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【鈴木和幸G1コラム】 ダービー全馬調教診断

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●第77回日本ダービー(GⅠ)出走馬の追い切り診断
 
 
アリゼオ 5月27日 美浦W 52秒8-38秒8-13秒2 馬なり

この20日にウッドコースでステッキを何発も入れ、実戦さながらの併せ馬。この意欲は買えたが内容的にはいかにも反応が鈍く、併走馬に遅れてしまい、ラスト1Fも13秒8とかかってしまった。この時点では太め残り。今週は先週の猛ゲイコで体はできたとの判断だろう、4Fからの短めしか行かず、それも馬なりままだったが、ウィリアムズとの呼吸はぴったりでフットワークにも乱れなし。クビの高いフォームなのでお世辞にも鋭いとはいえないが、良化は伝わってきた。これで完調にもっていける。

 
ヴィクトワールピサ 5月26日 栗東W 67秒3-52秒1-38秒2-12秒2 馬なり
     
皐月賞制覇後は、まず疲れを取ることに専念、4月中はプール調整を施された。時計を出し始めたのは5月に入ってからで、4日を皮切りに坂路、Cウッド併用で合計9本、この中には3回の併せ馬が含まれ、順調すぎるほど順調、先週19日のCウッド5F66秒1-37秒8-11秒8でほぼ仕上がった。今週は先週同様の3頭併せ、最後まで追ったところなしだったが、直線半ばから2頭の間を割って出る闘志を見せ、最先着した。時計はとくに速くはないが、これは意識的に目いっぱい追わなかったからで心配無用、というよりまったくの予定通り。一完歩ごとに重心の沈むダイナミックなフットワーク、リラックスした中に両サイドの馬を抜き去ろうとする、これまでにない闘争心を見せ、まさに磐石の仕上がり。

 
エイシンフラッシュ 5月26日 栗東W 68秒0-52秒9-38秒7-11秒6 馬なり

中間、一頓挫あった前走時と比べると、今回は何もかも思い通り、寸分の狂いなく調教されている。先週19日の併せゲイコでは併走馬を1秒以上もちぎる元気のよさ。古馬を2馬身ほど先行させた今週も直線半ばでGOサインが出るとグイグイとストライドを伸ばし、あっさり2馬身差をつけてのゴール。前走時までとの違いはより完歩が大きくなり、回転が速まってスピード感が出たこと。二走ボケの不安を吹き飛ばし、デビュー来の最高で生涯一度の大舞台に挑むことができる。

 
ゲシュタルト 5月26日 栗東W 66秒5-51秒5-37秒3-11秒7 強 め

内のGⅠ馬リトルアマポーラを追いかけ、追って追ってこれにクビほど先着した。脚色は馬なりの相手に見劣ったものの、これはタイプの違い、ひと追いごとに差を詰めた渋い末脚こそがこの馬の真骨頂。前からこっち、また一歩の良化が認められる。

 
コスモファントム 5月26日 栗東坂 54秒4-39秒7-25秒7-12秒8 馬なり
   
4ヶ月半ぶりの前走でも太め感はなかったが、ひとたたきの効果は歴然で、この中間は目に見えて動きにすがるさがでてきている。今週の坂路での併せ馬でもゴール板が近づくと自らハミをとり、グイッと伸びて半馬身先着、これまでにない鋭さが目を引いた。

 
サンディエゴシチー 5月26日 栗東W ⑥82秒7-67秒1-52秒4-38秒7-11秒6 一杯追  

このラスト1Fを見ると鋭く伸びたようにも見えるだろうが、実際は数字ほどではなく、平凡に映った。前半を控えたことを考えると、もっと切れなければおかしいし、いいときは切れていた、まだ復調途上。

 
・シャイン 5月27日 栗東W ⑥87秒4-70秒9-55秒9-43秒0-15秒0 馬なり

先週にCウッドで6Fからの併せ馬をやったといっても全体時計は85秒0と遅く、上がり中心、その上がりも39秒0と平凡だった。そこへもってきて、このただ回ってきただけのこの最終追い、変り身どころかカイ食いの悪さ、馬体減りの方が心配。
     
 
ダノンシャンティ 5月26日 栗東坂 53秒3-38秒8-25秒3-12秒6 強め

レース間隔が短いし、もうすっかり体はできているので、この中間は軽めばかり、しかし、体や動きに硬さはなく、よくケアされている。今週は目黒記念に出走する古馬オープンのモンテクリスエスと併せ、難なく半馬身先着、どちらが古馬かわからないほど手ごたえ、伸びの違いを見せつけた。つい3週間前に日本レコードで走ったばかり、さすがにもう上がりめは望めないが、かといって気になるところはどこにもなく、状態は高いレベルで安定している。

