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【エンプレス杯】レース展望

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【エンプレス杯】レース展望

 5日(木)に、川崎競馬場で伝統の交流重賞・第66回エンプレス杯(交流GII、4歳以上オープン、牝馬、別定、ダート・左2100メートル)が行われる。ここがラストランとなる予定のアンデスクイーン、昨年に続く連覇を狙うプリンシアコメータなど、例年以上に豪華なメンバーが揃った一戦を展望する。



★重賞2勝の実績をもつアンデスクイーンが引退レースに挑む



 11年連続で勝利しているJRA勢は、参戦5頭すべてが重賞ウイナーという豪華ラインナップ。中でも注目を集めるのは、昨夏にブリーダーズゴールドC(交流GIII)、レディスプレリュード(交流GII)を連勝した実績があり、今年の初戦となったTCK女王盃(交流GIII)もマドラスチェックのハナ差2着に善戦しているアンデスクイーン(栗東・西園正都厩舎、6歳)だろう。



 管理する西園正都師は「前走は最後にクビの上げ下げで惜しい2着だったが、いったんは前に出ているし、3着馬は突き放して力は示した。その後も順調にきているし、ここでも地力は上位。力さえ出せればチャンスは十分ある。引退レースなので、なんとか有終の美を飾らせてあげたい」と語る。



 全7勝を右回りコースで挙げており、左回りでは9戦して2着2回に甘んじている点は気になるところだが、6歳を迎えた今でも牝馬同士なら力上位なのは前走で証明済み。引き続きC.ルメール騎手とのコンビで挑む最後の大舞台で、どのような走りを見せてくれるか注目だ。



★昨年の覇者プリンシアコメータが史上7頭目の連覇を狙う



 65年という長い歴史があるエンプレス杯で連覇を果たしたのは、ホクトベガ(95、96年)、ファストフレンド(99、00年)、アムールブリエ(15、16年)など6頭。昨年の覇者プリンシアコメータ(美浦・矢野英一厩舎、7歳)が、それに続く史上7頭目の快挙を狙って登場する。



 今年で7歳を迎えたが、昨年末のクイーン賞(交流GIII)でも2着に好走しており、今回も人気を分け合うであろうアンデスクイーンラインカリーナにも先着している。力の衰えは全く感じられず元気いっぱいで、十分に連覇に手が届く位置にいると言っていいだろう。



 矢野英一師は「距離が延びたほうがいいタイプなので、前走後はここを目標に調整してきました。調教もしっかりできているし、(2月)26日の動きも良かったので、あとは直前にサラッとやれば十分でしょう。すんなり行ければハナでもいいし、他に行く馬がいれば2番手でも大丈夫。リズム良く走れるかどうかですね」と見通しを語る。



 内に先手を奪いそうなクレイジーアクセルがおり、外枠からラインカリーナやサルサディオーネが好ポジションを確保しにくることが予想されるだけに、レース序盤の立ち回りがカギになりそうだが、スムーズに走って力を出し切れれば快挙達成の可能性が見えてきそうだ。



★重賞Vがある舞台で完全復活を目指すラインカリーナ



 今回と同じ川崎2100mが舞台の関東オークス(交流GII)を逃げ切った実績があるラインカリーナ(美浦・武藤善則厩舎、4歳)だが、その関東オークスを最後に勝利から遠ざかっている。



 デビューから一度も掲示板を外したことがなく、今年に入ってからもクイーン賞3着、佐賀記念4着(ともに交流GIII)と相変わらずの堅実さを見せているだけに、勝利から遠ざかっているとはいえ、このメンバーに入っても十分に勝ち負けできる力を持っていると評価していい一頭。



 先行馬が多数いるだけに序盤のポジション争いがカギとなりそうで、武藤善則師も「前走は牡馬が相手だったし、佐賀の馬場も合っていなかった感じ。それを考えればよく頑張ってくれたと思います。川崎の2100mは勝っているコースなので不安はないし、ベストはハナを切る形なので、同型馬との兼ね合いがどうかでしょう」と語っている。



 逃げることができなくても大きく崩れたことはなく、早めにまくられた佐賀記念でも最後までしぶとく粘っていたが、やはりベストパフォーマンスを発揮できるのは“先手必勝”の形に持ち込めた時。外枠を引いただけに難しい立ち回りを強いられることになりそうだが、抜群の安定感を武器に上位進出を目指したい。



★芝重賞Vがあるパッシングスルーが初のダート戦出走



 昨秋に芝2000mの紫苑S(GIII)で重賞初制覇を果たし、秋華賞(GI)に駒を進めたパッシングスルー(美浦・黒岩陽一厩舎、4歳)が、南関東の名手・森泰斗騎手を新コンビに迎え、初のダート戦に挑む。



 母の父がクロフネ、兄姉もダートでの勝利があり、血統的には“いきなり”があっても不思議ではない。「前走もすごくいい状態で出せましたが、荒れた馬場で力を出し切れませんでした。その後の回復が思った以上に早かったので、ダートにチャレンジするいいタイミングだと考えてここへ。適性に関しては未知数ですが、血統的にはこなせていいと思います」と黒岩陽一師も期待する。



 重賞Vを決めて以降は秋華賞10着、愛知杯7着と苦戦が続いているが、ガラッと条件が変わるここが、完全復活への足掛かりになるか注目したいところだ。



★地元のクレイジーアクセルが強力なJRA勢を迎え撃つ



 昨年末のクイーン賞(交流GIII)を2馬身1/2差で圧勝。2019年のNARグランプリ最優秀4歳以上牝馬を受賞したクレイジーアクセル(大井・渡邉和雄厩舎、5歳)が、再度のJRA勢撃破を狙っている。



 年明け初戦となったTCK女王盃(交流GIII)は他馬に絡まれ11着に敗れたが、管理する渡邉和雄師は「走り慣れた距離とコースだし、自分のペースで行ければ違うはず」と前を向く。“逃げてこそ”の馬だけに、絶好の内枠を利してマイペースに持ち込み、前走から一変した走りを披露するチャンスがありそうだ。



 同じ大井からの参戦となるサルサディオーネ(大井・堀千亜樹厩舎、6歳)も、JRA所属時に3度の重賞2着があり、一昨年のこのレースでも3着に善戦している実力馬。前走の報知グランプリカップ(SIII)で待望の重賞初制覇を飾り、勢いを十分につけてJRA勢に挑む。

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