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今週はGIはひと休みで、東京では日曜にGIIアルゼンチン共和国杯が行われる。昨年の覇者トーセンジョーダンが先週の天皇賞・秋を日本レコードで制覇するなど、近年は勝ち馬の出世が目立つレース。今年はカリバーンに注目だ。
創設当初は春に施行されていたアルゼンチン共和国杯は、1984年のグレード制導入に伴い秋に移設された。その後、GIの谷間で低調なレース傾向が続いていたが、近年はその傾向が大きく変化。昨年の勝ち馬トーセンジョーダンは、先週の天皇賞・秋で驚異の日本レコード勝ち。さかのぼって07年の勝ち馬アドマイヤジュピタが翌08年の天皇賞・春を制し、08年の優勝馬スクリーンヒーローは勢いに乗って次走のジャパンCも連勝した。2着馬からも、ジャガーメイルやアーネストリーが後にGIを制しており、出世レースとして古馬中長距離GIと密接にリンクしている。
今年はカリバーンが興味深い。7カ月の休み明けのうえ、重賞初挑戦だった2走前のGII札幌記念で、後の天皇賞馬トーセンジョーダンから0秒3差の5着に好走。続く前走の産経賞オールカマーでも3着と着実に力をつけていることをアピール。その後河野厩舎の解散により、鹿戸雄厩舎に移籍した。「連絡をもらった時は、いい馬を預かることになり楽しみと同時に、期待に応えなければと責任を感じました。カイバの調合などはウチのやり方ですが、10月12日に放牧先から美浦に入れ、週2本ずつペースを落とさずに時計も出しています」と、鹿戸雄調教師は順調な調整ぶりに胸を張る。期待されて重賞に挑んだものの完成度の差で掲示板止まりだったという“遅れてきた大物”的なタイプがこのレースでは絶好の狙い目。出世レースへと変貌した近4年の傾向を調べてみると、前記した勝ち馬3頭はすべて4歳馬で、連対馬も8頭中6頭と圧倒的だ。
10月26日のWコースでの1週前追い切りは、5ハロン71秒1と時計は地味ながら「3頭併せでいい動きでした。臨戦態勢は整っていますと」と、トレーナーは3年前のスクリーヒーローの再現を狙っている。アーサー王が持っていたとされる伝説の聖剣カリバーンの切れ味が、いよいよ目覚める時がきた。
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