも0秒3差にまとめて地力の高さをアピール。初めての2000メートル超と未経験の中山コースへの対応が鍵になりそうだが、別定重量戦で56キロならV圏内だ。
ラストドラフト(美浦・
戸田博文厩舎、牡6歳)は2年連続で3着に好走。近走は振るわないが、2走前の
天皇賞・秋では3強相手に8着で今回も対決する
ポタジェとは0秒2差だった。
京成杯Vなど相性のいいコースなら今年も上位争いが期待できる。
2018年の覇者
ダンビュライト(栗東・
音無秀孝厩舎、セン8歳)はしばらく振るわなかったが、ダート2戦目の前走の
名古屋グランプリで3着に健闘。軽視は禁物だ。
クレッシェンドラヴ(美浦・
林徹厩舎、牡8歳)は昨年の
七夕賞(14着)以来、約半年ぶりの実戦になる。重賞2勝はともに福島だが、中山の芝も【4・1・1・6】と好相性。20年の
七夕賞を約半年ぶりで制するなど、休み明けに実績もあり、侮れない存在だ。
アサマノイタズラ(美浦・
手塚貴久厩舎、牡4歳)は17日現在、出否未定だが、今回と同じ舞台の
セントライト記念の勝ち馬で、
スプリングS2着や未勝利戦勝ちなど中山コースは得意。
有馬記念では16着と大敗したが、GIIなら出てくればマークは必要だ。
8着ながら重賞初挑戦だった前走の
アルゼンチン共和国杯で2番人気に支持された
アンティシペイト(美浦・
国枝栄厩舎、牡5歳)、20年
目黒記念優勝馬
キングオブコージ(栗東・
安田翔伍厩舎、牡6歳)なども上位を狙える。
他では芝初挑戦になる昨年の
ジャパンダートダービー優勝馬キャッスルトップ(船橋・渋谷信博厩舎、牡4歳)のレースぶりも興味深い。
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