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ウマニティプロ予想家・霧が、今週の重賞出走馬の中から、特に的中への鍵を握りそうな1頭にフォーカス。指数・血統・調教を中心とした“予想的イマジネーション”で掘り下げていきます。
【レガレイラ】
本馬の母ロカ。その名前を見るたび、筆者は懐かしさに包まれる。
2014年の11月にデビューしたロカは、そこで後続を5馬身ちぎる圧勝を見せた。
あのディープインパクトの近親という良血っぷりに加え、ラスト2ハロンが11.0-11.0というラップ。これで大物感を感じなければ嘘というものだろう。これからどんな走りを見せてくれるのか、当時は胸を踊らせたものだ。
しかしその後、ロカはその素質を持て余すような走りを続け、結局1勝も挙げられないままターフを去る。いつか開花すると信じていただけに、引退の報を目にした時は非常に落胆したものだ。
だが、その大器の可能性は産駒にしっかりと受け継がれていた。2番仔のドゥラドーレスが順調にステップアップし、菊花賞で4着に入るまでになったのだ。
それに続く3番仔にあたるのが本馬・レガレイラ。
デビュー戦では後に札幌2歳Sを制することになるセットアップを下し、小頭数ながら素質馬の集ったアイビーSでも3着。母や兄に負けず劣らずな”走る馬”の雰囲気を纏っている。牝馬限定戦ではなく、牡馬相手のG1を獲りに来るあたり、陣営の期待度も相当なものなのだろう。母は2戦目で阪神JFに挑み、壁に跳ね返される格好となったが、同じ2歳G1で本馬はどんな走りを見せるだろうか。いつも通りに各要素から掘り下げていきたい。
まず指数面だが、キャリアの少ない2歳馬であるためにサンプル数はどうしても少ない。
とはいえ、デビュー戦はスタートで出遅れるロスがありながら、直線では楽にセットアップをかわしており、刻んだラップやゴール前の様子もまだまだ余裕を感じさせるものだった。指数自体も水準級で、その後のセットアップの実績からしても重賞級の器である可能性が非常に高い。
続くアイビーSも小頭数ながら非常に高い指数が刻まれており、勝ったダノンエアズロックだけでなく、3着だった本馬が刻んだ数字ですら、18年の同レース勝ち馬・クロノジェネシスや21年の勝ち馬・ドウデュースといった後の超一流馬が刻んだものより高い。
ここで本馬を抑えての2着だったホウオウプロサンゲが、次走の京都2歳Sで7着に敗れているのをどう捉えるかだが、同馬は先行勢にはかなりキツい流れの中で2~3番手から進める格好になっていた。アイビーSの実質的なレベルが指数ほど高くないと評価するにはまだ早いように思われる。
もし本馬がこの指数通りに走ってくるようであれば、人気を分け合うであろうシンエンペラーやゴンバデカーブースらよりも数字上は上を行く。勝ち負けに絡む可能性は十分と言えそうだ。
血統は冒頭に綴った通り、中長距離の王道路線において大物感を感じる母系の出身。
本馬は父がスワーヴリチャードに変わって2歳戦向きの適度な前向きさがあり、走法も大きなストライドの持ち主だった母とは印象が異なる。やや掻き込みの強い脚の動きで小気味いいリズムを刻んで走るので、ある程度開催が進んできた小回り中山もそう苦にしないのではないだろうか。
しかし、母も兄も”未完の大器”的な評価をされていた馬だったし、本馬自身も4月生まれで、テンションの上がり方やゲート内での駐立に課題を残すなど、完成度の高さで他馬に及ばない部分はありそう。現時点でどこまで戦えるのか、評価が分かれる馬ではありそうだ。
だが、そんな心配をよそに、調教では相当にいい動きをしている。
あのイクイノックスと同じ木村哲也調教師の管理馬だが、イクイノックスの同時期と比べてもかなり強気に攻められている印象で、コース調教でも坂路調教でも目を引く時計を刻んでいる。気性面の若さはともかく、肉体面では非常に強いものを持っていそうで、印象点は高い。
こうして纏めてみると、各要素それぞれに好感が持てる材料が揃っており、現状ウィークポイントと言える気性面がどう出るかによって結果が大きく変わりそう。10頭に満たない小頭数を戦ってきて、いきなりフルゲートの小回りG1に挑戦するというのは決して簡単なミッションではない。だが、それすらも乗り越えて存在感を示すようであれば、来年以降も目が離せない存在になるだろう。
あの時の母を越える衝撃を見せてくれるか、お手並み拝見だ。
○霧(きり)プロフィール
ウマニティ公認プロ予想家。レース研究で培った独自の血統イメージに加え、レース戦績や指数等から各馬の力関係・適性を割り出す”予想界のファンタジスタ”。2023年1月には、長年の活躍が認められ殿堂プロ入りを果たす。
⇒気になる最終結論は、レース当日のプロ予想MAXでチェック!
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