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【霧プロのキーホース診断】ラジオNIKKEI賞2023 タラレバの答えをここで出すか? レーベンスティールの可能性を考える

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【霧プロのキーホース診断】ラジオNIKKEI賞2023 タラレバの答えをここで出すか? レーベンスティールの可能性を考える


ウマニティプロ予想家・霧が、今週の重賞出走馬の中から、特に的中への鍵を握りそうな1頭にフォーカス。指数・血統・調教を中心とした“予想的イマジネーション”で掘り下げていきます。



レーベンスティール
「アレがコレだったら……」とか、「あの時こうしていれば……」とか、普段の生活の中でもふとした時に考える”タラレバ”。我々競馬ファンは、恐らく普通の人よりはこのタラレバと仲良しなはずだ。何しろ、毎週、下手したら毎日のように「あの馬を買っていたら……」とか「この馬を抑えていれば……」と思っているのだから。

こうした人間のタラレバと少々趣は異なるが、今回取り上げるレーベンスティールも、まだキャリアの浅い3歳馬にしては重いタラレバを背負っている馬だ。
何しろ、デビュー戦でタイム差なしの所まで追い詰めたのがソールオリエンス。この勝利後に彼がどんなキャリアを重ねているかは、最早説明不要だろう。もしここでレーベンスティールが勝利していたら、歴史そのものが変わった可能性すらある。
それでもめげずに未勝利戦を圧勝し、重賞路線への足掛かりとして臨んだ3月の自己条件は、まさかの超絶不良馬場で逃げたセオの粘りに屈する形となり、またしてもタイム差なしの2着。ここで勝利を収めていれば、ダービートライアルやN H Kマイルカップ等へ出走していた可能性が高いだけに、少々不憫にすら思えてくる。

そんな彼が、今週のメイン・ラジオN I K K E I賞において、ようやく重賞の舞台に立つ。
鬱憤を晴らすようだった前走の自己条件戦の勝ち方から、ここでもかなりの人気を集めることが予想されるが、その評価は果たして正当なのだろうか。


まず指数面から掘り下げていくと、勝った未勝利戦と前走で刻んでいる指数は、いずれも相手関係を考えれば水準以上のもの。敗れた2戦も決して悪い数字ではなく、パフォーマンスの上下が少なく、常にハイレベルの競馬を続けているという印象だ。
特に前走ではラスト2ハロンで刻んでいるラップがいずれも10秒台。いくら速い馬場でのスローな流れだったからといっても、そうそうお目にかかることの出来ない数字である。鞍上も目一杯に追ったという挙動ではなかったし、更にパフォーマンスを上げる可能性を考えると、前評判通り重賞級の能力の持ち主と見るのが妥当だろう。
ただ、今回はさすがに重賞ということもあって、他のライバル馬達も同等のレベルで走ってきている馬が多い。ラップが醸し出すスケール感が上なのは確かだが、1頭図抜けた人気になるほどかどうかまでは確証が持てないのが正直なところだ。

血統的には父がリアルスティール、母父がトウカイテイオーという珍しい構成。
父の血はまだはっきりと産駒傾向が定まっているわけではないが、デイリー杯2歳Sを制したオールパルフェのように、前向きなスピードタイプが多く出ている印象。父自身も1800mのスペシャリストという感じの戦績の持ち主だったし、機動力が求められる小回りも苦にしない器用さを持ち合わせていた。
母父トウカイテイオーの血も、広々とした舞台よりは小回りに向く印象で、母トウカイライフは小倉、福島、中山のダート1700~1800mで好走。らしさを感じる機動力を発揮している。
本馬が前走で見せた瞬発力から、東京などの広いコースでも全く問題はないのだろうが、こうした血統面やかなり前進気勢の強い気性から、今回の福島1800mという舞台設定はプラスに働く可能性が高い。

調教面においては前走後も順調な追い切りが重ねられているように映るが、これまで終始馬なりでの調整だった馬が、6月25日の日曜日に初めて一杯に追われていた。馬なりでも速い全体時計が出る馬なので、一杯に追われたにしては少々地味な時計に映るが、最終追い切りでどのような時計の出し方をしてくるか興味深いところ。重賞仕様の仕上げと見るか、どこかに不安を抱えた状態なのか、陣営のコメント等にも気を配りたい。

他に懸念材料を挙げるとすれば、血統の項でも述べた前進気勢の強さか。
強かった前走でも終始力み気味に走る馬で、綺麗な戦績の割に乗り難しそうな馬という印象が強い。腕っぷしが強く、単純に技術もある外国人騎手向けの馬と言えるが、今回鞍上の戸崎騎手は2走前に騎乗して感覚を掴んでいるというのは大きい。上手く押さえ込むことができれば、前走で見せた瞬発力を再現することも可能だろう。

タイプ的に菊花賞というよりは天皇賞・秋やマイル路線に合いそうだが、どの路線を目指すにしても秋の勢力図に変化を与える可能性すらある本馬。
「この馬が皐月賞やダービーに出ていたら……」といったタラレバに対するある程度の答えが今回の走りで出るだろうし、今度は「この馬が天皇賞に出てくれたら面白い……」といった、ポジティヴな未来を望むタラレバが発生する可能性もあるだろう。
配当的な妙味が薄いのは間違いないので、予想と個人的な感情は切り離して考えたいが、筆者も現時点において何かしらの印は打とうと考えてはいる。どうせ勝たれるなら先が楽しみになるような勝ち方を、と望んでしまうが、「アイツが印を打たなければ……」という誰も救われない結果だけは勘弁していただきたいところだ。


○霧(きり)プロフィール
ウマニティ公認プロ予想家。レース研究で培った独自の血統イメージに加え、レース戦績や指数等から各馬の力関係・適性を割り出す”予想界のファンタジスタ”。2023年1月には、長年の活躍が認められ殿堂プロ入りを果たす。

⇒気になる最終結論は、レース当日のプロ予想MAXでチェック!

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