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【フェアリーS】クラシックへ花開く!ライラック重賞初V


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【フェアリーS】クラシックへ花開く!ライラック重賞初V

 フェアリーSが10日、中山競馬場で行われ、M・デムーロ騎乗で5番人気のライラックが出負けしながらも直線で豪快に伸びて差し切り。2019年の札幌2歳Sを勝った半兄ブラックホールとの兄妹重賞制覇を果たした。今後のローテーションは未定ながら、牝馬クラシックでの活躍が期待される。1番人気のスターズオンアースはクビ差の2着だった。

 ◇

 新春の中山で驚きの逆転劇が繰り広げられた。ヒロインの名はライラック。最後方から超ロングスパートを繰り出し、ライバル15頭をまとめてのみ込んだ。

 「流れもよかったけど、すごくいい脚を使ってくれました。まるでミスニューヨークみたいでしたね」

 M・デムーロ騎手は昨年12月に同舞台のターコイズSを制した相棒の名を挙げて絶賛した。

 ゲート内でそわそわして出遅れたうえ二の脚もつかず、序盤は大きく離れたしんがりを追走。しかし、3コーナー手前から徐々に進出を開始すると、直線では外を回って豪快に突き抜けた。「ヨーシ!」とサムズアップして引き揚げてきた鞍上の顔を馬はいとおしそうにペロリとひとなめ。デビューから育んできた絆でタイトルをつかんだ。

 「序盤は駄目なんじゃないかと思って冷や冷やしながら見ていました。普通の馬じゃないね」と相沢調教師も驚きを隠せなかった。前走・京都2歳Sは輸送の際に馬運車に乗り込むまでに30分以上を要し、当日もゲート入りをごねるなど精神的な難しさをのぞかせて8着に惨敗。その反省を踏まえ、馬運車への積み込みを練習するなど弱点の克服に努めてきた陣営の努力も実を結んだ。

 M・デムーロ騎手には阪神JFを制したサークルオブライフの先約があるため、今後のジョッキーやローテーションは未定。それでもミルコは「(クラシックも)いけるんじゃないかと思います。小さい馬だけど心が強いし、いい脚を持っている」と将来性に太鼓判。指揮官は「まだ子供で伸びしろは大きいと思う。それに1600メートル(向き)の馬じゃないね」と1999年にウメノファイバーで制したオークスの舞台を見据えている。

 春にかれんな花を咲かせるライラック。冬の寒さをはねのけて開き始めたつぼみは、クラシックシーズンに満開となるはずだ。(漆山貴禎)

ライラック 父オルフェーヴル、母ヴィーヴァブーケ、母の父キングカメハメハ。鹿毛の牝3歳。美浦・相沢郁厩舎所属。北海道浦河町・杵臼牧場の生産馬。馬主は芹澤精一氏。戦績3戦2勝。獲得賞金4457万4000円。重賞は初勝利。フェアリーS相沢郁調教師、ミルコ・デムーロ騎手ともに初勝利。馬名は「北海道の代表的な花の名」。

★10日中山11R「フェアリーS」の着順&払戻金はこちら

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