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阪急杯データ分析
高松宮記念の前哨戦として位置付けられているレースで、勝ち馬には優先出走権が与えられる。前年12月の阪神カップに出走していた馬が強く、2008年以降の3着以内の約4割（4勝、2着10回、3着4回）を占めている。ただし、阪神カップの好走馬であれば、なんでも買えばいいというわけではない。特に勝ち馬には注意が必要で、阪神カップを制したのちに阪急杯を制した馬はゼロ。G2を勝てば、当然負担重量が加算される。そのぶん、パフォーマンスが落ちてしまうと考えても差し支えない。舞台となる阪神1400mは内回りコースを使用。直線は短めの反面、ゴール前に急坂が待ち構えているため、展開に左右されやすい形態と言えよう。（各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります）
【人気】
なにかにつけて「波乱含み」と強調されやすい阪急杯だが、別表の人気別成績と配当からは、その気配をあまり感じない。2017年が3連単2,483,180円の大波乱だったことを思えば、平均配当は比較的落ち着いている印象だ。11番人気で勝利した2019年のスマートオーディンは例外中の例外で、それ以外の2桁人気は2007～2018年の間、2020年と2着連対すら果たしていない。そもそも過去20年で単勝50倍以上の馬は未勝利で2着連対も1頭のみ。極端な人気薄を1着で狙うようなフォーカスは、非効率的と言わざるを得ない。
◆人気別成績（過去20年）
| 人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1番人気 | 4-3-3-10 | 20.0% | 35.0% | 50.0% | 51.5% | 70.0% |
| 2番人気 | 4-2-5-9 | 20.0% | 30.0% | 55.0% | 107.5% | 107.5% |
| 3番人気 | 3-5-0-12 | 15.0% | 40.0% | 40.0% | 68.5% | 82.5% |
| 4番人気 | 3-4-2-11 | 15.0% | 35.0% | 45.0% | 115.5% | 132.5% |
| 5番人気 | 0-2-4-14 | 0.0% | 10.0% | 30.0% | 0.0% | 104.5% |
| 6～9番人気 | 5-1-3-71 | 6.3% | 7.5% | 11.3% | 116.6% | 61.0% |
| 10番人気以下 | 2-2-3-136 | 1.4% | 2.8% | 4.9% | 49.2% | 56.6% |
◆単勝オッズ別成績（過去20年）
| 単勝オッズ | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1.9倍以下 | 1-0-0-2 | 33.3% | 33.3% | 33.3% | 53.3% | 36.7% |
| 2.0～2.9倍 | 2-3-2-4 | 18.2% | 45.5% | 63.6% | 44.5% | 88.2% |
| 3.0～4.9倍 | 4-1-4-12 | 19.0% | 23.8% | 42.9% | 83.8% | 72.9% |
| 5.0～7.9倍 | 4-8-2-14 | 14.3% | 42.9% | 50.0% | 76.4% | 111.1% |
| 8.0～14.9倍 | 4-2-4-34 | 9.1% | 13.6% | 22.7% | 77.7% | 60.2% |
| 15.0～19.9倍 | 2-3-1-17 | 8.7% | 21.7% | 26.1% | 148.7% | 123.5% |
| 20.0～49.9倍 | 4-1-5-68 | 5.1% | 6.4% | 12.8% | 151.7% | 89.9% |
| 50.0倍以上 | 0-1-2-112 | 0.0% | 0.9% | 2.6% | 0.0% | 40.9% |
◆配当（過去10年）
| 馬券種 | 最高配当 | 最低配当 | 平均配当 |
|---|---|---|---|
| 単勝 | 3,230円 | 160円 | 1,265円 |
| 複勝 | 2,930円 | 110円 | 453円 |
| 枠連 | 12,600円 | 260円 | 2,648円 |
| 馬連 | 13,100円 | 590円 | 5,314円 |
| ワイド | 14,470円 | 270円 | 2,524円 |
| 馬単 | 33,100円 | 850円 | 11,489円 |
| 3連複 | 239,760円 | 4,070円 | 37,007円 |
| 3連単 | 2,483,180円 | 18,050円 | 322,733円 |
【脚質】
脚質別成績を見る限りでは、逃げ馬または先行勢から入るのが最も手堅い印象を受けるが、実際には展開次第でなんでもアリ。近年は、逃げ馬と上がり最速馬が勝ち星を分け合う図式になっている。2017年には上がり最速タイの3頭が上位を独占しているように、後方からでも平気で突っ込んで来るのが阪急杯の大きな特徴。悩むようであれば、開き直って脚質をいっさい気にしない予想に徹してもいいだろう。
