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涙の師弟GI制覇だ! ホープフルSが26日、中山競馬場で15頭によって争われ、川田騎乗で1番人気のダノンザキッドが直線で抜け出し、昨年のコントレイルと同じ3戦無敗でGI初勝利。川田騎手は師匠の安田隆調教師の管理馬では初のGI制覇となった。2着は3番人気のオーソクレース。2番人気ランドオブリバティは4コーナーで外に大きく逃避し外ラチに激突。競走中止となった。
川田騎手の涙と安田隆調教師の笑顔。これが師弟愛のすべてを物語っていた。2戦2勝で1番人気のダノンザキッドが、昨年のコントレイルに続く無敗でホープフルSをV。来年のクラシックへと続く扉を、大きく開け放った。
「師匠とともにやっとGIを取れてうれしく思います。オーナー((株)ダノックス)さんからもたくさん依頼をいただいて、何よりも(安田隆)先生に一番迷惑をかけて…」
インタビューで言葉を詰まらせた川田騎手。2010年にダッシャーゴーゴーで挑んだスプリンターズSで2位入線しながら4着降着となったホロ苦の初参戦以来、10度目の師弟コンビでついに手にしたGIタイトル。込み上げる感情を抑えきれなかった。
好スタートを決めて、最初のコーナーでは力みそうになったが、うまく我慢させて好位を追走した。3コーナーで手前を左のまま走ってもたつく場面はあったが、4コーナーで手前を替えてからは力強い走りに。直線では先に抜け出したオーソクレースを1完歩ごとに追い詰め、最後は1馬身1/4突き放した。
「新しい課題がみつかりながらも、すばらしい結果を出してくれました。まだ成長していくのは間違いないなかで、スムーズでなくて勝ち切ってくれたのは(他馬との)力の差を感じます」
まだまだ粗削りながら負けない強さ。底知れない能力をジョッキーも感じているようだ。
涙のジョッキーに対して、「弟子の川田騎手とGI勝ちを達成できて、気分は最高です」と笑顔の安田隆調教師。「後続が来たときはドキッとしたけど、心の中で(勝ってくれと)叫んでいました。4つのコーナーもクリアしてくれて、来年のクラシックに向けて前進してくれましたね」と、来春に思いをはせた。今後はぶっつけか前哨戦を挟むかは未定だが、皐月賞(4月18日、中山、GI、芝2000メートル)で最初の1冠を狙う。当然、無敗3冠馬コントレイルの背中を追っていくこととなるだろう。
グレナディアガーズでの朝日杯FSに続く2週連続GI勝ちの川田騎手は、有馬記念もオーソリティで臨む。「まだ有馬記念という大きな仕事が待っています。精いっぱい、強い馬たちを相手にいいレースができれば、と思います」と意欲は十分。連日のGI勝ちも、今の勢いなら、と思わせる。もちろん、来年のダノンザキッドとの快進撃も楽しみでならない。(柴田章利)
★26日中山11R「ホープフルS」の着順&払戻金はこちら
■ダノンザキッド…父ジャスタウェイ、母エピックラヴ、母の父ダンシリ。鹿毛の牡2歳。栗東・安田隆行厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(株)ダノックス。戦績3戦3勝。獲得賞金1億1144万2000円。重賞は2020年GIII東スポ杯2歳Sに次いで2勝目。ホープフルSは安田隆行調教師が初勝利、川田将雅騎手は14年シャイニングレイ(当時はGII)に次いで2勝目。馬名は「冠名+人名愛称」。
○…師弟コンビ 川田将雅騎手はデビュー時に安田隆行厩舎所属だったが、師弟コンビではJRA・GI10回目の出走で初勝利。重賞は7勝目。
○…ジャスタウェイ産駒 JRA・GIは18頭の出走で初勝利。
◆売り上げ減 ホープフルSの売り上げ金は80億3759万8800円で、前年比56・3%と大幅に減少。この日の中山競馬場入場者は3019人(うち有料入場2430人)。
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