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《天皇賞・春》
早朝までの雨の影響で馬場状態は稍重。それでも、入りの3ハロン35秒0は過去10年で最速、5ハロン59秒7は同2位と、かなりのハイペースで前半は流れた。1コーナー手前でタイトルホルダーが先頭を奪ってからはペースが落ち着き、ラスト3ハロンはすべて11秒台が並ぶ切れ味勝負の展開に。スタミナに加え瞬発力も求められる、総合的な能力が要求される一戦となった。
勝ったジャスティンパレスは、五分のスタートから好位のインを追走。ペースが緩むやいなや徐々に進出を開始し、前を射程圏に入れて直線へ向くと、メンバー最速の上がり3ハロン34秒9の末脚で突き抜けた。展開を的確に読み切った鞍上の手腕によるところも大きいとはいえ、昨年から馬体面、精神面の成長が著しく、今なら現役最強馬とも対等に渡り合えると思わせるほどの圧巻の内容だった。本質的にステイヤーといったタイプではなく、本格化した今ならここでも期待できる。
2着ディープボンドは、勝ち馬の決め手に屈したが、先行策から押し切りを図るらしさ全開の競馬。持っている力は出し切れた。6歳を迎えても、能力面に衰えの心配はない。4着ブレークアップはジリジリと脚を伸ばし健闘。充実期に入ったか。11着アスクビクターモアは先行勢に苦しいタフな流れがたたった格好。敗因は明確で見直せる。
《鳴尾記念》
勝ちタイム1分59秒1は平凡だが、前日の降雨により、7Rまで稍重で行われた状況だったことに留意したい。同じような馬場コンディションだった2015年(勝ち馬ラブリーデイ)と0秒3差と考えれば、決して悲観する時計ではない。
勝ったボッケリーニは、前半5ハロン59秒6のよどみない流れを中団で追走。4コーナーで先頭集団に外から並びかけると、そこから長く脚を伸ばし続け、格の違いを見せつけるかのように押し切った。GⅠではひと息の結果続きも、持続的な末脚が求められる当舞台への適性は見込める。展開次第ではチャンスがありそうだ。
6着モズベッロは、後方からよく追い込み、勝ち馬から0秒3差まで詰め寄った。復調のきざしを示しつつあり、馬場が悪化すれば面白い存在だ。
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