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中央競馬ニュース
今週からいよいよ秋のＧⅠシリーズが開幕。第１弾は短距離王決定戦のスプリンターズＳ（１０月１日、中山、芝１２００メートル）だ。有力馬の１頭、ナムラクレア（栗東・長谷川浩大厩舎、牝４歳）に騎乗する浜中俊騎手（３４）＝栗東・フリー＝を直撃。昨年５着の雪辱を誓うジョッキーに、クレアのこの１年間での成長や、意気込みを聞いた。（取材構成・長田良三）
──前走のキーンランドＣで重賞４勝目
「完勝でした。なるべく馬場のいいところを走って、しっかり差し切ってくれました。メンバー的に負けられないと思っていたので、力は示してくれたと思います」
──１週前追い切りは栗東ＣＷコースで６ハロン８１秒８─１１秒３
「前走が道悪でタフな馬場だったので、疲れの抜け具合を第一に確認したかった。硬さもなく前進気勢があって、反応も良かったです。何も問題ないと思いました」
──小倉２歳Ｓからコンビを組んでいる。年を取って良くなった点は
「もともと完成度は高かった。一番の変化はメンタル面ですね。カーッと燃えやすい馬ですが、２歳、３歳の頃よりお姉さんになってきて、必要以上にイレ込まなくなってきました」
──精神面が成長した
「一生懸命走ってくれて、気持ちが萎えることがこの馬にはない。競走馬として一番、大事な要素を持っていると思います」
──改めてセールスポイントは
「気持ちが強いところですね。瞬発力とかを含めて、その全てを引き出しているのは闘争心の強さだと思います。『負けたくない』という気持ちがないと、ポテンシャルが高くても、勝てないですから」
──これまで１２００～１６００メートルを使ってきているが
「大きいタイトルを獲れるのは１２００メートルだと思います。１４００、１６００メートルもこなしてくれていますが、ＧＩレベルで勝負するには１２００メートルですね」
──マイルＧＩを２勝した父ミッキーアイルにも騎乗。似ている部分は
「ミッキーアイルも闘争心をむき出しにするタイプでしたから、そこは似ていますね」
──昨年のスプリンターズＳは５着だった
「トラックバイアス的に馬場の内側を通った馬が上位を占めました。外を回って坂で苦しくなったけど、悲観する内容ではなかったです」
──改めて中山芝１２００メートルという舞台は
「総合的に高いパフォーマンスを見せないといけない。極端な競馬で勝ち切るのは難しいコースだと思います。どのレースでもそうですが、当日の馬場状態をぎりぎりまで見て、そのときの枠順で組み立てていかないといけないです」
──意気込みを
「いつＧＩタイトルに手が届いてもおかしくないと思っています。（長谷川）厩舎もまだビッグタイトルを獲っていないですからね。長くコンビを続けさせてもらっていますし、ミッキーアイルの子供でもある。十分、ＧＩを獲れる資質があると思うので、みんなで達成したいです」
■浜中 俊（はまなか・すぐる）１９８８（昭和６３）年１２月２５日生まれ、３４歳。福岡県出身。２００７年３月に栗東・坂口正大厩舎から騎手デビュー。０８年小倉２歳Ｓ（デグラーティア）でＪＲＡ重賞初勝利。０９年菊花賞（スリーロールス）でＧⅠ初制覇。１２年は１３１勝を挙げて初の全国リーディング。１９年にはロジャーバローズで日本ダービーを制覇。２５日現在、ＪＲＡ通算１万７９３戦１１６６勝。重賞はＧⅠ９勝を含む５５勝。１６３・８センチ、５１キロ。
★２５日のナムラクレア
全休日の２５日は、栗東トレセンの自厩舎で静養した。疋田厩務員は「計画通りにきています。気持ちも少しずつ乗ってきて、ピリッとしています。ちょうどいいくらいのテンションですね」。前走のキーンランドＣではメンバー最速の上がり３ハロン３５秒２の末脚で差し切り、重賞４勝目。悲願のＧⅠ初制覇に弾みをつけた。「調子の波がない馬。春と遜色ない状態なので何とか結果を出したい」と昨年５着のリベンジを誓った。
★昨年のスプリンターズＳ・ＶＴＲ
好スタートを決めたナムラクレアは中団で待機。テイエムスパーダが少し離して逃げる展開となった。４コーナーで後続がドッと押し寄せ、クレアは馬群の外を回って直線へ。馬場の内がよく伸びるコンディションで、３番手から早めに先頭に立ったジャンダルムが、馬群を割ってきたウインマーベルの猛追をクビ差振り切って真っ先にゴールイン。クレアは外からよく伸びるも、５着に終わった。
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