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世に氾濫するスピード指数を徹底研究し、圧倒的回収率を実現する現在のスピード指数へ到達。高性能スピード指数に、様々なファクターを掛け合わせ中央競馬を無双する田口啄麻プロに皐月賞についてお聞きしました。
―混戦模様ですが、AIの指数的にはどうでしょうか。
AI的にも大混戦ですね。馬券を組むとなれば、わりと下位評価の馬まで拾われるはずです。
―妙味も含めてという話ですね。
はい。印を打つとすれば9頭くらいでしょうか。
―妙味を度外視して、単純に実力評価だとどの馬がトップにきますか。
メイショウタバルになります。
―前走の毎日杯の逃げ切りが高評価ということでしょうか。
いや、この馬は血統も良く、追い切りも良かった新馬戦からずっと高評価で、新馬戦は不利があったので2戦目も高評価、2戦目は負けましたが、3戦目はさらに追い切りが良く、一貫して評価してきました。5番人気1着の毎日杯も、指数的には断然のトップでしたね。
―今回もそこそこオッズがつきそうですよね。とにかく当てにいくとすれば、この馬がおすすめですか。
AI的にはそうなります。心情的にはレガレイラですけど、こういうタイプは厄介なんですよね。
―厄介と言いますと。
ホープフルSはまずまず評価できますが、そこから間隔が空いていますよね。ホープフルSから順調に成長曲線を描くと強いです。ただ、ホープフルSの時点と今年の重賞を比較すると今年走ってきた馬がほうが良いんです。
―アイビーSからホープフルSは成長していて、同じように伸びればという話ですね。
そうですね。なので、成長補正をかけなければ低評価ですが、成長補正をかければ高評価になります。
―成長はどこで見るわけですか。
追い切りですね。レガレイラの場合、前走もかなり良く、今回大幅に良くなったわけではないですけど、これだけ走れるなら当然成長してくれているだろうという形で、上位評価にはなります。
―ホープフルSは展開的に前に行った馬のほうが強い競馬かと思いますが、シンエンペラーよりレガレイラが上ですか。
シンエンペラーも、前走の弥生賞は成長を示す走りでしたが、追い切りなどを含め、総合的な評価ではレガレイラになりますね。
―ホープフルSより弥生賞は評価できるわけですね。
そうですね。
―となると、勝ったコスモキュランダはどうですか。
わりと低いですね。スピード指数も絶対ではないので、データの溜まっている古馬ならいいですが、キャリアの浅い若駒の時点では一回だけ高指数を出したから即高評価にはならないんですね。コスモキュランダの場合、前走だけまあまあいいという。
―なるほど。別路線の共同通信杯はどのような位置づけですか。
共同通信杯のレースレベルは、最後の加速ラップなどを加味してそこそこ程度です。
―勝ったジャスティンミラノは、スローしか経験のないことがひとつポイントかなと思います。その点はいかがでしょう。
追い切りや血統から競走馬の器を図っていくしかないですね。AIでも3歳戦などはわからない部分が多いですから。
―このあたりが難しいですね。器としては、レガレイラに感じるわけですか。
追い切り、血統を全部合わせるとレガレイラですね。追い切りはメイショウタバルもいいですが。この2頭とジャンタルマンタルもいいです。
―能力的にはこの3頭ですか。ジャンタルマンタルは、ジャスティンミラノより好印象ということで。
そうなりますね。ジャスティンミラノは新馬戦をそれほど評価できず、コスモキュランダと同様、共同通信杯だけ評価できる感じなので。ジャンタルマンタルは朝日杯FSも良かったです。
―ジャンタルマンタルはキャリア3戦内枠で、前走は外枠で壁を作れない部分で折り合いを欠いたという印象をもちました。関連して、枠順もAIの精査対象になるわけですか。
枠も含まれますよ。ただ、そこまで大きな加減にはならないです。
―ビザンチンドリームはどうでしょうか。きさらぎ賞は勝ち方的にはかなり強かったと思いますが。
この馬は追い切りが悪過ぎるんですよ。同じような感じで前走は走りましたけど、こういう馬は本番パッとしないことも多く、評価は低めになります。過去の例を挙げると、イクイノックスは3歳前半は追い切りが悪く、動くようになってから一気に覚醒しました。そういうケースもあるので難しいんですが、例外は例外ですから。
―どう見ても、中山内回り向きの感じもしないですしね。
そうですね(笑)。
―京成杯組のアーバンシックとダノンデサイルはどうでしょう。
その2頭は低評価ですね。
―今、挙がった馬以外はそれほどという感じですか。
能力評価的にはそうですね。ただ、例えばメイショウタバルから3連単を買うと仮定すると、下位評価の馬まで買い目に入れても期待的に問題なくプラスになるので、名前を挙げていない馬も買い目に含まれると思います。
―途中で「心情的にレガレイラ」という言葉がありましたが、AIが出した結果と、田口さんの感覚に乖離が生じたとき、AI優先ということになるのでしょうか。
