中央競馬ニュース

【池江寿師インタビュー】オルフェの真実(後編)

 0   2   1,171
シェアする  x facebook LINEで送る
【池江寿師インタビュー】オルフェの真実(後編)

 ロンシャンの雪辱へ-。「第32回ジャパンカップ」(25日、東京、GI、芝2400メートル)でオルフェーヴルはGI6勝目を目指す。直線で大きくヨレた凱旋門賞(2着)の悪夢を振り払い、最強馬は輝きを取り戻せるのか? 『オルフェの真実』後編では池江泰寿調教師(43)に6冠目にかける思いを聞いた。 (聞き手・内海裕介)

 --凱旋門賞惜敗から約1カ月半。JCが帰国初戦というのは、お父さん(=池江泰郎調教師)が管理していたディープインパクト(06年優勝)と同じローテーション

 池江泰寿調教師「ディープのときは(競馬学校での検疫から)東京競馬場に直接入厩したけど、オルフェーヴルの場合は(ノーザンファームしがらきでの)短期放牧明け。違うといえばそこが違うかな。同じ状況でやらせてもらって、ディープのすごさ、親父の厩舎のすごさを特に実感している」

 --注目された鞍上は池添謙一騎手に決まった

 「凱旋門賞はロンシャンのあの特殊なコースで行われる競馬だから、(欧州以外の)ほかの国の騎手じゃ難しいところがあるんで、スミヨン騎手にお願いした。日本で3冠を獲らせてくれたのは池添騎手だから、日本で競馬するときは池添騎手でというのは筋だと思う。(池添)謙一が気の毒だから戻すとか、そういうことじゃない。スランプだったり、乗れてないなと思ったら、こうはならなかった」

 --その池添騎手が久々に手綱を取ったのが15日(坂路4F52秒9-38秒7-12秒6)。ジョッキーは「宝塚記念(1着)のときと比べたら、状態は全然問題ない」と

 「宝塚記念のときは僕も“7割のデキ”と言っていたはず。ただ、もちろん体調が悪いということではなかった。どん底のコンディションから7割まで立ち直った、という意味だった。7割の状態、普通の状態にあれば結果を出せる馬だから」

 --宝塚記念と違うのは、今回は海外遠征明けというハンデがあること

 「さすがに良化はスローだね。馬体重は1週前で460キロ台後半まで回復しているけど、馬体の張りがね。国内で放牧に出すときと違い、レースの2日後(火曜日)の輸送だったし、検疫期間もあったから、オルフェーヴル自身は本当によく頑張っていると思う。凱旋門賞のときの素晴らしい状態を知っている分、そう感じるところもある」

 --その凱旋門賞の雪辱を果たすチャンス

 「JCが始まったのは小学生のころ。第1回(81年)を見たときは衝撃的だった。(日本の)モンテプリンス(7着)がまるで歯が立たなくて、向こう100年くらい勝てないんじゃないかと思ったからね」

 --最高の舞台で“6冠目”を目指す

 「ソレミアとの再戦とか、ジェンティルドンナとの初対決とか話題はいろいろあるけど、自分としてはオルフェーヴルのコンディションを整えてあげて、気持ち良く、折り合いをつけて走らせることしか考えていない。来年も現役でやる可能性もあるし、今年いっぱいで引退する可能性もある。春の宝塚記念のときも、もし着外に沈んでいたらそのまま引退って話もあった。種牡馬として大事な仕事が残っているわけだからね。今は1戦1戦が勝負。そういうプレッシャーはある」

 --けさの追い切りは坂路で4F53秒2。抜け出してから右にモタれていた

 「最初左に行こうとして、それから右に行ったね。課題だけど、ジョッキーもその辺は分かってくれているからね。馬場も相当悪かったし」

 --決戦まであと4日

 「欲をいえばあと1週欲しいというのはあるけど、(優・良・可の)“良”の状態にはもってこられた。あとは底力を信じたい。オルフェーヴルの能力を信じています」

 池江泰寿(いけえ・やすとし)1969年1月13日生まれ。滋賀県出身。父は池江泰郎元調教師で、武豊騎手とは幼なじみ。93年10月に浅見国一厩舎に入り翌年、調教助手として父の厩舎に移籍。ステイゴールドなど多くのGI馬に携わる。英国のM・スタウト、米国のN・ドライスデール厩舎の研修を経て04年に厩舎を開業し、3月20日の阪神5R(ソニックサーパス)でJRA初出走初V。06、10年に最高勝率、08年に最多勝利、昨年は最多賞金獲得調教師となり、JRA賞を受賞している。GI制覇はドリームジャーニーの06年朝日杯FS、09年宝塚記念有馬記念オルフェーヴルの11年皐月賞、ダービー、菊花賞有馬記念、12年宝塚記念トーセンジョーダンの11年天皇賞・秋。JRA通算は重賞30勝を含む329勝。今年は51勝で全国2位(18日終了時点)。

(夕刊フジ)

 サンスポ、エイト、夕フジ、Gallop 業界最大のボリュームを誇る『100人予想』! ★PCはこちらから ★スマホはこちらから

 「サンスポ予想王TV」入会案内 ★PCはこちらから ★スマホはこちらから

この記事はいかがでしたか?
ナイス (2)
 ナイス!(2

このニュースへのコメント

コメントはありません。

関連競馬ニュース

新着競馬ニュース

人気競馬ニュース

会員登録(無料)でできること

レース情報

今週の注目レース

4月28日()
天皇賞(春) G1
4月27日()
青葉賞 G2
ユニコーンS G3

⇒今週の番組表へ

先週のレース結果

4月21日()
マイラーズC G2
フローラS G2
4月20日()
福島牝馬S G3

⇒先週の番組表へ

総賞金ランキング
JRA競走馬総賞金ランキング
4歳以上
1 ドウデュース 牡5
102,726万円
2 スターズオンアース 牝5
84,098万円
3 リバティアイランド 牝4
74,444万円
4 ディープボンド 牡7
67,569万円
5 ジャスティンパレス 牡5
65,388万円
6 シャフリヤール 牡6
59,685万円
7 タスティエーラ 牡4
57,005万円
8 セリフォス 牡5
49,313万円
9 ジャックドール 牡6
49,004万円
10 ソールオリエンス 牡4
48,668万円
» もっと見る

3歳
1 ジャスティンミラノ 牡3
27,482万円
2 ステレンボッシュ 牝3
21,547万円
3 ジャンタルマンタル 牡3
18,666万円
4 アスコリピチェーノ 牝3
16,854万円
5 コスモキュランダ 牡3
15,392万円
6 シンエンペラー 牡3
11,128万円
7 コラソンビート 牝3
9,942万円
8 エトヴプレ 牝3
9,644万円
9 スウィープフィート 牝3
9,386万円
10 レガレイラ 牝3
8,278万円
» もっと見る