サマースプリントシリーズ第3戦、
アイビスサマーダッシュ(SD)が26日、新潟競馬場で18頭によって争われ、2番人気の
ジョーカナチャンが逃げ切って重賞初挑戦で勝利を飾った。連覇を狙った1番人気
ライオンボスはアタマ差2着。3着には9番人気の
ビリーバーが入った。
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今度こそ、あの馬には負けたくない。ジョッキーのその懸命な思いに応えて、
ジョーカナチャンが無人の外ラチ沿いを駆け抜ける。猛追する前年の覇者
ライオンボスをアタマ差退けてゴール。初挑戦の重賞でタイトルをつかんだ。
「調整がうまくいって調子はいい、と聞いていたし、自信を持って乗りました。最初に乗ったとき(昨年のルミエールAD10着)に惨敗したのに、それでも乗せ続けてくれた関係者に感謝したいし、めちゃくちゃうれしいです」
自身1年7カ月ぶり3度目の重賞勝利を決めた菱田騎手の声がはずむ。「正直、もう少し(有利な)外枠が欲しかった」とジョッキーが話すように、真ん中(9)番からスタート。抜群のダッシュ力で先頭に立って徐々に進路を外に取ると、前走の韋駄天Sでゴール寸前にかわされた最大のライバルの追撃を振り切った。
「すごく二の脚が速くて、前回では止まってしまったところで、もうひと脚使ってくれました。本当に厩舎がうまく調整してくれて、馬もよく頑張ってくれました」とスタッフへの感謝を続けた。
昨年の
阪神JF(
レシステンシア)以来の重賞Vとなった松下調教師も「
ライオンボスとの斤量差が1・5キロ詰まっても逆転できる、と思うぐらいに状態が良かった。それに結果でこたえてくれました」と満面の笑みを浮かべる。
この後はオーナーと協議したうえだが、
北九州記念(8月23日、小倉、GIII、芝1200メートル)に向かうプランもある。「この子は1200メートルでも大丈夫。どんどん乗りやすくなって、今回が一番おとなしかったぐらい。また乗らせてもらえるなら楽しみです」と鞍上は、重賞連勝に向けて自信を深めた様子だ。
サマージョッキーズシリーズで一躍トップに立った菱田騎手を背に、
ジョーカナチャンが夏の電撃戦を逃げまくる。(柴田章利)
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ジョーカナチャン 父
ロードカナロア、母ラッキーダイス、母の父
ネオユニヴァース。鹿毛の牝5歳。栗東・
松下武士厩舎所属。北海道新冠町・三村卓也氏の生産馬。馬主は上田江吏子氏。戦績12戦5勝。獲得賞金1億748万6000円。重賞は初勝利。
アイビスSDは
松下武士調教師、
菱田裕二騎手ともに初勝利。馬名は「冠名+父名より+呼称」。
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