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【鈴木和幸G1コラム】 ヴィクトリアマイルの思い出

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●人気薄の穴馬を見つけるよりもっと大切なことは、、、。

 
今年でまだ5回めと、新設されて間もないGⅠ・ヴィクトリアマイル

それでも過去4年を振り返ればさまざまな思いがある。

記念すべき第1回の平成18年は、
◎のダンスインザムードが勝ち、
2着に○のエアメサイア
3着には特注馬に取り上げたディアデラノビアが突っ込んできて、
馬単1860円、3連単1万1650円を本線で的中させることができた。

これは、◎ダンス、○エアの狙いがよかったのは確かだが、
この予想を引き出せたのは、
1番人気のラインクラフトを、
「体重が減ってきて前走がギリギリのつくり、もう上がりめはない、むしろ調子落ちが心配」と、
▲にしか評価しなかったおかげである。

 
2回めの翌19年は、
前年のお返しとばかりに無印のコイウタに勝たれ、
2着がかろうじて△のアサヒライジング
3着はまたまた無印のデアリングハート
◎を打ったディアデラノビア電光掲示板にも載らない6着と、惨たんたる結果だった。

馬連も馬単も万馬券、3連複でさえ23万5020円もつけ、
3連単にいたっては228万3960円の大、大万馬券。

これには予想を外した悔しさを通り越して、
ただただア然としていたように思う。

 
このようにレースが荒れるのは、
人気薄の馬が飛び込んできたからだが、裏を返せば人気馬がズッコケた結果でもある。

この年のせめてもの救いは、
単勝2.1倍の圧倒的支持をえていたカワカミプリンセスに、
「初めてのマイルが心配。ここ3戦、2000メートル以上のレースを使ってきているのだから、1400で勝っているといっても過信は禁物。ずばり、1600は短すぎる」と、警鐘を鳴らし、
これまた▲にしか評価しなかったことである。

カワカミはその時まで1着入線→12着降着のエリザベス女王杯を含め、
一度も競馬では負けたことがなかった馬だけに、
評価を下げるにはいささか度胸がいったが、
中団のまま見せ場なしの10着、これだけはうまくいった。

 
一昨年の第3回にはあのウオッカが出走し、単勝2.1倍と多くの支持を受けていた。

しかし、私は◎も○も▲もつけず、注にまで評価を落とした。

つまり、その年のヴィクトリアマイルは荒れるとの予想である。

結果的に見れば、
ウオッカは2着だったから私の荒れるとの読みは外れてしまったことになるが、
1番人気のウオッカの評価を4番手に下げたことに後悔はない。

いや、間違っていなかったといまでも思っている。

 
なぜって、ウオッカは2着確保とはいえ、
5番人気でしかないエイジアンウインズに完敗し、
3着ブルーメンブラットにハナ差まで追い詰められてしまったのだから。

レース後、武豊は、
「このメンバーでは勝たなきゃいけないんだけどね」
と話していたが、まったくその通り。

いや、私は、
「負けてはいけないレースだったのに」
といいたい。

 
当時、ウオッカの評価を大きく下げたことについて、私はこう説明している。

「ドバイ遠征の疲れが残り、体はガレたまま。だから思い通りの調教ができず、最終追い切りこそ5F65秒台がでたが、そこまでは軽めばかり、本調子にはほど遠い」
と。

案の定、レース当日の馬体重はドバイ遠征前の京都記念と比べて16キロ減、
デビュー以来の最低478キロしかなかった。

極言してしまえば、ウオッカはこのレースに出るべきではなかった、
それほど体調は良くなかったのだと思う。

「それでもこのメンバーなら勝てる」

1着賞金は9000万円と高額だし、
そんな安易な考えでの出走だったようにも思えたからこそ、思い切って評価を下げたのだ。

負けても2着を死守したのはウオッカの地力というなかれ、
あれは地力なんかじゃない。

こういっては他の馬たちに失礼だが、
弱敵メンバーに恵まれただけである。

その証拠に勝ち時計は、
前年のコイウタの1分32秒5より1秒2も遅い1分33秒7でしかなかったのである。

ウオッカはさらに遅い1分33秒8。

ウオッカほどの馬だ、調子は悪くてもこれくらいには走れる。


この翌年、つまり、もう一度ウオッカが出走してきた昨年と比較してみよう。

同じようにドバイ遠征帰りではあったが、
このときはケアがうまくいき、時計を6本も出せたし、
1週前の時点で5F63秒2-36秒5を馬なりでマークしたほど。

最終追い切りはといえば、
鞍上が抑えるのに苦労する気合の乗りで、極上の切れ味ラスト1F11秒2。

レースでは2着馬を7馬身もぶっちぎり、
時計は1分32秒4、これがウオッカの本当の実力。

一昨年は本当に走れていないだろう。

 
第1回のラインクラフトといい、
第2回のカワカミプリンセスといい、
そして、一昨年第3回のウオッカといい、
多くの支持を受けた馬たちがことごとく負けている。

声を大にして叫びたいのは、
穴馬探しもけっこうだが、
来そうでこない人気馬を見つけ出すことはもっと大切、
それが高配当馬券ゲットの早道、ということである。

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