◆脚質別成績（過去20年）
| 脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 逃げ | 6-2-0-12 | 30.0% | 40.0% | 40.0% | 174.5% | 89.5% |
| 先行 | 5-6-7-59 | 6.5% | 14.3% | 23.4% | 63.5% | 73.1% |
| 差し | 8-8-7-100 | 6.5% | 13.0% | 18.7% | 89.0% | 71.5% |
| 追込 | 2-3-6-92 | 1.9% | 4.9% | 10.7% | 37.8% | 65.0% |
【枠順】
特筆すべきは、勝率、連対率、複勝率といずれも優秀な成績を残している1～2枠だ。3枠の複勝回収率も好水準であり、内枠優勢のレースであることがうかがえる。反面、8枠の勝率と連対率は低空飛行。2008年以降の連対馬はほとんどが4番人気以内の人気サイドで妙味は薄い。また、7～8枠のワンツー決着は、21世紀に入ってからは2018年の一度のみ。たとえ有力馬が外枠に集まったとしても、基本的に7～8枠同士の組み合わせは避けたほうが無難である。
◆枠順別成績（過去20年）
| 枠順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1枠 | 4-6-1-26 | 10.8% | 27.0% | 29.7% | 49.5% | 83.5% |
| 2枠 | 6-2-6-25 | 15.4% | 20.5% | 35.9% | 169.5% | 105.1% |
| 3枠 | 1-4-4-30 | 2.6% | 12.8% | 23.1% | 11.5% | 114.1% |
| 4枠 | 2-1-2-34 | 5.1% | 7.7% | 12.8% | 12.6% | 53.8% |
| 5枠 | 1-1-1-37 | 2.5% | 5.0% | 7.5% | 95.0% | 32.0% |
| 6枠 | 1-1-2-36 | 2.5% | 5.0% | 10.0% | 25.5% | 29.0% |
| 7枠 | 4-2-1-37 | 9.1% | 13.6% | 15.9% | 112.5% | 47.0% |
| 8枠 | 2-2-3-38 | 4.4% | 8.9% | 15.6% | 90.4% | 103.8% |
【血統】
近年は、ダイワメジャー産駒とディープインパクト産駒の活躍が目立ち、2013年から2016年の間は、4年連続でどちらかの産駒が馬券に絡み、2014～2015年にはともに3着以内に入っている。2017～2018年は、いずれも産駒が未出走。2019年は不発に終わったものの、2020年はディープインパクト産駒が優勝。2021年はダイワメジャー産駒が1着、2着はディープインパクト直系のディープブリランテ産駒だった。今後もこの2系統には十分な警戒が必要だろう。ほかでは、同コース種牡馬別成績のリーディング上位に位置している産駒の好走が多い。母の父に視点を向けると、ノーザンダンサー系、ミスプロ系、リボー系の好走率が高い。とりわけ、リーディング上位種牡馬との相性は抜群で、該当馬が複数出走した場合は、頻繁に馬券に絡んでいる。条件を満たす馬は常にケアしておきたい。
◆同コース種牡馬別成績（阪神競馬場／芝／1400m／過去5年）集計期間：2017/02/20～2022/02/20
| 位 | 種牡馬 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ロードカナロア | 20-10-18-121 | 11.8% | 17.8% | 28.4% | 61.6% | 70.2% |
| 2 | ディープインパクト | 16-13-19-113 | 9.9% | 18.0% | 29.8% | 54.7% | 68.5% |
| 3 | ダイワメジャー | 15-20-15-114 | 9.1% | 21.3% | 30.5% | 52.3% | 102.2% |
| 4 | オルフェーヴル | 7-7-1-45 | 11.7% | 23.3% | 25.0% | 151.2% | 102.8% |
| 5 | ハービンジャー | 6-7-0-47 | 10.0% | 21.7% | 21.7% | 89.5% | 63.5% |
| 6 | ルーラーシップ | 6-5-5-58 | 8.1% | 14.9% | 21.6% | 86.1% | 54.5% |
| 7 | ブラックタイド | 6-3-4-41 | 11.1% | 16.7% | 24.1% | 155.6% | 123.9% |
| 8 | キズナ | 5-6-6-38 | 9.1% | 20.0% | 30.9% | 32.4% | 113.8% |
| 9 | スクリーンヒーロー | 5-5-3-35 | 10.4% | 20.8% | 27.1% | 90.2% | 84.6% |
| 10 | ハーツクライ | 5-4-4-45 | 8.6% | 15.5% | 22.4% | 53.8% | 59.7% |
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