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ジャパンCで有終の美を飾ったイクイノックス(美浦・木村哲也厩舎、牡4歳)の引退式が16日、中山競馬場で行われ、GⅠ6連勝、獲得賞金20億円超の〝世界最強馬〟がファンに別れを告げた。この日で競走馬登録を抹消し、来春から北海道安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬となるが、獲得賞金19億円超のGⅠ9勝馬アーモンドアイとの夢の配合も決定的となるなど、パパとしても輝かしい未来が待っている。
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全世界に認められたナンバーワンホースはどこまでも泰然自若だった。引退式に臨んだイクイノックスは、照明が輝く中山競馬場で、スタンドを埋めた約1万6000人のファンを前にしても動じない。ターフをゆっくりと闊歩(かっぽ)しながらお別れを告げた。
「イクイノックスは最初からスーパーホースになれると思っていた。一戦ごとに強くなって、みんなのおかげで世界一になれた。走り方、信じられないパフォーマンスは忘れられない」
国内外10戦全てをともにしたルメール騎手が改めて相棒の素晴らしさを伝えた。早ければ2027年にデビューする産駒については「僕が(現役で)いるか分からない」と冗談めかして笑いつつも、「もちろん子供たちにも乗りたい。子供でも世界一を。アーモンドアイとイクイノックスの子なら世界一を目指せる」と自身がまたがったスーパーホース同士の結晶に夢をはせた。
その言葉を受けて、アーモンドアイの繋養先であるノーザンファームの吉田勝己代表も「アーモンドアイに付けざるを得ないよね」と笑顔。アーモンドとの獲得賞金を合わせた『41億円ベビー』に今から期待が膨らむ。国内の新種牡馬史上最高額となる種付け料2000万円でスタートする第2の馬生も前途は明るい。
木村調教師は「イクイノックスの子でまた東京2400メートルのGⅠにスタッフとともに戻ってきたい」と語った。2着だった日本ダービー制覇の夢は、父から子供へ。イクイノックスの血のドラマは続いていく。(板津雄志)
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◆シルクレーシングの米本昌史代表「あっという間にこの日が来てしまいました。4年後には子供たちがデビューするので楽しみしかないです」
◆木村哲也調教師「夢中でやってきて、凝縮された2年間でした。(無事に引退を迎えて)本当にホッとしています」
◆阿部孝紀調教助手「他の馬とは違う首の使い方で、毎日びっくりしていました。寂しい気持ちはありますが、次のステップに向けて頑張ってほしいです」
◆楠友廣調教助手「基本的にとてもおとなしくて穏やかな馬ですが、寂しがり屋で繊細なところを持っていました。(イクイノックスには)お疲れさまとありがとうを伝えたいです」
◆ノーザンファーム天栄の木實谷雄太場長「世界中の人々にたくさんの感動を与えてくれました。そういった馬に携われて本当に誇りに思っています」
■イクイノックス 父キタサンブラック、母シャトーブランシュ、母の父キングヘイロー。青鹿毛の牡4歳。美浦・木村哲也厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)シルクレーシング。
◆イクイノックス・アラカルト◆
◆生涯獲得賞金トップ 総獲得賞金(JRA以外の競走を含む。本賞金+付加賞)22億1544万6100円(うち海外4億5889万100円)は、アーモンドアイの19億1526万3900円を抜き歴代トップ。
◆史上最多タイのGⅠ連勝 2022年天皇賞・秋~23年ジャパンカップまでGⅠ出走機会6連勝。テイエムオペラオー、ロードカナロアに次ぐ史上3頭目。
◆重賞勝利 海外を含めて7勝。
◆世界最強 23年ドバイシーマクラシック勝利後に発表されたロンジンワールドベストレースホースランキングでレーティング129ポンドの世界1位に。日本馬の世界1位はジャスタウェイ、エイシンヒカリに次ぐ3頭目。ジャパンCでのレーティングは133ポンドとさらに上昇し、引退まで世界一をキープ。
◆馬名の意味 昼と夜の長さがほぼ等しくなる時。
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