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【霧プロの重賞レースおさらい帳】日経新春杯2024 馬場も流れも全てを味方に! ブローザホーンが引退間近の師に送る重賞V!

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【霧プロの重賞レースおさらい帳】日経新春杯2024 馬場も流れも全てを味方に! ブローザホーンが引退間近の師に送る重賞V!


激烈な先行争いでレースは始まった。
ゲートが開くと同時に、ディアスティマリビアングラスシンリョクカの3頭が一斉に前へと付ける。中でも、前走において自分の形が取れずに惨敗する結果となっていたディアスティマリビアングラスの”ハナに懸ける思い”は重かった。
結果形成されたのは、1000m通過が58秒3というハイラップ。2~3ハロンの間は連続して10秒台のラップが刻まれており、2400m戦ということを忘れてしまうような厳しい流れとなった。
勝負どころでも、是が非でも勝ちが欲しいサトノグランツハーツコンチェルトサヴォーナら4歳菊花賞組が早めに押し上げ、再び競り合いの状態に。後半も前半同様にバチバチの削り合いとなる展開となったが、レースを制したのはそのどちらにも加わっていなかったブローザホーン。中団待機から手応え十分に外から末脚を伸ばすと、その勢いのまま4歳勢を撫で切り、重賞初制覇のゴールへと飛び込んだ。

前走の京都大賞典において心房細動を発症し、その影響が心配されたブローザホーンだが、プラス12kgとしっかりと馬体を増やし、調教の動きも良好。戦前から陣営のケアが功を奏したことを身をもって証明していた。
現在の京都芝が持つ特殊な馬場傾向や、前述のレースの流れに助けられた部分もあったが、言い換えれば総合力が試される舞台であったということ。それを2分23秒台の好タイムで押し切った辺り、昨年から続く本格化は本物だ。天皇賞(春)でも人気の中核を担うであろう4歳勢を完璧に抑えたのは大きく、春に向けて非常に明るい展望が拓けた。現在所属している中野厩舎は師の定年のため2月末で解散となるが、大舞台で更に成長した走りを師に見せることが、何よりの祝いとなるだろう。

2着のサヴォーナは、道中激しい先行争いの直後を進む形。直接競り合いに加わってはいないが、それでも1000m通過58秒台のラップで走っており、展開的にはかなり厳しかったはず。4角でもサトノグランツハーツコンチェルトに先に動かれて万事休すと思われたが、そこからが本馬の真骨頂。コーナーでひと息入れた後に追い出されると、ライバルを差し返す形で内から強襲。外のブローザホーンの末脚には屈したものの、2着はしっかりと確保した。
上位馬の中では前半最も厳しい位置にいながら、近い能力を持つと思われたサトノグランツハーツコンチェルトには明確な差をつけて先着したあたり、本馬の走りも中身が濃い。昨秋に大きく増やしたままの馬体でパフォーマンスも上がり続けているだけに、今後さらなる飛躍を遂げる可能性もありそう。ドゥレッツァタスティエーラソールオリエンスら世代3強にどこまで迫れるか、今後の走りも注目すべき存在だろう。

3着サトノグランツは、速めのペースの中でも好位を確保。勝負どころでも自分から動いていく競馬で、これまでとは少しイメージの異なる走りを展開した。
3歳時はゆったりした追走から直線でズブさを見せ、他馬が止まってから伸びてくるような走りだっただけに、今後も今回のように勝ちに行く競馬ができるようになれば、もう一皮剝けそうだ。馬体をしっかりと増やして臨んできたのも好感が持てたし、今年初戦としては合格点の付けられる内容だろう。


一方、4着に敗れたハーツコンチェルトは悩みが深い。
ここまでの戦績を見ても、55kgのハンデならば勝ち負けに加わっていてもおかしくないはずだが、結果は本馬よりも重いハンデのサヴォーナサトノグランツに先着される形。レースレベルは悪くはないが、最後の一押しが利かない内容が昨秋から続いている。
父がハーツクライなのである程度長い距離もこなせてはいるが、母のナスノシベリウスや全姉のナスノシンフォニー、アレグロモデラートらは、全員1600~2000mに良績が集中しており、もしかしたら本馬も2400mでは少し長いのかもしれない。このまま長距離路線に留まり続けるか、新味発揮を期待して距離を縮めてくるのか、陣営の選択に注目が集まる。

菊花賞組で唯一掲示板外となったリビアングラスは、序盤はディアスティマがハナを譲らず、道中は外のシンリョクカにプレッシャーを掛けられ、位置を維持するために手綱を動かし……と、終始スムーズさを欠く形。控える選択肢もあったのだろうが、そうした戦法に出た前走では全く味が出ず。イメージよりもずっと展開に注文がつく馬で、ストレスなく淡々とマイペースで運べないと良さが出ない。現状はゆったり流れる長距離で展開待ちということになるだろうか。もう少しスピード感のある走りができるようなら、距離を縮めたり、血統的に走れそうなダートに挑戦したりと選択肢も広くなるのだが、しばらくは試行錯誤のローテが続くかもしれない。


(きり)プロフィール
ウマニティ公認プロ予想家。レース研究で培った独自の血統イメージに加え、レース戦績や指数等から各馬の力関係・適性を割り出す”予想界のファンタジスタ”。2023年1月には、長年の活躍が認められ殿堂プロ入りを果たす。

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