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福永「歴史上で類をみない事件」 禁止薬物問題、競馬界を直撃

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福永「歴史上で類をみない事件」 禁止薬物問題、競馬界を直撃

 大量の競走除外馬が出たことで、関係者は落胆の色を隠しきれなかった。阪神競馬場では日本騎手クラブの副会長を務める福永祐一騎手(42)=栗東・フリー=が取材に対応。関係者としての複雑な気持ちを吐露した。また、地方競馬でも同じ飼料を摂取していた競走馬が除外されるなど、競馬界は大打撃を受けている。

 北海道シリーズの幕開けを飾る名物重賞・函館スプリントSが、禁止薬物問題の直撃を受けた。当初は13頭立ての予定だったが、(3)シュウジ、(4)ライトオンキュー、(5)リナーテ、(6)ダノンスマッシュ、(8)トウショウピスト、(12)タマモブリリアンが除外されて7頭立てに。これは9頭立てで行われた1992年のダービー卿CTを下回り、芝1200メートルの古馬重賞としては84年のグレード制導入後で最少となった。

 最有力候補だったダノンスマッシュの安田隆調教師は「グリーンカルは昨年の函館で結果が出たので、今年も使っていました。楽しみにしていたので本当に残念。今後は全くの白紙です」と肩を落としていた。

 前代未聞の事態に、日本騎手クラブ副会長の福永騎手は「競馬サークルの一員として、ファンの方々に多大なご心配とご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます。競馬の歴史上で類をみないほどの事件で、憤りや納得できないと感じられている方もいると思います。騎手としては1レースごとに全力を尽くし、ファンの方々に楽しんでいただけるように努めてまいります」とコメント。日本調教師会関西本部長の中竹調教師は「これだけ除外馬が出たのは残念で該当関係者が気の毒」と気遣ったうえで、「公正確保は競馬開催の根幹で最重要課題。危険の可能性は取り除くべき」とJRAの措置に理解を示した。

 15日の売り上げは出走頭数が大幅に減った阪神で対前年比89・4%、函館で同79・3%と落ち込みを見せ、16日も影響を受けることが予想される。来週の宝塚記念で上半期のフィナーレを迎える中央競馬は、思わぬピンチに見舞われた。

★過去の禁止薬物検出例

 ◆ディープインパクト 2006年の仏GI凱旋門賞で3位に入線したが、レース後の理化学検査でイプラトロピウムが検出され、失格となった。寝わらや干し草に付着した物質を摂取してしまった可能性が高いとされている。

 ◆ピンクブーケ 14年12月の中山新馬戦で1着となったが、カフェインが検出されて失格となった。販売されていたサプリメントに混入していたもので、事件性はないと判断された。

 ◆岩手競馬 昨年7~12月にかけて、水沢で3度、盛岡で1度、ボルデノンが検出される事態が発生。開催中止に追い込まれた。主催者側は「原因は故意的なものである可能性が高まった」と事件性を指摘したが、解決していない。

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