 
トゥザグローリー 5月26日 栗東P ⑥76秒9-61秒5-48秒0-35秒3-11秒7 一杯追

追ったところなしのリルダヴァルに対し、いっぱいに追いまくってクビほど出ただけ。相手が少しでも追えば大きく先着されていただろう。まだ体を持て余しぎみだし、クビをうまく使えず、追われるたびにアゴが上がるフットワークも気になった。これだけの速い時計が出せるのだから元気は元気だが、本格化にはもう少し時間がほしい。

 
トーセンアレス 5月26日 美浦W 67秒5-52秒2-38秒0-12秒9 馬なり

終始馬なり、軽快なフットワークだったが、アピールできるほどではなく、悪くない程度。これだけのメンバ-に入って変わり身がないようでは。

 
ハンソデバンド 5月26日 美浦W 66秒7-51秒9-39秒2-14秒6 一杯追
 
時計が平凡なら、動きもまったく良化したところなし。それどころかラスト1F14秒6とバッタリときてしまい脚が上がらなかった。中間は順調に乗り込めてはいたが、このバテ方では本調子にはほど遠い。
 
 
ヒルノダムール 5月26日 栗東坂 55秒3-39秒5-25秒3-12秒1 G一杯

皐月賞で10キロ減った体もすぐに回復、5月に入ると追い日ごとに6本の時計を出し、12、19日は坂路52、53秒台だから中身も濃い。今週も念には念を入れて併せ馬、G前のひと追いで1馬身先着した。姿勢がまったくぶれないし、この速いラスト1Fでたっぷり余力を残していた。直前、坂路4F51秒台の速い時計を出した前走もよかったが、55秒台で上がり中心の今回の方が、東京への長距離輸送を考えるとより理想的に思える。

 
ペルーサ 5月26日 美浦W 67秒8-53秒2-40秒1-13秒9 馬なり

事実上の最終追い切りは23日の坂路50秒9-37秒5-12秒6。この追い切りで九分以上のデキになったので、今週は息を整える程度、馬なりというより楽走といったほうがいいくらいに軽かった。大一番の最終追い切りがこれでいいのかと思えたくらいだが、動きは柔らか味十分で、はつらつ感があり、いかにも気分がよさそうな走り。その気になればいくらでも速い時計が出せただろう。道中の横山典との折り合いのよさといい、まぶしいほどに光り輝いた馬体といい、ケチのつけようがない。

 
メイショウウズシオ 5月26日 栗東坂 56秒1-39秒3-25秒4-12秒7 馬なり

先週、Cウッドだハードに追っている。今週は坂路で単走だが、馬なりでこのラスト1Fなら上々。4着に善戦した前走と比べても遜色がない。ただし、このメンバーに入るともうひと皮むけないと。
   
 
リルダヴァル 5月26日 栗東P ⑥76秒0-60秒9-47秒3-35秒4-11秒6 馬なり
 
中2週でのレースがつづき、疲れが心配されたが、持ったままでこんなにも速い時計が出た、出せたのだから、疲れうんぬんは考えなくていい。スマートな馬体とは裏腹に思いのほかタフだ。動きの方もいっぱいに追う僚馬トゥザグローリーを横目で見やりながら余裕しゃくしゃく、躍動感にあふれていた。常識的には上がりめより下降線が心配される強行スケジュールながら、今週の追い切りを見るかぎり、疲れは皆無、戦列復帰後の最高と見て取れた。

 
ルーラーシップ 5月26日 栗東W 71秒2-55秒1-40秒7-12秒2 馬なり
 
首を上下させ、全身を使って走るフォーム、こんな遅いタイムでも迫力満点だ。もちろん、その気ならいくらでも速い時計が出せる脚勢だった。前走からのレース間隔がなく、この馬もまたローテーションのきつさが懸念されるものの、その不安を一掃するダイナミックな動きと、走りたくて走りたくて仕方がないといった気合乗り。外見からは今回が一番いい。

 
レーヴドリアン 5月26日 栗東W ⑥84秒7-69秒2-54秒7-40秒8-13秒3 一杯追

いっぱいの追い比べで後れをとった。末脚自慢の馬がこれでは。確かに、攻め馬より実戦タイプのところはあるが、それにしても追われての反応が鈍すぎる最終追い切りだった。

 
ローズキングダム 5月27日 栗東坂 52秒9-38秒3-24秒9-12秒6 馬なり

今週、火曜日に挫石のアクシデントに見舞われ、一時は出否未定だったが、27日に追い切ることができ、出走にこぎつけた。この時計は優秀だし、動きも好調時と変わりなくきびきび、併走馬にクビ先着して闘争心、集中力を失うこともなかった。力は出せる。ただ、順調さを欠いたことは事実だから、より巻き返しが難しくなったのは確かだろう。

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