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今週は秋のマイル王決定戦、マイルCSが京都競馬場で行われる。「俺のチェックポイント」2日目は、山口遥暉記者がウインマーベルに注目。マイル戦初挑戦ながら、1200、1400メートルで重賞4勝を挙げており、5歳にして満を持してのマイル参戦となる。
◇
アメリカ出張後、初めてのトレセン取材。すっかり寒さが厳しくなったこの日の美浦で、白羽の矢を立てたのはウインマーベルだ。重賞4勝を誇るトップスプリンター。もはや実力は疑いようがないのだが、今回はキャリア初のマイル戦が最大のポイントとなる。聞きたいことが山積だ。厩舎へ引き揚げてきた本間助手に、まずは参戦のいきさつを尋ねた。
「京王杯を勝った後に松山騎手から『安田記念へ行かないんですか』と希望がありました。ジョッキーの中で、マイルの方が合っているかもという思いがあったみたいです。使い詰めていたので秋へ向けて休養になりましたが、そうした経緯があるので、距離はいいと思います」
予想以上に前向きな答えが返ってきた。距離不安の色は全くなし。さらに世話役は「1200メートルだとスタートを出ても、一流どころにはスピードで引けを取りますよね。なので(距離が)延びるのはいいと思います」と続けた。確かに前走のスプリンターズSも、流れに乗り切れず中団後方からの競馬。じりじり伸びて5着まで追い上げてきたが、やはり切れ味勝負では分が悪かった印象だ。その点、マイルなら好位追走がかないそう。この舞台は持ち味の勝負根性を生かすには打って付けということか。
距離延長へ向けて工夫も凝らしている。前走は1200メートルで戦うために精神面を追い込んで仕上げたそうだが、「今回はゆとりをもたせることを意識して乗っています」と世話役。この日の角馬場と坂路での運動を見ても、リラックスした雰囲気を存分に感じ取れた。調整の効果が精神面にしっかり反映されている。
初マイルでこのレースを制したのは2013年トーセンラーただ一頭。ただ、取材の感触からはマーベルが大仕事をやってのけそうなイメージが湧いた。距離延長が嫌われて人気を落とすのは確実。それならばあえて…。最終判断はまだ先だが、軽視禁物と肝に銘じた。(山口遥暉)
★芝マイル未勝利でVは過去4頭
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マイルCSを芝1600メートル未勝利で参戦して勝った馬はこれまで4頭いる。1996年のジェニュインはそれまで3戦0勝(2着2回)、2000年のアグネスデジタルは2戦0勝(ダート1600メートルは4戦2勝)、08年のブルーメンブラットは7戦0勝(2着2回)、13年トーセンラーは初参戦で、それぞれ芝1600メートル初勝利がGⅠだった。
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