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伊吹雅也のPOG分析室 (2016) ~第2回 2015上位入賞者レビュー~

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 日本ダービー(3歳GⅠ・東京芝2400m)が施行された5月29日をもって「ウマニティPOG 2015」が終了。1年間にわたって繰り広げられてきた優勝争いの最終結果が確定しました。
 各ワールドを制した皆さんのコメントは後日改めて公開されると思いますが、今回は一足先に“チャンピオン”たちの指名を振り返ってみたいと思います。先週から既に新シーズン「ウマニティPOG 2016」が開幕しており、現在は第2回の入札が行われているところ。指名枠を使い切った方はまだそれほどいらっしゃらないでしょうし、今後の入札方針を再考するうえでの指針としていただければ幸いです。

 著名なプレイヤーや前シーズン以前の「ウマニティPOG」で優秀な成績を収めたユーザーが集う最高位クラスであり、一般的なPOGと同じ“1頭オーナー制”で争われるスペシャルワールドを制したのは、メジャーエンブレムなどを指名した中(ナカ)さん。ウマニティ公認プロのろいすさんがマカヒキ日本ダービー制覇などで最終週に2億2175万円を獲得したものの、五千万円以上の差をつけて逃げ切りました。
 中(ナカ)さんはデビュー後に指名した馬も多いのですが、2億6280万円を稼いだメジャーエンブレムは第1回の入札で確保していましたし、1億5324万円を獲得したスマートオーディンもデビュー2週前の第14回入札で指名しています。
 スペシャルワールドは参加人数こそ少ないものの、真っ先に落札したプレイヤーしか仮想オーナーとなれない“1頭オーナー制”であり、各プレイヤーの実力も国内屈指と言って差し支えないレベル。それゆえ、数億円も稼ぐような馬をデビュー後に獲得するのは困難です。手前味噌ではありますが、「ウマニティPOG 2014」で優勝を果たした私も、GⅠウイナーのクラリティスカイミッキークイーンを第1回入札で指名できたのが最大の勝因。しばらく様子見をしていたら、おそらく他の方が私よりも先に落札していたでしょう。
 もしかしたら、「ウマニティPOG 2016」のスペシャルワールドも、第1回入札を終えた現時点で既に大勢が決しているのかもしれませんね。参加している私たちからするとたまったものではありませんが(笑)、他ワールドに参加している皆さんは、スペシャルワールドの入札結果を今後の参考にすることも可能。POG界を代表する猛者たちが真っ先に獲得したいと考えたのはどの馬なのか、今のうちにしっかりチェックしておいていただければと思います。

 1頭あたりの仮想オーナー枠が最大4つあったミリオネアワールドを制したのは、マカヒキシンハライトを確保していた四白流星タイテエムさんでした。大半の指名馬をデビュー前に獲得していらっしゃいましたし、日本ダービー馬を第1回入札で、オークス馬を第4回入札で早々に落札している点もお見事です。スペシャルワールドよりは仮想オーナー枠に余裕があるものの、やはりこのクラスもGⅠ級の活躍馬を早い時期から確保しなければ優勝争いには食い込めないのでしょう。
 個人的に興味を惹かれたのは2位のsokuratesuさん。メジャーエンブレムに加え、トウショウドラフタブランボヌールブレイブスマッシュなど、芝短距離戦線の活躍馬を中心としたラインナップでこのポジションに君臨しています。何を隠そう、私も牝馬や短距離馬を重視する方針で毎年のドラフト&入札に臨んでいるのですが、牡馬クラシック戦線の注目馬を指名候補から外すだけで、目当ての馬を獲得できる可能性はグッと上がるんですよね。四白流星タイテエムさんや「ウマニティPOG 2014」の私がそうだったように、牡馬クラシック戦線が混戦模様だと、牝馬や短距離馬が獲得した賞金だけでも優勝争いは十分に可能。一般的なPOGにおいても有効な作戦なので、ご興味がある方はぜひお試しください。

 1頭あたりの仮想オーナー枠が最大10人だったリッチワールドは、マカヒキメジャーエンブレムシンハライトを揃えたハマノパリードさんが優勝を果たしました。
 ハマノパリードさんが指名したGⅠウイナー3頭のうち、デビュー前に獲得していたのはシンハライトだけ。マカヒキはデビュー戦を勝った後に、メジャーエンブレムは10月31日のアルテミスステークス(2歳GⅢ・東京芝1600m)で2着となった後に指名されていますね。
 1頭あたりの仮想オーナー枠が最大20人のブルジョアワールドは、日本ダービー馬のマカヒキを指名した横断歩道さん、かっちゃさん、GT-Rさん、バンコクの夜は熱い...さんが上位を占める展開。混線から抜け出したのは、メジャーエンブレムスマートオーディンプロフェットボールライトニングなど、他にも多数の重賞ウイナーを指名していた横断歩道さんです。
 1頭あたりの仮想オーナー枠が最大50人のアベレージワールドを制したのは、マカヒキシンハライトディーマジェスティと3頭の指名馬がクラシックで優勝を果たしたユナさん。「ウマニティPOG 2015」において総獲得賞金が10億円を超えた唯一のプレイヤーとなりました。

 この辺のワールドは参加人数が非常に多く、いわゆる“POG本”で大きく取り上げられているような馬を早い時期に一本釣りするのは困難。仮想オーナー枠の開放スケジュールを把握し、ご自身のPOGポイントや所有枠と相談しつつ、後のGⅠウイナーを的確に獲得していかなければ優勝は狙えません。スペシャルワールドあたりの構造と比べればお分かりいただけると思いますが、こちらは基本的に長期戦。相馬眼だけでなく、ルールに対する理解度、入札を行っていくうえでの戦略性や粘り強さ、デビュー後のレース内容から将来性を把握する能力なども強く問われます。本稿を公開直後に読んでいらっしゃる方はもちろん、数か月遅れくらいのタイミングで参戦する方にも優勝のチャンスは十分過ぎるほど残されているはず。こうした間口の広さが「ウマニティPOG」の醍醐味ですし、残念ながら第1回の入札に間に合わなかったという方も、ご自身の実力を証明する場としてご活用いただければ幸いです。


※次回のコラムは6/14(火)になります。


■執筆者プロフィール
伊吹 雅也(いぶき・まさや)

埼玉県桶川市在住のフリーライター、競馬評論家。JRAホームページ内『今週の注目レース』で「データ分析」のコーナーを担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラムなどさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『コース別 本当に儲かる血統大全』(ガイドワークス)、『コース別 本当に儲かる騎手大全』(ガイドワークス)、『一口馬主の愉しみ(競馬道OnLine新書)』(スタンダードマガジン)、『門外不出! 投票データから分かった! WIN5の鋭い買い方』(東邦出版)、『WIN5(五重勝)ほど儲かる馬券はない!! 少点数で驚愕配当をモノにする絶対的セオリー(競馬王新書)』(白夜書房)。POG関連メディアの制作にもさまざまな形で携わっており、ウマニティPOG2014では最高位クラスのスペシャルワールドにおいて優勝を果たした。

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