いや、同じようなパターンの馬の過去の例を調べて、自分のほうが正しと感じたら買い目を変えたりとかっていうこともありますよ。
取材後記:そのほか、穴っぽいところでミスタージーティーも評価できるとのこと。メイショウタバル軸の的中だと、おいしい馬券になりそうですね。
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―難しい組み合わせですが、どう映っているでしょうか。
難解です……。アプロ―チの仕方を定めて、少しでも的中に近づいていくしかないですよね。例えば、東京のような決め手を活かしやすいコースで好走した馬で、不器用そうな馬などを割り引くなど。
―多頭数の内回りというは、ひとつポイントになりそうですね。
後ろから運びそうな決め手のすごい馬たちが揃っているので、上手に立ち回った馬が穴をあけそうな感じはあります。
―穴馬は前にいる馬ですか。
とはいえ、人気もまったく読めず、その変動によって買い目も変わるでしょうから、今回は特にオッズにも注目したいです。
―前々から運ぶタイプで、現状の想定オッズで妙味を感じる馬はいるでしょうか。
サンライズアースです。デビュー2戦のレースぶりから、いかにも持続力のあるしぶとい脚で粘りこむタイプとみています。ホープフルSは取消となってしまいましたが、ベストの舞台だった可能性もあります。展開が恵まれたり、早めに仕掛けて周りに楽をさせない競馬ができたら面白いと思います。
―非常に楽しみですね。前哨戦がスローペースばかりで、例年の皐月賞のような厳しいラップを経験していない馬が多くいます。こういうタイプをどう考えますか。
ラップやラストの手応えから、どれだけ余力があったかを見ています。次走どれだけパフォーマンスを上げてくれるかは個人の想像でしかないですが、上がりが過去の例と比較して優秀だったり、楽な手応えでしまいも速かったりすると能力評価につながりますよね。
―持ち時計は気にならないでしょうか。
あまりに時計が遅いのは考えものですが、上がりやしまいが過去比較で良ければ「水準以上の力があるかも」と判断して、後はオッズ次第だと思います。やはり、ハイペースになると途端にダメな馬もいますし、ペースが何とも言えない場合はオッズがついていると安心できますね。
―特に評価できる路線があればお願いします。
共同通信杯組です。超スローとはいえ、過去の共同通信杯と比べても上位の馬は素晴らしい脚を使いましたし、特に勝ち馬は相当余力があり、周りの馬にとっては相手が悪かったとしか言いようがありません。レースの質がスローからの上がり勝負なので素直に直結するとは思わないですが、非凡な能力を秘めている可能性は十分あります。
―となると、現状の軸候補は……。
ジャスティンミラノですね。中山を経由した馬が安定感的にいいのかなと思ったのですが、思ったより上積みがなさそうだったり、レースレベルが怪しかったりしたので、現状はジャスティンミラノの素質に期待してみたいと考えています。
―ぴたっと折り合いますよね、この馬は。
前走負かしたジャンタルマンタルが緩すぎる流れに全力を出せなかった可能性もありますが、あんなに楽な感じで離すとは思いませんでした。混戦ですしここからだけというわけにはいきませんが、買い目には入れたいということで。
―勝ち方の豪快さという意味では、きさらぎ賞のビザンチンドリームや毎日杯のメイショウタバルが挙がってくるかと思うのですが、この2頭はいかがでしょう。
きさらぎ賞は、まさに大外一閃という競馬で、展開的に向いたわけでもなく差し切ったのは評価できると思います。ただ新馬戦と同じような競馬になってしまいましたよね。
ややズブく、現状はスムーズに立ち回る競馬とはほど遠いので、中山は苦戦するかもしれません。
―ちょっと危険な感じですかね。メイショウタバルは6馬身差の圧勝でした。
いやー強かったですね。ただ、力は認めつつ、着差をそのまま鵜呑みにするのは危険だと思います。というのも、毎日杯のひとつ前の10レースも似た決着だったんですよね。9レースの後に雨が止んだので、内から馬場が乾いてきていたのかもしれません。毎日杯は厳しい流れではありませんでしたし、馬場の恩恵も重なってあの着差になったかもしれないと考えれば、展開不問で期待できるというイメージは湧きません。
―最後に挙がった馬以外に注目馬がいましたらお願いします。
レガレイラですね。応援されそうですし、乗り替わりもあって狙いづらいですけど、76年ぶりの牝馬の勝利を見たい思いもありますね。ホープフルSは余力のある差し切りで能力的には通用してもいいはずですよ。
取材後記:どう絞っていくのかが難しいなか、とても参考になりました。軸馬・穴馬ともに期待したいですね。
以上、プロ予想家2名の皐月賞の見解と注目馬を紹介しました。お二方とも混戦の見立てでしたね。多くの馬にチャンスがありそうで楽しみです。それでは、また来週お会いしましょう。
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