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イクイノックスが世界最強のまま引退 社台スタリオンステーションで種牡馬入り

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イクイノックスが世界最強のまま引退 社台スタリオンステーションで種牡馬入り

ジャパンCで歴代最多のGⅠ6連勝を成し遂げたイクイノックス(美浦・木村哲也厩舎、牡4歳)の現役引退が30日、発表された。所有する㈲シルクレーシングの米本昌史代表(48)が東京都内で会見を開き、来春から種牡馬入りすることを明らかにした。国内最高となる20億円超の賞金を獲得したスーパーホースは〝世界最強〟のままターフを去り、その夢の続きは子供たちに託される。



日本が誇る世界ナンバーワンホースがターフに別れを告げる。ジャパンCを圧勝後、世界中がその動向を見守ったイクイノックスは、このまま引退。来年から北海道安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬入りすることが決まった。

天皇賞・秋ジャパンC、2つのGⅠを走っただけの疲れが見られ、これから有馬記念を考えたときに万全な状態での調整が難しいと判断し、出走を見送ることにしました。それと並行し、種牡馬として素晴らしいオファーもいただき、今、種牡馬入りさせることがこの馬にとってベストという判断に至りました」


馬主・㈲シルクレーシングの米本昌史代表が明かした。関係者による協議で引退が決まったのは29日午前。決め手として、米本代表は「まず種牡馬として最大規模の評価をいただいたこと」と語り、さらに「(秋2戦の)あれ以上(のパフォーマンス)があるのだろうか」との思いも口にした。初年度の種付け料や、シンジケート結成などの所有形態は今後スタリオン側で協議される。

今や、世界一とたたえられるイクイノックス。その理由は海外にも認められた点にある。競馬には、レーティングという国際的に統一された競走馬の能力を示す指標があり、ドバイシーマクラシックで129ポンドの評価を得たイクイノックスは、世界番付にあたる今年のワールドベストレースホースランキングで春から首位を快走。ジャパンCではさらに133ポンドと伸ばし、年間1位を確定的なものとしている。

国内でも記録ずくめ。3歳後半の天皇賞・秋から前走のジャパンCまでGⅠ出走機会6連勝。これはテイエムオペラオーロードカナロアと並ぶ記録で、前哨戦を挟まないGⅠ6連勝は過去に例がない。褒賞金を含まない総獲得賞金22億1544万6100円も日本馬の賞金ランキングでアーモンドアイを超えて歴代トップ。初の20億円超えとなった。

キタサンブラックがまた素晴らしい評価をされていますが、イクイノックスはその子供。(これまで見せてきた)そのパフォーマンスがどれくらい産駒に受け継がれるのか、本当に楽しみしかないです」

米本代表の言葉通り、次のステージでの期待も膨らむばかり。引退式については「こういう馬ですから健康であれば、引退式をやってあげたい。ファンの皆さんにもう一度見せたいなという気持ち」と明かし、これからJRAと協議に入る。

競走馬としては最高の幕引き。スピード、スタミナ、瞬発力、ヘッドワーク全てに優れたイクイノックスの才能は、順調なら27年にデビューする2世たちにもきっと継承されるに違いない。(板津雄志)

★ルメール騎手は惜別〝掛け合い〟 木村師「パーフェクトな馬」

イクイノックスの全10戦で手綱を取ったクリストフ・ルメール騎手(44)=栗東・フリー=は、自身の『X』(旧ツイッター)に英文で惜別のコメントを投稿。ジャパンCの表彰式の写真を添え、イクイノックスと会話するユニークなかたちで感謝を示した。


管理した木村哲也調教師(51)は、「彼と過ごした日々は幸せでした。これだけの馬に巡り合えた自分は世界一の幸せ者です。全てを理解している、まさにパーフェクトな馬でした。イクイノックス、本当にありがとう」と文章で感謝の思いをつづった。

イクイノックス・アラカルト

◆生涯獲得賞金トップ 総獲得賞金(JRA以外の競走を含む。本賞金+付加賞)22億1544万6100円(うち海外4億5889万100円)で歴代トップ。

◆史上最多タイのGⅠ連勝 2022年天皇賞・秋~23年ジャパンカップまでGⅠ出走機会6連勝。テイエムオペラオーロードカナロアに次ぐ史上3頭目。

◆重賞勝利 海外を含めて7勝。

◆JRA賞 22年に年度代表馬、最優秀3歳牡馬に選出。

◆世界最強 23年ドバイシーマクラシック勝利後に発表されたロンジンワールドベストレースホースランキングでレーティング129ポンドの世界1位に。日本馬の世界1位はジャスタウェイエイシンヒカリに次ぐ3頭目。ジャパンCでのレーティングは133ポンドとさらに上昇し、引退まで世界一をキープ。

◆世界レコード 23年天皇賞・秋でマークした芝2000メートル1分55秒2はJRAレコードで、公式記録はないが世界レコードとみられる。


◆父子制覇 天皇賞・秋有馬記念ジャパンCで父キタサンブラックとの父子制覇を達成。

◆クラブ募集時の一口価格 8万円×500口(=総額4000万円)。

◆通算レース距離 2万1510メートル(平均レース距離=2151メートル)

◆平均単勝オッズ 2・69倍。

◆馬名の意味 昼と夜の長さがほぼ等しくなる時。

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