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ウマニティプロ予想家・霧が、今週の重賞出走馬の中から、特に的中への鍵を握りそうな1頭にフォーカス。指数・血統・調教を中心とした“予想的イマジネーション”で掘り下げていきます。
【ママコチャ】
ルックス、実績共に伴った白毛のアイドルホース・ソダシの全妹として、デビュー時から注目を集めていた本馬。見た目からしてキラキラしている姉とは対照的に、本馬は白毛一族ながら鹿毛に出た。
そのせい……というわけではないが、いい意味で地味に、そして堅実に成績を伸ばし、3歳の秋にようやくオープン入りを果たす。デビューから一気にG1ホースの座に駆け上がった姉とは、これまた対照的な戦績を刻んできた。
そんな本馬が、スプリンターズSにおいて初めてG1の舞台に立つ。今年に入ってからの充実ぶりは素晴らしく、かつての姉のように一気の戴冠があっても不思議ないように思えるが、歴戦のスプリンター達を相手にどこまでやれるだろうか。いつも通りに各要素から掘り下げていきたい。
まず指数面だが、昨年……3歳時は途中で3連勝を決めるなど、戦績こそ綺麗なものを刻んでいるが、この間の指数は横ばいでクラスが上がってもほとんど伸びず。連勝後に挑戦したターコイズSと阪神牝馬Sで圏外に敗れたのも納得できるもので、この時点では重賞レベルには達していないという見立てだった。
そのイメージが大きく変わったのが5月の安土城S。久しぶりに1400mへと距離を縮めてきた本馬は、ここで突如G1クラスに匹敵するだけの指数を叩き出す。馬自身が急激に良くなっていたのはもちろんのことだが、1600mの舞台では負の要素となっていた前進気勢の強さが、距離を短くしたことで大きな武器に変わったという印象だった。更に距離を縮めた前走の北九州記念でも高い指数を刻んでおり、単純な数字の比較だけならば、今回人気が予想される実績馬達と比べてもほとんど差がない。ここに来てスプリンターとして完全に覚醒したと考えて良さそうだ。
それもそのはず、本馬の父はクロフネ。
牝馬に活躍馬の多いフィリーサイアーとして知られ、特に短めの距離における名牝を多数出している種牡馬だ。当レースにおいてもスリープレスナイト、カレンチャンと2頭の勝ち馬を出しており、本馬もこの2頭に近いタイプだと思われる。
母系は二代母シラユキヒメを起点とし、日本競馬に枝葉を広げている白毛一族だが、ダートに高い適性を見せる馬、重馬場巧者など、個性豊かなスキルを持った馬が多い中で、牝馬に関しては豊かなスピードを活かすタイプが多いように思える。本馬やソダシだけでなく、今回共に走ることになるメイケイエールもこの母系の出身で、レースや相手の格が上がっても押し切る突破力を秘めた血統と言えるだろう。
あとは状態面一つで差のない競馬ができそうだが、この中間は順調に乗り込まれてはいるものの、時計の見た目は良くも悪くも普通。上昇のきっかけを作った春シーズンや前走時がかなり好感の持てる内容だっただけに、少し物足りなさを感じるのが正直なところだ。
今回は中山への遠征がある分、馬体やテンションを考慮しての攻めなのかもしれないし、最終追い切りの動きや時計はもちろん、陣営のコメント等にも注意を払いたい。馬なりでしっかりと全体時計も終いの時計もまとめてくればひとまず及第点の仕上がりだろう。
そして本馬に関しては、鞍上が川田騎手に替わるというのも大きなポイント。
テン乗りであっても川田騎手ならばある程度の格好をつけてくる可能性が高いが、その分人気やオッズに大きな影響が出るものと思われる。本馬の能力の捉え方次第で妥当なオッズか過剰人気か意見は分かれるだろうが、ヴィクトリアマイルにおいて姉のソダシで苦しい競馬となった川田騎手が、妹の本馬でリベンジを果たす……そんなシーンも十分にあり得るのではないだろうか。その手腕にも要注目だ。
○霧(きり)プロフィール
ウマニティ公認プロ予想家。レース研究で培った独自の血統イメージに加え、レース戦績や指数等から各馬の力関係・適性を割り出す”予想界のファンタジスタ”。2023年1月には、長年の活躍が認められ殿堂プロ入りを果たす。
⇒気になる最終結論は、レース当日のプロ予想MAXでチェック!
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